「顧問料の中で申請も対応します」は大丈夫?行政書士法改正で見直したい「無料の申請代行」

  • 行政書士法改正で明確化されたポイント
           
  • 「顧問料」「会費」「コンサル料」が問題となるケース
           
  • サービス提供事業者が注意したい実務上のポイント
           
  • 申請を依頼する企業側が確認しておきたいこと
           

       
       

コンサルティング業や設備販売業、各種会員サービスなどを提供されている事業者の中には、

顧客サービスの一環として、

  

・許認可申請書を作成する

・更新手続きを代行する

・届出書類を作成する

  

といった対応を行っているケースがあるかもしれません。

  

お客様の負担を減らしたい。

サービス向上につなげたい。

そうした善意から行われていることも少なくないでしょう。

  

しかし、令和8年1月施行の行政書士法改正により、こうしたサービスについて改めて確認しておきたいポイントがあります。

それが「報酬」の考え方です。

  

 

今回の改正では、業務制限に関する規定が次のように改められました。

  

【改正前】

行政書士又は行政書士法人でない者は、業として行政書士業務を行うことができない。

  

【改正後】

行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て、行政書士業務を行うことができない。

  

今回の改正で新たに明記されたのが、

「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」

という部分です。

  

もっとも、今回新たな規制が作られたわけではありません。

  

従来から、

「手数料」

「コンサル料」

「会費」

などの名目であっても、

  

実質的に書類作成の対価であれば行政書士法上の報酬に該当するという考え方は存在していました。

  

今回の改正は、その考え方をより明確に条文上へ反映したものと考えられます。

  

  

今回の改正で特に重要なのが、「報酬」の考え方です。

  

一般的には、

「書類作成料を受け取った」

のであれば報酬だと考えるでしょう。

  

しかし、行政書士法上はそれだけではありません。

  

例えば、

「顧問契約を結んでいただいた方には申請も無料で対応します」

というケース。

  

申請書類の作成費用を別途請求していなくても、顧問料の一部が実質的な対価と判断される可能性があります。

  

また、

「会員向けサービスとして更新申請を代行します」

というケースであれば、会費の一部が書類作成の対価とみなされる可能性があります。

  

つまり、

「何という名前でお金を受け取ったか」

ではなく、

  

「実際には何の対価なのか」

が重視されるということです。

  

  

今回の改正を踏まえると、次のようなサービスを提供している事業者は一度確認してみる価値があります。

  

  • 顧問契約の特典として許認可申請を代行している
           
  • 設備販売とセットで届出書類を作成している
           
  • 補助金コンサルの一環として申請書類を作成している
           
  • 会員向けサービスとして更新申請を代行している
           
  • 各種手続き代行サービスとして申請書類を作成している
           

  

もちろん、多くの場合は顧客満足度向上を目的とした善意のサービスでしょう。

  

しかし、

「書類作成料はもらっていないから大丈夫」

という考え方は通用しない可能性があります。

  

実際には、業務全体として報酬を得ていると評価される場合があるためです。

  

今回の改正では、違反行為を行った従業員だけでなく、その従業員が所属する法人も処罰対象となる両罰規定が整備されました。

  

そのため、

「昔からやっている」

「他社もやっている」

ではなく、

  

自社の業務内容が法令に適合しているかを改めて確認することが重要になっています。

  

  

今回の改正は、主としてサービスを提供する側に関わる内容です。

  

一方で、申請を依頼する企業側も無関係ではありません。

近年はコンプライアンス(法令遵守)が企業経営においてますます重視されています。

  

そのため、

「申請も無料でやります」

「顧問契約の中で全部対応します」

という提案を受けた場合には、

  

「どなたが書類を作成されるのですか?」

と確認してみることをおすすめします。

  

価格や利便性だけでなく、

「法令に沿った形でサービスが提供されているか」

という視点も、取引先選定の重要な判断材料の一つです。

  

コンプライアンスを重視する企業であれば、たとえ便利であっても、法令上問題が生じる可能性のあるサービスには依存しない姿勢が求められるでしょう。

  

  

今回の行政書士法改正は、

「実質的に書類作成の対価を受け取っているのであれば、名目が何であっても対象となる」

という考え方を、より明確にしたものです。

  

顧問料、コンサル料、会費、手数料。

  

名称はさまざまですが、実態として書類作成の対価と判断される場合には注意が必要です。

  

サービスを提供する事業者は、自社の業務内容が法令に適合しているかを改めて確認すること。

  

また、サービスを利用する企業側も、コンプライアンスの観点から適切な事業者を選択すること。

  

今回の改正は、その重要性を改めて示したものと言えるでしょう。

  

  

「顧問契約の中で申請書類の作成も行っている」

  

「会員向けサービスとして各種届出をサポートしている」

  

「自社のサービス内容が行政書士法上問題ないか確認したい」

  

  

このような事業者の方は、一度業務内容を点検してみることをおすすめします。

  

当事務所では、行政書士法改正を踏まえた業務フローの確認や、行政書士との適切な連携方法に関するご相談も承っております。

  

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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