~資金繰りを楽にする、ちょっとした工夫~
「売上はあるのに、なぜかいつも資金繰りが苦しい」――
そんな悩みを抱える社長さんは多いのではないでしょうか。
資金繰りのカギを握るのは、「入金」と「支払い」のタイミング。
その中でも特に重要なのが、「売掛金(お金が入る予定)」と「買掛金(お金を払う予定)」の管理です。
今回は、資金繰りを改善するための「売掛金・買掛金のタイミング調整術」について、実践的なポイントをお伝えします。
「売掛金の回収サイト」はできるだけ短く
売掛金とは、商品やサービスを提供したあとに入ってくるお金のこと。
通常、納品後に請求書を出し、30日後や60日後に振り込まれる――という取引が一般的です。
しかし、入金が遅ければ遅いほど、会社のキャッシュが減り、資金繰りは厳しくなります。
▼回収サイトを見直そう
たとえば現在「月末締め・翌々月末払い」になっている取引先があれば、「翌月末払い」や「翌月15日払い」など、短縮を交渉してみる価値があります。
もちろん、交渉は慎重に行う必要がありますが、実際には「言ってみたら意外とOKだった」というケースも少なくありません。
「買掛金の支払サイト」はできるだけ長く
一方で、買掛金とは、仕入れや外注費などの支払いをあとで行うお金のこと。
こちらは逆に、できるだけ支払いを遅らせた方が、キャッシュフローは改善します。
▼支払いサイトを見直そう
「納品から30日以内に支払い」となっている取引条件を「60日以内」にできないか。
「月末締め・翌月末払い」を「翌々月末払い」に変更できないか。
仕入先との信頼関係を崩さない範囲で、交渉の余地があるかを検討してみましょう。
売掛金の“回収遅れ”には即対応
せっかく回収サイトを短縮しても、入金が遅れれば意味がありません。
売掛金の「入金予定日」と「実際の入金日」をきちんとチェックする仕組みを持ちましょう。
エクセルでも良いので、管理表をつくり、入金漏れや遅延がないかを毎月チェックすることが大切です。
▼対応のコツ
- 入金予定日が過ぎたら、すぐに確認の連絡を入れる
- 営業担当にも責任を持たせる
- 常習的に遅れる取引先には取引条件の見直しを検討
回収漏れや遅延は、資金繰りにダイレクトに響くので、放置しないことが鉄則です。
「支払い日」と「入金日」をそろえる工夫
売掛金の入金は月末、買掛金の支払いは月初。
このように「入る前に出ていく」状態では、資金繰りが苦しくなるのは当然です。
▼支払日を調整してみよう
取引先との関係にもよりますが、たとえば「20日締め・翌月20日払い」のように、売上入金の後に支払いが来るようなサイト設計を目指すのも手です。
現実にはすべてを理想的にはできませんが、「一部だけでも整える」ことができれば、大きな効果が出ます。
最後の手段「ファクタリング」も知っておく
どうしても売掛金の回収が遅く、支払いに追われる場合は、「ファクタリング」(売掛債権の早期現金化)という選択肢もあります。
手数料はかかりますが、資金ショートを防ぐための一時的な手段として活用するケースもあります。
ただし、常用するとコストがかさむので、あくまで緊急対応と考えるのがよいでしょう。
まとめ:資金繰りは“タイミング”がすべて
会社のお金は、「どれだけ儲かっているか」よりも「いつ入ってきて、いつ出ていくか」が重要です。
売掛金の回収を早くし、買掛金の支払いを遅らせる。
このシンプルな工夫だけでも、資金繰りはぐっと改善します。
まずは、次の3つを実践してみてください。
- 主要取引先の売掛・買掛サイトを一覧にしてみる
- 回収サイト短縮・支払サイト延長を交渉してみる
- 入金・支払の管理表を作って毎月チェックする
数字に強くなくてもできる、タイミング調整術。
キャッシュフローを安定させる第一歩として、ぜひ取り組んでみてください。
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