IT導入補助金とは
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
直近の採択率は、7割前後となっているため、比較的通りやすい補助金と言えます。
対象となるITツール(ソフトウェア、サービス等)は事前に事務局の審査を受け、補助金HPに公開(登録)されているものとなります。
また、相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料等も補助対象に含まれます。
「補助金申請者」※1は、IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」※2とパートナーシップを組んで申請することが必要となります。
下図のように、申請者である中小企業・小規模事業者等が、IT導入支援事業者から補助事業のサポートを受けて、補助金の申請を行うということです。
※1_「補助金申請者」とは、日本国内で法人登記(法人番号が指定され国税庁が管理する法人番号公表サイトにて公表されている)され、日本国内で事業を営む法人または個人である生産性向上に資するITツールを導入する中小企業・小規模事業者等を指します。
※2_「IT導入支援事業者」とは、生産性向上を目指す中小企業・小規模事業者等に対してITツールを導入し、補助事業を円滑に遂行するための支援を行う事業者です。事務局に登録申請を行い、事務局および外部審査委員会による審査の結果、採択される必要があります。
進め方
・補助金の交付申請を行う準備として、まずは自社の業種や事業規模、経営課題に沿って、IT導入支援事業者と導入したいITツールを選定します。
・その後、IT導入支援事業者との間で商談を進め、交付申請の事業計画を策定します。
・IT導入支援事業者から『申請マイページ』の招待を受け、代表者氏名等の申請者基本情報を入力します。
・交付申請に必要となる情報入力・書類添付を行います。
・IT導入支援事業者にて、導入するITツール情報、事業計画値を入力します。
・『申請マイページ』上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出します。
・交付申請内容の審査が完了すると、交付決定通知がされます。通知を受けた申請者は補助事業者となり、補助事業を開始することができます。
申請枠の種類
IT導入補助金は、以下の5つの枠が設定されています。
| 類型 | イメージ | 補助対象 |
|---|---|---|
| 通常枠 | ITツールを導⼊して、業務効率化やDXを推進 | 在庫管理システム 決済ソフト |
| インボイス枠 (インボイス対応類型) | ITツール等を導⼊して、インボイス制度に対応 | 会計ソフト 受発注ソフト 決済ソフト PC/ハードウェア |
| インボイス枠 (電子取引類型) | 発注者主導でITツールを受注者に共有し、取引先のインボイス対応を促す | 受発注システム |
| セキュリティ対策推進枠 | サイバーセキュリティ対策を進める | ネットワーク監視システム |
| 複数社連携IT導入枠 | 商店街など、複数の中小・小規模事業者で連携してITツール等を導入 | データ分析システム PC/ハードウェア |
通常枠
中⼩企業・⼩規模事業者等が、働き⽅改⾰、被⽤者保険の適⽤拡⼤、賃上げ、インボイスの導⼊等に対応するため、⽣産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)の導⼊費⽤を⽀援するものです。
補助対象経費
【ソフトウェア】
ソフトウェア購⼊費、クラウド利⽤料(最⼤2年分)
【導⼊関連費(オプション)】
機能拡張やデータ連携ツールの導⼊、セキュリティ対策実施に係る費⽤
【導⼊関連費(役務の提供)】
導⼊・活⽤コンサルティング、導⼊設定・マニュアル作成・導⼊研修、保守サポートに係る費⽤
補助額・補助率
ITツールの業務プロセスが1〜3つまで
︓補助額5万円〜150万円未満(補助率1/2以内)
ITツールの業務プロセスが4つ以上
︓補助額150万円〜450万円以下(補助率1/2以内)
※_3か⽉以上地域別最低賃⾦+50円以内で雇⽤している従業員が全従業員の30%以上であることを⽰した場合は補助率2/3以内。
