こんにちは。中小企業財務コンサルを専門としております行政書士、1級FP技能士、銀行融資診断士®の本間です。
経営者にとって「保険」とは、家族の生活を守るだけでなく、会社や従業員、取引先の安心にもつながる重要なリスク管理手段です。
特に50代は、健康リスクや事業承継の問題が現実味を帯びてくる年代。ここでの備えが、会社の存続や家族の生活に直結します。
今回は、50代の中小企業社長が検討すべき主要な保険を、目的別に整理してご紹介します。
万一に備える生命保険
経営者にもしものことがあった場合、会社は売上減少や信用低下に直面します。
残された家族だけでなく、会社の借入や運転資金も守らなければなりません。
生命保険の役割
- 家族の生活費・住宅ローン返済・教育費などの確保。
- 経営者が連帯保証人になっている借入金の返済。
- 新しい経営体制が整うまでの運転資金の確保。
借入金額と同額程度の死亡保障は最低限確保したいところです。
法人契約の生命保険なら、保険金を会社に入金して債務返済や運転資金に充てられます。
病気・ケガで働けなくなったときの備え
50代は、がん・心筋梗塞・脳卒中などの発症リスクが高まります。長期療養は会社経営に直結する問題です。
検討すべき保険
- 就業不能保険:長期間働けない状態が続く場合に毎月の生活費や役員報酬を補填。
- 医療保険:入院・手術費用をカバー。高額療養費制度では賄えない差額ベッド代や先進医療費も対応。
- がん保険:診断一時金型や治療継続給付型を選び、治療と経営の両立を可能にする資金を確保。
事業承継・M&Aを見据えた保険
50代になると、事業承継やM&Aのタイミングが視野に入ります。
このとき保険は、株式買い取り資金や相続税資金の準備に有効です。
活用例
- 法人契約の養老保険や長期定期保険を活用し、満期時に退職金や株式買い取り資金に充当。
- 相続税資金を生前に準備し、後継者の資金負担を軽減。
- 株式分散防止のため、他の相続人への代償金を保険金で確保。
従業員・取引先を守るための保険
経営者の突然の不在は、従業員や取引先にも影響します。
例
- 役員退職金準備:経営者や幹部の退職時に備える長期平準定期保険。
- キーマン保険:中核人材の死亡・高度障害時に企業が受け取る保障。
- 労災上乗せ保険:法定補償を超える給付で従業員の安心を確保。
保険見直しの4つのチェックポイント
① 保障額は現状の借入・生活費に見合っているか
- NG例
- 借入完済後も高額保障のまま。(高い保険料が無駄)
- 借入が増えても保障額を据え置き。
- 生活費・教育費の想定が古い。
- 望ましい状態
- 現在の借入残高+生活費3〜5年分をカバー。
- 借入減少時は保障額を縮小し保険料節約。
- 必要増時は保障額を追加。
② 健康状態や年齢に応じた保険料負担は適正か
- NG例
- 更新型定期保険で50代以降に保険料が急上昇。
- 健康悪化後に新規加入ができず、高額保険を継続。
- 医療・がん保険に過剰加入し、経営や生活を圧迫。
- 望ましい状態
- 長期的に安定する終身型や全期型に切り替え。
- 健康なうちに必要保障を確保。
- 重複・過剰加入を整理し、必要保障だけ残す。
③ 事業承継や引退時期を踏まえた設計になっているか
- NG例
- 引退後も高額保障が続き、保険料が無駄。
- 株式買い取り資金や相続税資金が未準備。
- 受取人・契約形態が承継計画と不一致。
- 望ましい状態
- 引退予定に合わせて保障額を減らし必要資金は確保。
- 株式買い取り・相続税・代償金を保険で準備。
- 契約者・被保険者・受取人の設定が承継スキームに沿う。
④ 税務・会計上の効果は最大限活用できているか
- NG例
- 全額損金算入できると誤解して契約、税務否認。
- 解約返戻金の受取時期を誤り利益急増で法人税増加。
- 退職金や承継資金の受取時に高税率課税。
- 望ましい状態
- 損金算入・資産計上の扱いを理解した契約。
- 解約返戻金や満期保険金の受取時期を利益状況に合わせる。
- 退職金・承継資金は税負担最小化の形で受取。
まとめ
50代の中小企業社長にとって、保険は「もしも」のためだけでなく、「会社を守る戦略ツール」です。
生命保険や就業不能保険で事業継続を支え、事業承継や従業員保護のための保険で企業価値を維持します。
加入や見直しは、FPや税理士など複数の専門家と連携し、額・期間・設計・税務の4視点で定期的に棚卸しを行うことが重要です。
保険を戦略的に活用して、将来の安心と会社の安定を実現しましょう。
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