「先生、資金繰り表を作ってもらえませんか?」
中小企業の社長さんが、顧問税理士にこう相談すると、意外にもこんな返答が返ってくることがあります。
「資金繰り表は業務範囲外ですね」
「うちは決算・申告がメインですから」
「自社で作ってください」
「え?税理士なのに作ってくれないの?」と驚かれた方もいるかもしれません。
でも、これは実は“よくある話”なのです。
本記事では、なぜ税理士が資金繰り表を作ってくれないのか、そしてその場合に社長としてどう対応すればいいのか、分かりやすく解説します。
そもそも資金繰り表とは?
資金繰り表とは、月単位または週単位で「お金の出入り」と「残高の見通し」をまとめた表のことです。
売上や仕入れ、借入金の返済、家賃や人件費など、現金の動きを一覧で把握できるため、
- 黒字なのにお金が足りない!
- 来月の支払いに間に合わない!
といった事態を未然に防ぐための重要なツールです。
なぜ税理士が作ってくれないのか?
1.税理士業務の本質は「税務申告」
税理士の本来の業務は、決算書の作成や税務申告、節税アドバイスです。
資金繰り表のような“経営管理ツール”の作成は、税理士法上の義務業務ではありません。
つまり、「頼めばやってくれるかもしれないけど、基本的にはサービス外」という立場なのです。
2.税理士は「過去」の数字が得意
税理士が扱うのは「確定した数字」、つまり過去の会計データです。
しかし、資金繰り表は「未来予測」に近い業務。売上の見込みや支払い予定、入金遅延のリスクなど、不確定要素が多く含まれます。
この「未来の経営」部分は、経営コンサルや財務顧問の領域なのです。

資金繰り表を作ってくれないとき、社長はどうすべきか?
1.自分で簡易的な資金繰り表を作ってみる
まずはExcelで十分です。以下のような項目を週単位で並べてみましょう。
| 週 | 期首残高 | 入金予定 | 出金予定 | 期末残高 |
|---|---|---|---|---|
| 第1週 | 300万円 | 100万円 (売掛金) | 80万円 (家賃・給与) | 320万円 |
| 第2週 | 320万円 | 50万円 | 60万円 | 310万円 |
数字は“ざっくり”でも構いません。
重要なのは「お金の動きが見えるようになること」です。
2.会計ソフトの資金繰り機能を使う
最近のクラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)には、簡単な資金繰り予測機能がついています。
銀行口座やクレジットカードと連携すれば、自動でデータが取り込まれ、現金残高の予測もしてくれます。
「数字に自信がない」「Excelは苦手」という社長には特におすすめです。
3.財務に強い専門家に相談する
税理士が対応できないなら、「資金繰り専門のコンサルタント」や「財務顧問」に依頼するのが最善です。
特に、以下のような支援が必要な場合は検討の価値ありです。
- 借入金の返済が重く、リスケや借換えを考えている
- 銀行に提出する資金繰り表を作りたい
- 補助金・融資申請に向けて見通しを立てたい
地域によっては、商工会議所や金融機関でも「資金繰り相談会」や「経営支援窓口」がありますので、まずはそういった無料相談を活用してみるのも選択肢の一つです。
資金繰り表は「自分のため」に作る
ここで大事なポイントをお伝えします。
資金繰り表は、誰のために作るのか?
それは、「社長であるあなた自身」のためです。
- 不安になったとき、数字で確認できる
- 借入や投資の判断材料になる
- 銀行に説明する際の説得力が増す
税理士がやってくれなくても、自社の経営を守るために「見える化」することが何より大切なのです。
まとめ:動くのは「今」
税理士が資金繰り表を作ってくれないことにモヤモヤしていても、状況は変わりません。
✓ 自分で作る
✓ 会計ソフトを活用する
✓ 財務のプロに相談する
など、「次の一手」を打つことが重要です。
お金の流れを把握できることは、経営者としての武器になります。
資金繰りが見えれば、意思決定も、銀行交渉も、ぐっとやりやすくなります。
「うちの税理士はやってくれないから…」で終わらせず、まずはできるところから始めてみませんか?
キャッシュフロー経営の重要性が理解できた貴方へ
それでも不安な貴方。
当事務所では、「資金繰り表」作成の仕組みを無料で体験いただけるセミナーをご用意しております。
Excelを使って実際一緒に作っていただける構成となっておりますので、ぜひご活用下さい。
セミナーに参加いただいた方限定で、貴社にぴったり合った「資金繰り表」のフォーマットも無料でお渡しいたします。
ご相談はこちらから
「銀行融資、どうしたら良いのか分からない」「うちは融資が受けられるんだろうか」とお悩みの方、ぜひお気軽にお問合せ下さい。
ご質問もお受けいたします。
下記リンク先よりご連絡をいただければ、速やかにお返事をさせていただきます。
