「減価償却費って、実際に現金が出ていかないんだから、計上しなくてもいいんじゃないの?」
そんなふうに思う社長もいるかもしれません。
でも実は、減価償却をしっかり計上していないと、銀行や税務署からの信頼を損なう可能性があります。
減価償却とは?
機械や建物など、高額で長く使う資産は、一度に費用にせず、数年かけて少しずつ費用にします。これが「減価償却」で、その毎年の費用が「減価償却費」です。
たとえば500万円の機械を10年で償却するなら、毎年50万円を経費にできます。現金は最初に一括で払っていますが、帳簿上は年々少しずつ費用化していくのです。
「償却しない」ことで起きるデメリット
① 銀行融資に不利
銀行は、表面上の利益よりも「実質的なキャッシュの力」を重視しています。
減価償却費が計上されていないと、儲かっているように見えても「実は設備投資の回収ができていない」と判断されてしまう可能性があります。
また、銀行は決算書をそのまま信用せず、「本来あるべき減価償却費」を推計して再計算(=引き直し)します。
つまり、償却を止めてもバレるのです。
銀行は法人税申告書の別表16(下図)も確認します。ここからでも分かってしまうのです。

② キャッシュフローが悪く見える
減価償却費は現金支出を伴わないため、キャッシュフローではプラス要素。
償却をきちんと計上していると、現金が残っている会社と評価されやすくなります。
③ 税務調査で不自然に見えることも
減価償却は「任意」なので、償却しなくても違法ではありません。
ただ、古い資産がずっと帳簿に残っていたり、償却方針が毎年バラバラだったりすると、「他にも問題があるのでは?」と税務署に注目されることもあります。
まとめ
「減価償却費は、ただの帳簿上の数字」と軽く見てしまうと、銀行にも税務署にも悪い印象を与えるおそれがあります。
表面上の利益を増やすために償却を止めても、実力以上によく見せようとしていると見抜かれます。
しっかり償却している会社こそ、信用されるのです。
税理士と相談のうえ、自社の方針をしっかり決めて、戦略的に償却を活用していきましょう。
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