この記事で分かること
- 4月にきんざいで新設されたFP1級学科免除養成講座の概要と受講のハードル
- FP1級学科試験の本来の難易度と必要な学習量
- 資格が希薄化する時代において真の価値を提供するための視点
はじめに
2026年4月、きんざい(金融財政事情研究会)において新たに「FP養成コース(1級通信+スクーリング)」が開設されました。
【きんざい ホームページより引用】👇
【新規開講】FP1級学科免除「FP養成コース(1級通信+スクーリング)」 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
この講座は、所定のカリキュラムを修了することでFP1級の最大の壁である「学科試験」が免除されるという特長を持っています。
本記事では、この免除コースの概要を整理するとともに、本来の試験の難易度を振り返りながら、今後の1級FP技能士という資格の価値がどのように変化していくのかについて考察します。
学科免除養成講座の概要と受講のハードル
今回新設された養成講座は、個人での直接申込みはできず、法人(個人事業主)による受講申込みを前提としています。
講座内容は、通信講座(テキスト6冊)+スクーリング(全8回)+修了試験、
受講料は「330,000円(税込)」、
定員は300名(1法人あたり10名まで)
とされています。
さらに「通信+スクーリング」という形式であり、通学が必須となっています。
スクーリングの会場は
札幌、仙台、大宮、東京、名古屋、大阪、岡山、福岡
に限られているため、地方在住者にとっては物理的・時間的なハードルが高いという実態があります。
このように、個人利用の不可や受講地の制限といった条件があるため、一見すると対象者は限られており、資格取得者の数に与える影響は少ないように思えるかもしれません。
想定される影響と希少価値の低下
しかし、この新制度によって、名刺に「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」と記載できる資格保有者の絶対数は増加し、結果として資格としての希少価値が低下するおそれがあります。
なぜなら、国家資格は一度取得すれば生涯有効だからです。
金融機関などの組織に所属している間に、会社のバックアップを利用して学科免除で資格を取得し、その後に独立して財務支援等を行うというパターンは今後十分に考えられます。
限られた受講条件であっても、中長期的には同じ肩書きを持つ専門家が市場に確実に増加していくことは避けられません。
1級学科試験の本来の難易度
そもそもFP1級の学科試験は、2級取得者などの限られた条件を満たした層のみが受験できるにもかかわらず、
学科の合格率はおおむね10〜15%前後で推移しており、過去には3%台となった回もあるほどの難関資格です。
年金、税金、不動産、相続など6分野にわたる科目を非常に深いレベルまで学習する必要があり、
基礎編150分+応用編150分という長時間の試験を戦い抜くための知識の定着には、通常500時間程度の学習期間が求められると言われています。
この厳しい関門を自力で突破するためには、表面的な暗記ではなく、各制度の背景を紐解き、複雑な要件を体系的に結びつける強い論理的思考力が不可欠となります。
資格の希薄化と継続的なブラッシュアップの重要性
免除ルートが確立されたことにより、1級取得者の絶対数が増え、資格単体が持つ相対的な希少性は、今後薄れていく可能性があります。
名刺の上の肩書きだけでは、どれほどの研鑽を積んできたのかを証明することは難しくなるでしょう。
だからこそ、厳しい試験に挑み、苦労して得た深い知識を実務の中で常にブラッシュアップし続ける姿勢が一層重要になります。
机上の正論をそのまま提示するのではなく、その知識を土台として、企業の抱える切実な課題に対して経営者が心から腹落ちする「設計」へと昇華させることが、真の価値を提供する条件となります。
私自身、合格率が16.95%という非常に厳しい回での受験でしたが、一切の免除を利用せず自力で学科試験を突破しました。
その際の具体的な学習方法や軌跡については、以下の記事に詳しくまとめています。
【関連記事】 👉 なぜ私がわずか3か月の勉強で1級FP(学科)に合格出来たのか
まとめ
きんざいでのFP1級学科免除養成講座の開設は、資格取得のルートを広げる一方で、肩書きそのものの希少性を相対的に低下させる側面を持っています。
資格の名称に甘んじることなく、難関試験を突破する過程で得た知識を絶えずアップデートし続けることこそが、実務において確固たる提案力を生み出す源泉となります。
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