※_ITツールの業務領域が4つ以上の場合は、事業計画期間において、給与⽀給総額を年平均成⻑率1.5%以上増加させ、事業場内最低賃⾦を地域別最低賃⾦+30円以上の⽔準にする賃⾦引上げ計画を策定し、従業員に表明していることが必要
インボイス枠(インボイス対応類型)
⼩企業・⼩規模事業者等に、インボイス制度に対応したITツールの導⼊を強⼒に推進するため、会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフトの導⼊費⽤に加え、PC・タブレット、レジ・券売機等の導⼊費⽤を⽀援するものです。
補助対象経費
【ソフトウェア、オプション、役務】
ソフトウェア購⼊費、クラウド利⽤料(最⼤2年分)、 オプション(セキュリティソフト等)、役務費(導⼊⽀援費、保守費等)
※インボイス制度に対応し、「会計」・「受発注」・「決済」の機能を有するものに限る。
【ハードウェア】
ソフトウェア・クラウドサービスの使⽤に資する機器(PC・タブレット、 レジ・券売機等)の購⼊費⽤、設置費⽤
補助額・補助率
【ITツール】
1機能︓〜50万円
2機能以上︓〜350万円
補助額50万円以下の部分は、補助率3/4以内、⼩規模事業者は4/5以内
補助額50万円超〜350万円の部分は、補助率2/3以内

⇒導⼊するITツールが「会計」・「受発注」・「決済」の機能を2機能以上有する場合は、補助額350万円以下の申請が可能。(1機能の場合は、補助額50万円以下の申請が可能。)
【PC・タブレット等】
補助額:10万円まで(補助率1/2以内)
【レジ・券売機等】
補助額:20万円まで(補助率1/2以内)
インボイス枠(電子取引類型)
取引関係における発注者が、インボイス制度対応のITツール(受発注ソフト)を導⼊し、当該取引関係における受注者である中⼩企業・⼩規模事業者等に対して無償でアカウントを供与して利⽤させる場合に、その導⼊費⽤を⽀援するものです。
補助対象経費
ITツールの導⼊費⽤(クラウド利⽤料最⼤2年分)
なお、インボイス枠(インボイス対応類型)と異なり、ハードウェアの補助はありません。
補助額・補助率
補助額:350万円以下
補助率:中⼩企業・⼩規模事業者等が申請する場合→2/3以内、⼤企業等が申請する場合→1/2以内
セキュリティ対策推進枠
中⼩企業・⼩規模事業者等において、サイバーインシデントを原因とした事業継続が困難となる等の⽣産性向上を阻害するリスクを低減するとともに、供給制約やそれに起因する価格⾼騰の潜在的リスクを低減するための⽀援を⾏います。
補助対象経費
ITツールの導⼊費⽤(クラウド利⽤料最⼤2年分)
補助額・補助率
補助額:5万円〜150万円以下
補助率:中⼩企業が申請する場合:→1/2以内、⼩規模事業者が申請する場合→2/3以内
複数社連携IT導入枠
複数の中⼩・⼩規模事業者が連携してITツール及びハードウェアを導⼊することにより、地域DXの実現や、⽣産性の向上を図る取組に対して、複数者へのITツールの導⼊等を⽀援するものです。
補助対象経費
【基盤導⼊経費】
ITツール:会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトに限る (クラウド利⽤料は最⼤2年分)
ハードウェア:PC・タブレット、レジ・券売機等
【消費動向等分析経費】
ITツール:消費動向分析システム、経営分析システム、需要予測システム、電⼦地域通貨システム、キャッシュレスシステム、⽣体認証決済システム 等 (クラウド利⽤料は1年分)
ハードウェア:AIカメラ、ビーコン、デジタルサイネージ 等
【参画事業者のとりまとめに係る事務費、専⾨家費】
補助額・補助率
補助額:
・【基盤導⼊経費】【消費動向等分析経費】合わせて3,000万円
・【参画事業者のとりまとめに係る事務費、専⾨家費】200万円
補助率:
・【基盤導⼊経費】1/2〜3/4、4/5(インボイス枠インボイス対応類型と同様)
・【消費動向等分析経費】2/3以内
・【参画事業者のとりまとめに係る事務費、専⾨家費】2/3以内
以上、IT導入補助金制度概要 | IT導入補助金2025、サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要より引用
