この記事でわかること
- 銀行が決算書以外のどのような点を見ているのか
- なぜ同じような業績でも融資判断が分かれることがあるのか
- 銀行が会社の将来性をどのように見ているのか
- 二次評価(定性評価)の考え方
はじめに
銀行は融資審査において、決算書の数字だけを見ているわけではありません。
もちろん、売上や利益、自己資本比率などは重要な判断材料です。
しかし、決算書の数字だけでは評価しきれない会社もあります。
そのため、
業界の将来性や会社の競争力、経営者や組織の状況など、
数字に表れない部分が評価の参考にされることがあります。
こうした考え方は、「二次評価(定性評価)」と呼ばれることがあります。
今回は、銀行が会社のどのような点を見ているのかについて解説します。
なぜ銀行は業界の動向を気にするのか
どれほど優れた会社であっても、業界全体の影響を完全に避けることはできません。
例えば、市場そのものが拡大している業界と、人口減少や需要縮小の影響を受けている業界では、将来の見通しが異なります。
銀行は会社単体だけを見るのではなく、その会社がどのような市場で事業を行っているのかも確認しています。
また、景気の影響を受けやすい業種かどうかも重要なポイントです。
景気が悪化すると売上が大きく落ち込む業種もあれば、比較的安定している業種もあります。
銀行はこうした外部環境も踏まえながら、将来の返済能力を考えています。
なぜ銀行は会社の強みを知りたがるのか
銀行が知りたいのは、単に「今の業績が良いかどうか」ではありません。
その会社に継続的に利益を生み出す力があるかどうかです。
例えば、
- 長年取引が続いている顧客が多い
- 地域で高い知名度がある
- 特定分野で強みを持っている
- 競合他社との差別化ができている
といった会社は、業績が多少落ち込んでも立て直せる可能性があります。
一方で、価格競争だけで仕事を受注している場合は、競争環境の変化によって業績が大きく左右されることがあります。
銀行はこうした会社の強みや競争力にも注目しています。
なぜ銀行は経営者を重視するのか
中小企業では、経営者の存在が会社経営に大きな影響を与えます。
そのため銀行は、経営者自身についても見ています。
もちろん、面談だけで人物評価をするわけではありません。
しかし、
- 経営方針に一貫性があるか
- 自社の状況を把握しているか
- 課題を認識しているか
- 将来の方向性を説明できるか
といった点は、銀行担当者が確認するポイントです。
どれほど良い事業内容であっても、経営者が現状を把握できていなければ、将来への不安材料になります。
反対に、課題を正しく認識し、改善に取り組んでいる経営者には安心感があります。
なぜ銀行は組織の状況も見ているのか
会社は社長一人で成り立っているわけではありません。
従業員や幹部社員、組織体制も重要です。
例えば、
- 社員の定着率が極端に低い
- 幹部社員が育っていない
- 後継者が見当たらない
こうした状況は、将来の経営リスクとして見られることがあります。
また、株主間の対立や親族間のトラブルなどが経営に影響を与えるケースもあります。
銀行は、会社が継続的に事業を続けられる体制になっているかどうかも確認しています。
なぜ数字以外の部分まで見るのか
銀行は過去の数字を評価するために融資をしているわけではありません。
融資したお金が将来返済されることを期待して資金を貸しています。
そのため、決算書だけでは分からない情報も必要になります。
業界の将来性
会社の競争力
経営者の考え方
組織の安定性
こうした要素は決算書には表れません。
しかし、会社の将来を考えるうえでは非常に重要です。
銀行が数字以外の部分も確認するのは、その会社の将来性を判断するためと言えるでしょう。
まとめ
銀行は決算書の数字だけで融資判断をしているわけではありません。
業界の動向、会社の競争力、経営者の考え方、組織の状況など、数字に表れない部分も見ています。
銀行が数字に表れない部分を評価する考え方は、「二次評価(定性評価)」と呼ばれることがあります。
銀行は、こうした数字に表れない部分も参考にしながら、会社の将来性や事業の継続性を判断していると考えられます。
自社の強みや経営課題を整理しておくことは、金融機関との対話においても役立つでしょう。
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