リスケ中でも融資は受けられる? 銀行が見ているのは「必要額」ではなく「返済の根拠」

この記事でわかること

  • リスケ中の会社が追加融資を受けられる可能性
           
  • 銀行が追加融資を判断する際の考え方
           
  • 追加融資が検討される代表的なケース
           
  • 金融機関との対話で準備しておきたいこと
           
           

はじめに

資金繰りが厳しくなり、金融機関へ返済条件の変更(リスケジュール)をお願いしている会社もあります。

 

そのような状況になると、

「リスケ中は、もう融資を受けられないのではないか」

と考える経営者も少なくありません。

 

確かに、リスケ中の会社への追加融資は簡単ではありません。

 

しかし、

「リスケ中だから絶対に無理」

というわけでもありません。

 

今回は、リスケ中の追加融資について、銀行がどのような視点で判断しているのかを見ていきます。

 

 

リスケ中の追加融資が難しい理由

銀行から見ると、リスケとは本来の返済条件どおりに返済することが難しくなった状態です。

 

つまり、既に返済計画の見直しを行っている会社に対して、さらに新たな資金を貸し出すことになります。

 

当然ながら、銀行は慎重になります。

 

そのため、

「資金が足りないので貸してほしい」

 

という説明だけでは、融資判断にはつながりません。

 

 

銀行が見ているのは「いくら必要か」ではない

銀行が知りたいのは金額そのものではありません。

 

例えば、

「あと数千万円あれば何とかなる」

という話を聞くことがあります。

 

しかし銀行が確認したいのは、

  • なぜその資金が必要なのか
           
  • 何に使うのか
           
  • その結果、会社の状況はどう改善するのか
           
  • どのように返済していくのか
           
           

という点です。

金額だけでは判断できません。

 

返済の根拠が求められるのです。

 

 

リスケ中でも融資の可能性が生まれるケース

リスケ中の追加融資は簡単ではありません。

 

しかし、リスケ中だからといって、追加融資の可能性が完全になくなるわけではありません。

 

もちろん、以下のケースに当てはまれば必ず融資が受けられるというものではありません。

 

ただ、実際に追加融資が実行されるケースを見ると、

「お金が足りないから貸してほしい」

ではなく、

 

「なぜ資金が必要なのか」

「その資金によって何が改善するのか」

「どのように返済していくのか」

が説明できているという共通点があります。

 

代表的なケースを見てみましょう。

 

※以下は説明用の事例です。

 


 

ケース① 受注案件に対応するための資金(紐付き運転資金)

 

◆ 状況

建設業A社。過去の売上減少により、金融機関へリスケをお願いしていました。

 

◆ 転機

大型工事を受注。しかし、工事開始前に材料費や外注費の支払いが必要になりました。

 

◆ 銀行はどう考えるのか

銀行が評価するのは、

「お金が足りない」

という事実ではなく、

 

「この工事が完了すれば売上が立ち、返済原資が生まれる」

という点です。

 

発注書や契約書などによって受注の確実性が確認でき、

さらに資金の使い道や返済の見通しが合理的に説明できれば、

追加融資が検討される可能性があります。

 

このような資金は、金融実務では「紐付き運転資金」と呼ばれることがあります。

 


 

ケース② 経営改善計画を前提とした支援制度の活用

 

◆ 状況

複数の金融機関から借入があり、リスケ中。毎月の返済負担が重く、資金繰りが厳しい状態でした。

 

◆ 転機

専門家の支援を受けながら経営改善計画を作成。売上改善策や固定費削減策を整理しました。

 

◆ 金融機関はどう考えるのか

金融機関や保証協会が確認したいのは、

「現在どれだけ苦しいか」

ではなく、

「今後どのように立て直していくのか」

です。

 

そのため、

  • 売上をどのように回復させるのか
  • 固定費をどのように削減するのか
  • いつ頃から返済が可能になるのか

といった内容を、具体的な数字で示すことが重要になります。

 

実際には、経営改善サポート保証日本政策金融公庫の資本性ローンなどが活用されるケースもあります。

 

経営改善計画に合理性があると判断されれば、借換えや追加融資が検討される可能性があります。

 


 

ケース③ 不動産などの資産を活用した資金調達

 

◆ 状況

業績回復には時間がかかるものの、会社または代表者が不動産を保有していました。

 

◆ 転機

不動産を活用した資金調達を検討しました。

 

金融機関はどう考えるのか

銀行が重視するのは、

「事業の利益から返済できるか」

という点です。

 

一方で、ノンバンクや専門金融機関の中には、

「担保として十分な価値があるか」

を重視するところもあります。

 

そのため、事業の収益力だけでは融資が難しい場合でも、不動産などの資産を活用することで資金調達の選択肢が広がることがあります。

 

ただし、金利負担が高くなる場合や、返済できなかった場合に担保を失うリスクもあります。

 

資金繰りを改善するための手段なのか、それとも単なる延命策になっていないかを慎重に見極めることが重要です。

 

 

まず必要なのは「融資申込み」よりも現状整理

資金繰りが厳しくなると、

「どこかで借りられないか」

という発想になりがちです。

 

もちろん資金調達は重要です。

 

しかし、その前に整理しておきたいことがあります。

 

例えば、

  • 現在の資金繰りはどうなっているのか
           
  • いつ資金不足が発生するのか
           
  • なぜ資金不足になるのか
           
  • どのような改善策を考えているのか
           
           

といった点です。

 

これらが整理されていなければ、銀行も判断することができません。

 

 

銀行は「過去」だけでなく「これから」を見ている

銀行は決算書を確認します。

 

しかし、過去の数字だけで融資を判断しているわけではありません。

 

むしろ、

「この会社は今後どうなっていくのか」

という将来の見通しを重視しています。

 

そのため、実績だけでなく、

資金繰り表や改善計画などを通じて、今後の方向性を説明することが大切になります。

 

 

まとめ

リスケ中の追加融資は決して簡単ではありません。

 

しかし、リスケ中だからという理由だけで可能性がゼロになるわけでもありません。

 

追加融資が実現しているケースを見ると、

 

  • 受注案件に紐づいた資金
           
  • 経営改善計画を伴う支援制度の活用
           
  • 不動産などの資産を活用した資金調達
           
           

など、それぞれに明確な理由があります。

 

銀行が見ているのは、

「いくら必要か」

 

ではなく、

「なぜ必要なのか」

 

そして、

「どうやって返済していくのか」

です。

 

資金調達を考える際には、まず自社の現状と今後の見通しを整理することが重要です。

 

その積み重ねが、金融機関との建設的な対話につながっていくのではないでしょうか。

 

 

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当事務所では、資金繰り表の作成支援や経営改善計画の策定支援を通じて、金融機関との対話に向けた準備をサポートしています。

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