この記事でわかること
- 実績資金繰り表と予測資金繰り表の違い
- 予測資金繰り表が「仮定」で成り立つ理由
- 資金繰りを左右する重要パラメータ
- 利益計画だけでは会社のお金は読めない理由
- 伴走型資金繰りコンサルが「社長と一緒に考える」理由
はじめに
「利益は意見、キャッシュは事実」
資金繰りの現場では、よく使われる言葉です。
実績資金繰り表は、実際の入出金を集計したものです。
実際に入ってきたお金、実際に出ていったお金を整理する以上、答えは一つしかありません。
一方、予測資金繰り表は違います。
未来の売上、仕入、回収条件、借入返済、設備投資など、さまざまな「仮定」を置いて作るためです。
つまり、予測資金繰り表とは、単なる未来予想ではありません。
経営判断を数字に落とし込んだ「シミュレーション」なのです。
そして、ここにこそ、伴走型資金繰りコンサルの本質があります。
実績資金繰り表は「事実」を確認する表
実績資金繰り表の役割は明確です。
- なぜお金が減ったのか
- どこで資金が詰まったのか
- 利益と現金残高がなぜズレたのか
を確認することです。
たとえば、
- 売上は増えている
- 利益も黒字
- しかし預金残高は減っている
というケースは、実務では珍しくありません。
原因としては、
- 売掛金の増加
- 在庫の増加
- 借入返済
- 設備投資
- 消費税納税
などが考えられます。
つまり、利益だけでは会社のお金は見えないということです。
だからこそ、過去を整理する「実績資金繰り表」が必要になります。
予測資金繰り表は「仮説」で出来ている
一方、予測資金繰り表は、未来を扱います。
しかし未来は、まだ存在していません。
つまり、予測資金繰り表は、必ず「仮定」の上に成り立っています。
ここで重要なのは、
「正しい未来を当てること」
ではありません。
むしろ重要なのは、
「どの条件なら資金が持つのか」
「どの条件だと危険になるのか」
を事前に把握することです。
そのため、予測資金繰り表は、一つだけ作れば良いものではありません。
複数パターンをシミュレーションしながら、最適な経営判断を探していくことに意味があります。
予測資金繰り表を左右する主なパラメータ
① 損益計画
最も基本になるのが、売上・利益計画です。
- 売上高
- 粗利率
- 人件費
- 外注費
- 広告費
- 固定費
などを月別に計画します。
ここで重要なのは、「年間黒字」だけを見るのではなく、月別で見ることです。
たとえば、
- 季節変動
- 閑散期
- 賞与支給月
- 税金納付月
などによって、資金繰りは大きく変わります。
年間では利益が出ていても、一時的に資金ショートする会社は少なくありません。
② 回収サイト・支払サイト
利益計画だけでは、資金繰りは完成しません。
なぜなら、売上と入金にはズレがあるからです。
たとえば、
- 売上は今月
- 入金は翌月末
というケースであれば、売上増加ほど資金負担も増えます。
逆に、
- 支払サイトを伸ばせる
- 前受金を増やせる
のであれば、資金繰りは改善します。
つまり、同じ利益計画でも、
「いつ入るか」
「いつ出るか」
によって、資金残高は大きく変わるのです。
③ 在庫の水準
見落とされやすいのが在庫です。
売上拡大を目指すと、
- 仕入を増やす
- 在庫を積む
必要が出てきます。
しかし在庫は、売れるまで現金化されません。
つまり、
「利益は出る予定」
「でも現金は先に減る」
という状態が起きます。
特に、
- 建設業
- 製造業
- 卸売業
などでは、在庫や材料負担が資金繰りに直結します。
④ 借入返済計画
借入条件も、重要なパラメータです。
たとえば同じ1,000万円の借入でも、
- 返済期間
- 据置期間
- 金利
によって、毎月の資金負担は大きく変わります。
設備投資をする場合も、
- 購入
- リース
- PPA
など、選択肢によって資金繰りは変わります。
つまり、資金繰り表とは、
「利益計画を作る作業」
ではなく、
「経営条件を設計する作業」
なのです。
予測資金繰り表は「外れた時」のために作る
予測資金繰り表は、未来を完璧に当てるためのものではありません。
本当に重要なのは、
「想定が外れたらどうなるか」
を見ることです。
たとえば、
- 売上が10%下がったら?
- 入金が1か月遅れたら?
- 補助金が予定より遅れたら?
- 融資実行が後ろ倒しになったら?
こうしたケースを先に確認しておくことで、
- どの時点で危険になるか
- どれくらい余裕資金が必要か
- 追加融資をいつ相談すべきか
が見えてきます。
つまり、予測資金繰り表とは、
「危険を見つけるための表」
でもあるのです。
伴走型資金繰りコンサルの本質は「社長と一緒に考えること」
ここまで見てきたように、予測資金繰り表は、無数の仮定で成り立っています。
だからこそ、
「正解を一方的に渡す」
だけでは、意味がありません。
重要なのは、
- どの前提が危険か
- どの投資なら耐えられるか
- どの売上計画なら現実的か
- 銀行はどこを見るか
を、社長と一緒に整理していくことです。
実際の経営では、
- 新規採用をどうするか
- 設備投資を急ぐか
- 借入を増やすか
- 在庫をどこまで持つか
など、「正解が一つではない判断」が続きます。
だからこそ、伴走型資金繰りコンサルでは、
数字を作ることそのものよりも、
「社長と一緒に考えること」
を重視しています。
まとめ
実績資金繰り表は、「過去の事実」を確認する表です。
一方、予測資金繰り表は、「未来の仮説」を整理する表です。
そして、その未来は、
- 売上計画
- 在庫水準
- 回収条件
- 支払条件
- 借入条件
など、多くのパラメータによって変化します。
だからこそ重要なのは、
「一つの正解を当てること」
ではなく、
「複数のシナリオを検討し、危険を先回りして把握すること」
です。
資金繰りに追われる経営ではなく、資金繰りを設計する経営へ。
予測資金繰り表は、そのための重要な経営ツールです。
お問い合わせはこちら
本文でも触れたように、予測資金繰り表は、「未来を当てる表」ではありません。
重要なのは、
- どの条件なら資金が持つのか
- どの判断が危険なのか
- どのタイミングで融資を検討すべきか
を、事前に整理することです。
当事務所では、単に数字を作成するだけではなく、
「社長と一緒に考える伴走型資金繰りコンサル」
を重視しています。
- 資金繰り表を作ったことがない
- 利益は出ているのにお金が残らない
- 今後の投資判断に不安がある
- 銀行融資を見据えた計画を作りたい
このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
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