金利が変動するメカニズム
金利は、お金を貸す側(銀行や投資家など)と借りる側(企業など)の受給バランスによって変動します。
企業が投資活動に積極的になれば、市中にあるお金の量が少なくなり、高い金利でもお金を借りようとします。すなわち金利が高くても借りることになり、その結果、金利が上昇します。
逆に企業が投資活動に消極的であれば、市中にお金が余っている状態となり、金利が低くなければお金を借りません。その結果、金利は低下します。
金利の変動要因
金利は「景気」「物価」「為替相場」「通貨供給量」によって変動します。
景気が良くなる⇒金利が上昇
「景気」が良くなれば、消費者の消費活動に応えるために企業は生産量を増やします。そうすると、生産設備を新たに購入したりすることで、お金の需要が高まるため、高い金利でも借入れます。結果して、景気が上向けば、金利は上がります。
物価が上昇⇒金利が上昇
値段が高くなったモノを買うために、消費者は貯蓄を崩します。その結果、銀行からお金が減り、銀行が貸し出すお金の希少性が高まります。高い金利を付けても借りたい人にしか貸せなくなり、結果して金利は上がります。
為替相場が円安に動く⇒金利が上昇
「円安」とは、円の価値が下がることを指します。1ドル100円と、1ドル150円では、150円の方が円安ということになります。1ドルのハンバーガーは日本円で100円で買えていたのに、150円出さなければ買えなくなるということです。
円安になると、海外からの輸入品価格が高くなり、国内の物価が全体的に高くなる影響が生じます。その結果、上記の物価上昇のときと同じように、金利が上がります。
日銀の金融引き締めによる通貨供給量の減少⇒金利が上昇
市中に出回る資金の量が減れば、消費者は貯蓄に回すお金が少なくなります。銀行は預金を獲得しようと、金利を上げて条件を良くします。その結果、金利は上昇します。
借りる場合でも同じことが言え、資金の供給量が少ない中でお金を借りようとすると、高い金利でも借りざるを得なくなります。
金融政策とは
日銀の金融引き締めのお話しをしましたが、日銀は金融政策でお金の量を調整します。
具体的には、日銀が持っている国債を銀行等に買い取らせ、市場からお金を回収する「売りオペレーション」や、逆に、銀行が持っている国債を日銀が買い取ることで、市場にお金を供給する「買いオペレーション」によって、市中の通貨量を調整します。
ニュースでよく言う「政策金利」とは、日銀が金融政策を行う際の短期金利の「誘導目標」のことで、この金利を達成するために、日銀は「売りオペレーション」「買いオペレーション」を行って市中の資金の量を調整します。
日銀は2024年3月にマイナス金利を解除、2024年7月には追加利上げ(政策金利0~0.1%⇒0.25%)を決定しました。そしてその半年後の2025年1月に、さらに追加の利上げ(政策金利0.25%⇒0.5%)を決定しました。
金利を上昇させるために、日銀は「売りオペレーション」(国債を銀行に売って市中から資金を回収する)を行います。日銀は、ターゲットとなる「政策金利」を達成するよう、通貨量を調整しているのです。
借入金利は今後上昇するのか
2025年3月現在、物価は上昇しており、為替は円安傾向にあります。すなわち、金利が上昇する要因が揃っているということになります。また目下、日銀は政策的に金利を上げようとしている状況です。
この傾向が続けば、銀行からの借入金利は上昇することになります。
支払い利息が増えることは、企業業績の圧迫要因となるため、これまでの低金利時代とは違う見方での対処が必要かもしれません。今後の経済の動向を注視しつつ、借入れのタイミングや固定金利/変動金利の選別を検討した方がよいでしょう。
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