こんにちは。財務コンサルタントの本間です。
経営者の皆さんは、日々の資金繰りや人材育成、取引先との交渉など、不安と隣り合わせで経営を続けておられることでしょう。
「自信を持って事業を進めたい。でも不安が尽きない」――その感覚は、決して間違っていません。
元お笑いタレントの島田紳助さんは、成功の秘訣について「70%は“自分は必ず成功する”という強い思い、残り30%は“不安”」だと語っています。
なぜなら、100%自信しかないと人は安心して努力を怠ってしまう。
しかし30%の不安が残っているからこそ、それを埋めようと必死に考え、行動を起こす。
これが努力につながるというのです。
これは経営にもそのまま当てはまります。
不安があるからこそ準備ができる
資金繰りの先行きに不安を感じるからこそ、経営者は資金繰り表をつくり、未来の収支を予測します。
銀行融資に対する不安があるからこそ、事業計画書を整え、数字で説明できる準備をします。
もし「大丈夫、何とかなる」と根拠のない自信で突き進めば、資金ショートや信用低下といった危機に直面しかねません。
つまり、不安は会社を守るための“防波堤”であり、“行動を起こす原動力”でもあるのです。
70%の自信がなければ行動できない
とはいえ、不安だけが大きすぎれば身動きが取れなくなります。
「どうせ融資なんて無理だろう」「人材が集まらない」と最初から諦めてしまえば、挑戦する前にチャンスを逃してしまいます。
だからこそ「うちは必ず成長できる」「この地域で必要とされている会社だ」という70%の自信が欠かせません。
自信があるから行動でき、不安があるから努力を続けられる。
両者のバランスこそが、経営を前に進める力になるのです。
経営者にとっての「30%の不安」の使い方
実務に落とし込むと、この30%の不安は次のように活かせます。
- 資金繰りの不安 → 「毎月の資金繰り表」で未来を見える化
- 銀行融資の不安 → 「5か年計画」を作り、数値で信頼を得る
- 市場競争への不安 → 「粗利率や固定費のチェック」で採算性を確認する
これらは経営者にとっての“努力の方向性”です。
漠然とした不安を放置せず、数字と計画で解消に向けることが、持続的な成長につながります。
おわりに
経営に100%の安心はありません。
むしろ「70%の自信」と「30%の不安」を持ち続ける姿勢こそが、会社を成長させるエンジンになります。
不安を感じたら「これは努力のサインだ」と前向きに捉え、次の一手を考えてみてください。
その積み重ねが、資金繰りの安定と経営の未来を切り拓いていきます。
