〜キャッシュフローを改善し、経営を立て直すために〜
「借入金の返済が厳しくなってきた…」
「月々の返済額が重くて、資金繰りが苦しい…」
こんな悩みをお持ちの中小企業の社長にとって、「借り換え」や「リスケジュール(返済条件の変更)」は、重要な選択肢になり得ます。
ただし、これらはどちらも“魔法の解決策”ではありません。使い方を間違えれば、かえって経営の首を絞めることにもなりかねません。
本記事では、借り換えとリスケの違い・使い方・注意点について、中小企業経営者の目線でわかりやすく解説します。
借り換えとは?
借り換えとは、既存の借入を別の融資に切り替えることをいいます。
たとえば、月々の返済が50万円ある借入を、新たに低金利・長期返済の融資で借り直すことで、月々の返済額を30万円に減らす、といった具合です。
借り換えのメリット
- 月々の返済額が減る → キャッシュフローが改善
- 金利が下がる → 総返済額の圧縮
- 複数の借入をまとめる → 管理が楽になる
借り換えに向いているケース
- 経営状態は比較的安定しており、金融機関の信用がある
- 返済はなんとかできているが、資金繰りに余裕を持たせたい
- 新規の設備投資と同時に既存借入も整理したい
借り換えは「攻め」の選択肢です。
金融機関との関係も良好なうちに進めておくと、交渉もスムーズになります。
リスケジュールとは?
リスケジュール(通称「リスケ」)とは、借入金の返済条件(元本・利息・期間)を変更することです。
具体的には、次のような対応が可能です。
- 一時的に元本の返済を猶予してもらう(利息だけ払う)
- 返済期間を延ばして、毎月の返済額を減らす
- 一定期間、返済をストップする(例:業績回復まで半年元本返済据置 など)
リスケのメリット
- キャッシュの流出が一時的に抑えられる
- 倒産リスクを回避できる
- 経営立て直しの時間を稼げる
ただし、リスケは“最後の手段”と考えるべき
リスケは確かに資金繰りを楽にしますが、それは「返済を先送りしているだけ」にすぎません。
金融機関側も、リスケの申し出があった時点で、
- 「この会社は資金的に厳しい」
- 「今後の返済能力に不安がある」
と判断します。その結果、新規の融資がストップすることも多くなります。
そのため、リスケは「延命措置」であり、「根本治療」ではありません。
リスケの前にやるべきこと
リスケを検討する前に、できる限りの対策を講じる必要があります。
不要な支出の見直し
- 固定費(家賃・役員報酬・車両費など)の削減余地はないか?
- 人件費の調整は可能か?
売掛金の回収強化
- 未回収の売掛金を放置していないか?
- 取引先に支払サイトの短縮交渉はできないか?
銀行以外の資金調達
- 社長からの資金注入(短期貸付など)
- 補助金・助成金の活用
- ノンバンクや信用保証協会付き融資の検討
これらを徹底した上で、どうしても返済が困難であれば、リスケを検討します。
リスケを行う場合のポイント
リスケを申し出る際は、「経営改善計画書」の提出が必要になることがほとんどです。
これは単なる書類ではなく、銀行から見ると
「本当に返済能力を回復できるのか?」
「いつまでにどうやって立て直すのか?」
を判断する重要な資料です。
計画書には以下のような内容を盛り込みます。
- 現状の財務状況の分析(赤字の原因など)
- 改善のための具体策(売上アップ/コスト削減策)
- 将来の収支予測とキャッシュフロー計画
- 社長の覚悟(役員報酬カットなど)
銀行担当者を納得させる計画を立てるには、財務に強い専門家の力を借りることをおすすめします。
借り換えとリスケの違いと使い分け
| 比較項目 | 借り換え | リスケジュール |
|---|---|---|
| 主な目的 | 資金繰りの改善・条件の見直し | 一時的な返済負担の軽減 |
| 銀行との関係 | 良好な場合に利用しやすい | 信用に影響が出る |
| 新規融資 | 受けやすくなる場合も | ほぼ止まる可能性が高い |
| 必要書類 | 資金使途や返済計画 | 経営改善計画書など詳細資料 |
| おすすめタイミング | 資金繰りに少し余裕があるうちに | どうしても返済できないとき |
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まとめ:借り換えは「前向きな戦略」、リスケは「再起のチャンス」
借り換えもリスケも、適切に使えば経営を立て直す強力な手段になります。
ただし、安易な判断は命取りになりかねません。
借り換えは、経営に余裕があるうちに戦略的に進めることが重要です。
リスケは、最終手段として「再出発の覚悟」をもって行うべきものです。
いずれにせよ、重要なのは「資金繰りをどう立て直すか」という“全体像”を描くこと。
今後の返済に不安がある方は、早めに専門家へ相談し、未来に備えた一歩を踏み出しましょう。
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