～直感より、数字で見る経営改善～
飲食店経営では「勘」や「経験」に頼る場面も多いですが、実は数字（指標）を見ながら判断することで、利益体質への改善が可能になります。その中でも重要なのが「ＦＬ比率」です。
ＦＬ比率とは？
Ｆ（Food＝食材原価）とＬ（Labor＝人件費）を合わせた比率で、売上高に対して何％かを示す指標です。
これに賃料（Rent）を加えた「ＦＬＲ比率」として見ることもあります。
一般的にＦＬ比率の目安は55～65％。
優良店では50％前後、利益が出ない店舗では65％超というケースも。
たとえば、食材原価（Ｆ）を30％に抑えるなら、人件費（Ｌ）も30％程度に収め、合計60％以下を目指したいところです。
これは、社内で努力できる「経営改善ポイント」でもあります。
賃料と立地のバランス
ＦＬＲ比率として見た場合、賃料は売上の10％以下が理想ですが、「立地が7割」とも言われる飲食業では、安い賃料＝必ずしも正解ではありません。
立地が悪ければ売上が立たず、比率が下がっても本末転倒です。
他にも見ておきたい指標
① 坪月商（つぼげっしょう）
「１坪あたり月にいくら売上げているか」を示す指標。
目安は月20万円／坪以上。狭い店でも高回転・高単価であれば坪月商は高くなります。
最近話題の「肉だけすき焼き店」は、坪月商50万円という例も。
② 人時売上高（にんじうりあげだか）
スタッフ1人が1時間でどれだけ売上げたかを示します。
計算式は「月商 ÷ 総労働時間」。
理想は3,000～4,000円／時間、目標は5,000円以上です。
人手を減らせば数値は良くなりますが、現場が回らなくなり、サービス低下に直結する恐れもあります。
人員配置と生産性のバランスが大切です。
「売上はあるのに、なぜかお金が残らない…」
そんな悩みを抱えている飲食店は、まずＦＬ比率と坪月商、人時売上高を確認してみてください。
数字で見ることで、経営の問題点が見えてくるはずです。
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