はじめに
営業や販促の現場で、「どうやって売り込むか」に意識が向きがちです。
しかし本当に大切なのは「売り込み」ではなく「提案」ではないでしょうか。
先日参加したセミナーで印象的なエピソードがありましたので、ご紹介します。
息子に頼んだ「瞬足」
講師は、息子さんに「新しい靴を買ってきて」と頼みました。「瞬足がいいんじゃないか」とアドバイスも添えて。
「瞬足」といえば、小学生なら誰もが知っている人気シューズ。運動会のカーブを転ばずに走れるように設計され、発売当時から大ヒットした商品です。
ところが、息子さんが買ってきたのは全く違う靴でした。
店員の一言で選択が変わった
なぜ違う靴を選んだのか。息子さんはこう説明しました。
「店員さんから、『君は転ばないよね。でもスタートが遅れるから1番になれないんじゃないかな。だったら、この靴の方が合うよ』と勧められたんだ。」
つまり、息子さんの「課題」はカーブで転ぶことではなく、スタートダッシュだったのです。
店員さんは「瞬足」の知名度に頼るのではなく、息子さん本人のニーズに耳を傾けて、より適した靴を「提案」したのです。
有名ブランドでもズレることがある
「瞬足」は素晴らしい商品です。しかし、どんなに有名で人気のある商品でも、お客様の状況や課題に合わなければベストの選択にはなりません。
営業やサービス提供でも同じです。
私たちはつい「売れ筋商品」「自信のあるサービス」を前面に出しがちですが、それが相手に本当にフィットしているかは別問題です。
提案は信頼を生む
このエピソードから学べるのは、「売り込み」と「提案」の違いです。
- 売り込みは「こちらが売りたいものを押す」こと。
- 提案は「相手にとって最適なものを一緒に考える」こと。
提案を受けたお客様は、「自分のことを理解してくれた」と感じ、信頼関係が生まれます。
その結果、長期的な関係性につながります。
あなたのビジネスに置き換えてみよう
👉 あなたの商品やサービスは、お客様の“本当のニーズ”に寄り添えていますか?
👉 ただの売り込みになってはいませんか?
無理に売らず、お客様と向き合い、最適な解決策を一緒に探す姿勢が、最終的には成果に結びつきます。
まとめ
「瞬足」の話は、私たちに営業の本質を思い出させてくれます。
有名商品や実績に頼るのではなく、相手の課題を理解して「提案」すること。
💡 売り込みは一時的ですが、提案は信頼を生む。
この視点を持つことで、あなたのビジネスもより強固で長期的な関係を築けるはずです。
