この記事でわかること
- 財務コンサルが関与して作成する「基本の4表」の役割
- 実績資金繰り表、損益計画、資金繰り予定表、予実管理表の違い
- 4つの資料を連動させ、銀行からの信用を高める方法
- 売上と売掛金を例にした、実務上の動きと資金不足の回避策
- 社長が一人で悩まず、安定した財務設計を手に入れるための手順
はじめに
「売上はあるのに、なぜかお金が残らない」
理由の一つは、利益とキャッシュの動きが全くの別物だからです。
例えば、売上が計上されても実際の入金は翌月というケースは多々あります。
利益は出ているのに、手元の資金は減っている。それがビジネスの現実です。
だからこそ、経営において「利益を見る資料(試算表)」だけでは不十分です。
いつ、いくらの現金が足りなくなるのかを事前に把握し、先手を打つための「設計」が必要になります。
実務においては、
①実績資金繰り表
②損益計画
③資金繰り予定表
④予実管理表
この4つを連動させながら、毎月の経営状態を確認していくことが重要です。
今回は、財務コンサルと共にこの「基本の4表」を整備することが、なぜ会社の未来と銀行からの評価を変えるのかを整理します。
①実績資金繰り表とは
過去のお金の動きを確認する資料です。
「実際に現預金がどう動いたか」を確認するために作成します。
つまり、会社の通帳の流れを整理し、
- 何にお金を使ったのか
- どこから入金があったのか
- 月末残高はいくら残ったのか
を正確に把握します。
経営者の感覚だけで現金を管理していると、借入の元本返済、税金の支払い、設備投資、売掛金の回収遅れなど、利益には直結しない「現金の減少」を見落とすことがあります。
実績資金繰り表は、「会社のお金が実際にどう減ったか」を客観的に確認し、財務改善のスタート地点を決めるために不可欠な資料です。
②損益計画とは
目標利益を決めるための計画です。
「どれくらい売上を作り、どれくらい利益を残すか」を月次で設計します。
これは単なる理想論や、根拠のない目標数値ではありません。
売上、粗利、人件費、固定費、営業利益などを具体的な数字に落とし込みます。
重要なのは、数値を達成するための「行動」まで具体化することです。
既存顧客への訪問件数、新規問い合わせの獲得目標、単価改定の実施など、
「何をやるのか」というアクションプランと数字が結びついて初めて、実務で使える計画となります。
③資金繰り予定表とは
将来のキャッシュ残高を予測する、極めて重要な資料です。
「このまま計画通りに進むと、いつ、どれくらいお金が残るのか(または足りなくなるのか)」を予測します。
ここで見るべきは利益ではなく、現金残高です。
例えば、「来月から売上を増やす」という損益計画を立て、実行したとします。
しかし、仕入の支払いが先行し、売掛金の回収が翌月になる場合、売上が上がっているにもかかわらず一時的に深刻な資金不足に陥ることがあります。
資金繰り予定表を毎月作成していれば、この「数ヶ月先の資金不足」を事前に察知できます。
「現金が底をついてから慌てて銀行に駆け込む」のではなく、
「3ヶ月後にこれだけの運転資金が必要になるため、今のうちに融資を受けたい」と銀行へ論理的に説明できるようになります。
この事前予測と根拠のある説明こそが、銀行の評価を高める要因です。
④予実管理表とは
計画と実績を比較し、軌道修正を図るための資料です。
「計画通りに進んでいるか」を確認します。
税理士から試算表を受領したタイミングで、損益計画と実際の数値を比較し、売上差異、粗利差異、経費差異を分析します。
重要なのは原因分析です。
売上が未達だった場合、単に「ダメだった」で終わらせず、案件の失注なのか、単価の下落なのか、広告の反応低下なのかを突き止めます。
原因がわかれば、「来月どう修正するか」という具体的なアクションプランの再調整が可能になります。
4つの資料はどうつながるのか
流れとしては、次の順番で毎月サイクルを回します。
①実績資金繰り表で現状の現金を把握する
↓
②損益計画で利益と行動の目標を立てる
↓ ↑
③資金繰り予定表で将来の現金を予測し、融資や投資の判断をする
↓
④予実管理表で結果を検証し、原因を分析する
↓
再度、②損益計画と③資金繰り予定表を見直す
このサイクルが回っている会社は、常に「次の一手」が明確になっているため、経営の不安が大きく軽減されます。
まとめ
財務コンサルが関与する最大の目的は、単に数字を集計して綺麗な表を作ることではありません。
実績を確認し、未来の現金を予測し、行動を修正し続けるための「仕組み」を会社の中に実装することです。
これら4つの表が連動して機能することで、勘に頼った経営から脱却し、銀行からも「数字の管理が行き届いている企業」として評価されるようになります。
しかし、日々の業務に追われる中で、社長が一人でこの仕組みを作り上げ、毎月冷静に分析を続けるのは非常に困難です。
財務コンサルという外部の視点を入れることで、客観的に無駄が洗い出され、銀行が納得する精度の高い財務設計が可能になります。
当事務所のコンサルのご案内
当事務所のサービス体系です。ぜひとも御社の資金繰り改善のお手伝いをさせて下さい。
👉 Willshine行政書士事務所の資金繰りコンサルティング
お問い合わせはこちら
「資金繰り表を作った方がよいとは聞くが、何から始めればよいか分からない」
「利益は出ているのに、なぜかお金が残らず常に不安がある」
「銀行との付き合い方や、適切な融資のタイミングを整理したい」
このような経営課題に向けて、数字の整理から次の一手の検討までサポートを行っています。
当事務所では、以下のような業務に対応しています。
- 実績資金繰り表の整備
- 損益計画の作成支援
- 資金繰り予定表による資金予測
- 予実管理と改善提案
- 金融機関対応や融資相談
単に一般的な資料を作るだけではなく、社長が心から腹落ちする設計を提案し、一緒に数字を見ながら経営を形にしていくことを重視しています。
手元の資金の不安をなくし、事業に集中できる環境を作りたいとお考えの方は、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。
資金繰り表無料ダウンロード
WEB特典無料ダウンロードとして、「実績資金繰り表フォーマット」をダウンロードいただけます。