「資金繰り表は税理士が作るもの」「銀行に提出するための資料」——そんなふうに思っていませんか?
実は資金繰り表は、経営の今を映す“財務の体温計”です。本当に危ない兆候は、ここにこそ表れます。
今回は、「資金繰り表のどこを見れば、自社の状態が分かるのか?」について、社長が押さえるべき5つのポイントを解説します。
資金繰り表はこうできている
資金繰り表は、主に以下の5つのブロックでできています。
- 月初繰越残高(先月末時点の現預金)
- 経常収支(本業の収入・支出)
- 設備収支(設備の購入や売却)
- 財務収支(借入・返済など)
- 翌月繰越残高(次月への残高)

ここから、何が分かるのでしょうか?
チェックすべき5つのポイント
① 経常収支はプラスか?
ここがマイナスなら、本業で稼いだお金よりも使ったお金の方が多いということ。
売上が少ない、仕入や経費が多すぎる、という可能性があります。

改善のヒント:
・仕入れを絞る
・人件費の見直し
・価格転嫁(値上げ)や付加価値の強化
② 借入の返済額は、本業の儲けの範囲内か?
いくら経常収支がプラスでも、借入の返済額がそれを上回っていれば、手元資金は減っていきます。
つまり、借金返済が“経常収支の黒字”で賄えるかが重要な判断ポイントです。
③ 翌月繰越金(手元資金)は減っていないか?
翌月繰越金が月々目減りしているようであれば、どこかに問題があります。
予定表でここがマイナスになる場合は資金ショートの危険信号です。

④ 経常・設備・財務のバランスは?
たとえば
- 経常「+」
- 設備「-」
- 財務「+」
であれば、本業で稼ぎ、投資もして、借入で資金を補っている状態。
経常が「-」で財務が「+」なら、本業が赤字で借金頼みという状況です。
このバランスを見るだけで、財務の方向性がつかめます。
⑤ 科目ごとの内容を細かく見る
「借入金」といっても、銀行ごとに返済の負担は違います。
「売上収入」も、主要な取引先ごとに分けて見ることで、入金タイミングや集中リスクが分かります。
まとめ:資金繰り表は“経営のカーナビ”
資金繰り表は、作るだけでは意味がありません。
「今どこに向かっているのか」「いつ危ないカーブがくるのか」を教えてくれる経営のカーナビです。
見るべきポイントを押さえて、数字の動きから早めに手を打ちましょう。
必要に応じて、「予定通りいかなかった場合のシナリオ」も想定しておくと、さらに経営の安心感が増します。
忙しい社長ほど、資金繰り表に目を通してください。資金ショートは、事前に予見できるのです。
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