信用金庫は中小企業にとって心強い相談窓口ですが、その支援には限界があります。
組織としての目標や制約もあるため、必ずしも経営者の立場と完全に一致するとは限りません。
この記事では、信金のサポートを最大限に活かしつつ、外部コンサルを補完的に使うことで資金繰りを安定させるための経営の工夫を解説します。
はじめに
こんにちは。中小企業の財務コンサルタントを専門とする行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
私は30年間の経理・財務経験を経て、現在は地元の中小企業を対象に「資金繰り改善・融資サポート」に取り組んでいます。
本記事では、信用金庫の役割を尊重しつつ、経営者が主体的に資金繰りを守るために「外部コンサルをどう活用すべきか」を整理しました。
信用金庫サポートの限界を理解する
信用金庫は「地域密着」「非営利」を掲げ、中小企業の重要なパートナーです。
ただし金融機関である以上、融資実行や収益確保といった目標を持っています。
そのため、支援が経営者の立場と完全には一致しない場合もあります。
- テンプレ対応になりがち
「計画書を作りましょう」「資金繰り表を付けましょう」と言われても、細部は社長任せになることが多い。
- マンパワー不足
行員1人が数十社を抱えているため、深く入り込んだ支援は難しい。
- 営業目線が混ざることもある
融資や金融商品の提案は、信金の実績づくりが背景にあることもある。
👉 大切なのは「信金を批判する」のではなく、「信金の役割を理解したうえで、自分にとって必要な部分をどう補うか」を考えることです。
外部コンサルを使う意味を整理する
外部コンサルは信金と競合する存在ではありません。
むしろ信金の支援を補完し、経営者が自分の意思で判断できる環境を整える役割を持っています。
- 経営者が、自分の意思決定に使える資料を得られる
- 資産売却か追加融資かコスト削減かを一緒に検討できる
- 銀行対応の前に、資金繰り表で現状を把握できる
- 信金には言いづらい本音を相談できる
👉 信金のサポートは無料ですが、相談や助言が中心。
外部コンサルは有料ですが、実行や定着まで伴走してくれる。
この違いを理解しておくことで、信金のペースに流されず、主体的に判断できるようになります。
信金への伝え方を工夫する
外部コンサルを入れると、信金は「自分たちの関係性が弱まるのでは」「融資提案が通りにくくなるのでは」と不安に思うことがあります。
しかし本来、外部コンサルは信金の役割を奪うものではなく、むしろ「社長が準備を整え、実行に移す」部分を支える存在です。
結果的に、信金にとっても融資判断がしやすくなり、取引はスムーズになります。
信金が本当に警戒するのは「社長が自立してしまい、これまでのペースで誘導できなくなること」。
だからこそ、経営者は次のように伝えるとよいでしょう。
- 「融資や金融サービスは信金さんにお願いしています」
- 「外部コンサルは、改善策を実行に移す伴走役です」
- 「信金と一緒に会社を良くしていきたいと考えています」
👉 このように説明すれば、信金には「外された」印象を与えず、むしろ「ありがたい協力者」と受け止めてもらえるケースが多くなります。
経営者が取るべき次のステップ
信金と外部コンサルをうまく使い分けるために、経営者が意識しておきたい行動は2つです。
(1)信金との役割分担を整理しておく
「信金=相談・融資の窓口」「外部コンサル=実行・定着の伴走役」と整理しておきましょう。
👉 こうすることで、信金の提案を鵜呑みにせず、自社にとって本当に必要かどうかを落ち着いて判断できます。
(2)無料と有料の違いを理解して選ぶ
「信金は無料で広く浅く支援」「外部コンサルは有料だが狭く深く支援」。
どこまで踏み込んだサポートが必要かは、社長自身が判断すべきことです。
👉 「相談だけで十分か」「実行まで伴走してもらわないと動けないか」を考えると、投資判断もしやすくなります。
実際に好転したケース
実際に、外部コンサルを導入したことで資金繰りが安定したケースは少なくありません。
- 赤字続きで資金ショート寸前だったが、資金繰り表を整え改善計画を策定。信金から追加融資を引き出し、半年で黒字転換。
- 入金遅延に苦しんでいたが、シミュレーションを作成し、融資とコスト削減を同時に進めて3か月で安定化。
- 融資相談で一度は断られたが、改善計画を練り直し再チャレンジ。結果的に融資が実行され、事業を継続。
👉 ポイントは「信金に任せきりでは難しかったことが、外部コンサルの伴走で実現できた」という点です。
まとめ
信用金庫は中小企業にとって心強い存在ですが、金融機関としての制約や営業目標があるため、支援には限界があります。
だからこそ経営者は「信金を頼る」と同時に「外部コンサルを補完的に使う」ことで、判断軸を持ち、自らの意思で行動する必要があります。
信金が恐れるのは顧客を奪われることではなく、社長が自立してしまうこと。
しかし、それこそが会社にとって健全な姿です。
実際に外部コンサルを導入して資金繰りが好転した企業は数多くあります。
もし今、資金繰りや銀行対応に不安を抱えているなら―
「信用金庫の支援+外部コンサル」という二本立てを一度試してみてください。
きっと見える景色が変わり、会社の未来を守る第一歩となるはずです。
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