資金繰りに悩む個人事業主や中小企業。
改善策は複雑に見えて、実は「収入を増やす・支出を減らす・返済を軽くする・新しく借りる」の4つに集約されます。
本記事では、それぞれの具体例と注意点を解説します。
はじめに
こんにちは。中小企業の財務コンサルタントを専門とする行政書士・1級FP技能士の本間です。
個人事業主の方も、中小企業の経営者の方も、共通して抱えている悩みがあります。
それは「資金の入りと出をどう整えるか」。
売上が思うように上がらなかったり、固定費の支払いが重く感じられたり、銀行への返済が経営を圧迫したり…。
日々の資金繰りに頭を悩ませている方は少なくありません。
しかし、資金繰りの解決策は実はシンプルです。複雑に見えても、やることは次の4つに集約されます。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 借入返済を軽くする
- 新しい融資を受ける
大切なのは、この4つを自分の状況にどう当てはめるかです。
では、それぞれを具体的に見ていきましょう。
1.収入を増やす
資金繰りを改善する最も根本的な方法は「収入を増やす」ことです。これは本業の売上アップだけに限りません。
- 新しい売上を作る
新商品・新サービスを開発する、既存顧客に追加提案(クロスセル)をする、新しい販路を開拓する。
例えば飲食店ならテイクアウトや通販を始める、製造業なら部品単位での小ロット販売を試みる。
- サービス業が物販を取り入れる
整体院が健康グッズを販売する、美容サロンが化粧品を取り扱うといった形です。
これにより「施術やサービス提供がない日でも売上を立てられる」「来店頻度が低い顧客にもリピートの接点を作れる」といったメリットがあります。
特に客単価を上げやすく、資金繰り改善に直結する手段です。
- 既存資産を現金化する
遊休設備や不動産を売却する、有価証券を換金する、長期在庫を処分する。
これは一時的なキャッシュインですが、資金ショート回避には大きな効果があります。
- キャッシュインを前倒しする
売掛金を早期回収する、取引条件を「後払い」から「前受金」に変える。
これだけで資金繰りは数か月単位で楽になります。
- 個人であれば
副業や資格を活かした仕事を増やす、クラウドソーシングを利用して短期収入を得る。
👉 考えてみてください
あなたのサービスに「物販」を組み合わせることで、収入の柱をもう一本作ることはできませんか?
2.支出を減らす
資金繰りの改善で次に重要なのが「支出を減らす」ことです。
特に固定費は毎月確実に出ていくため、見直しの効果が積み重なります。
- 固定費の見直し
家賃の交渉、保険料の見直し、通信費プランの再検討、不要なサブスク契約の整理。
- 変動費の最適化
仕入れ条件の見直しや発注単位の調整、外注先の比較、まとめ買い割引の活用。
- 先送りできる支出の調整
大きな設備投資を半年先に延ばす、交際費を一時的に抑えるなど。
ただし注意点があります。「削りすぎ」は将来の成長を妨げます。
広告宣伝費や教育費を完全に止めてしまえば、一時的には楽になりますが、数年後の売上基盤が崩れる可能性があります。
👉 考えてみてください
毎月の支出のうち、「本当に今必要なもの」と「将来のために残すべきもの」を分けていますか?
3.借入返済を軽くする
資金繰りが厳しいとき、借入金の返済が大きな負担になっている場合があります。
このとき取れる手段は以下の通りです。
- 返済期間を延ばす
5年返済を7年に延ばすことで、毎月の返済額を軽減できます。
- 低金利への借換え
金利が1%下がるだけで、年間数十万円の支出が減ることもあります。
複数の銀行を比較する価値は大きいです。
- 元金返済猶予(リスケ)
どうしても他に手がなく、資金ショートが目前に迫っている場合に限って、銀行に返済条件の変更を相談する方法です。
ただしこれは「最後のカード」です。一度リスケをすると、新規融資が難しくなる可能性があります。
👉 考えてみてください
今の返済スケジュールは、あなたの事業のキャッシュフローに本当に合っていますか?
4.新しい融資を受ける
最も即効性があるのは「新しい融資を受ける」ことです。当座の資金ショートを防ぐには有効な手段です。
- 運転資金として
保証協会付き融資、日本政策金融公庫の制度融資、信用金庫の短期融資など。
- 成長のための投資資金として
設備導入、販路開拓、人材採用など、将来の売上につながる投資には借入を積極的に活用すべき場合もあります。
- 返済原資を明確にする
「何のために借りるのか」「どの売上で返すのか」を説明できることが、銀行との信頼関係につながります。
資金繰り表を提示しながら相談するだけでも評価が変わります。
👉 考えてみてください
借入を「延命のため」ではなく「成長のため」として説明できますか?
まとめ
資金繰りの悩みは複雑に見えますが、結局は次の4つに整理されます。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 借入返済を軽くする
- 新しい融資を受ける
この4つをどう組み合わせ、どの順番で取り組むかで結果は大きく変わります。
特に「収入を増やす」の中でも、サービス業にとって物販は現実的かつ効果的な選択肢です。
大切なのは、まず資金繰り表やライフプラン表を作り、現状を「見える化」することです。
そうすれば、自分にとって今どの方法が最優先かがはっきりしてきます。
資金繰りは待ってくれません。小さくても良いので、今日から一歩踏み出してみてください。
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