こんにちは。中小企業財務コンサルを専門としております行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
今回は「融資の借り換え・一本化」について解説します。
複数の金融機関や借入を抱えていると、返済スケジュールが複雑になり、資金繰りの管理が難しくなります。
これを一本化することで、返済負担の軽減や資金繰りの見通し改善が期待できます。
融資の借り換え・一本化とは
「借り換え」とは、既存の融資を新しい融資に切り替えることです。
「一本化」とは、複数の借入をまとめて一つの融資にすることを指します。
例えば、A銀行から2,000万円(返済期間5年)、B信用金庫から1,500万円(返済期間3年)の借入がある場合、返済日も金利も異なるため、管理が複雑です。
これを一本化して、C銀行で3,500万円を新たに10年で借り直す、という形です。
なお、一本化は必ずしも複数の銀行をまたぐとは限りません。
同じ銀行内で複数の融資(運転資金や設備資金など)をまとめ、一本化して管理をシンプルにするケースもあります。
借り換え・一本化のメリット
① 金利負担の軽減
低金利の融資に借り換えることで、利息支払いを減らせます。
特に長期借入の場合、金利差は資金繰りに大きく影響します。
② 毎月返済額の安定
複数の借入があると、返済日ごとに資金が必要となり、資金繰り表が複雑化します。
一つにまとめれば返済額も明確になり、資金繰り管理が楽になります。
③ 返済期間の延長によるキャッシュフロー改善
新たに借り換える際に返済期間を延ばせば、毎月の返済額を下げられます。
短期的には資金繰りが楽になり、運転資金に余裕を持たせることができます。
④ 銀行との関係整理
一本化は「メインバンクを決める」ことにつながります。金融機関との取引を集中させることで、将来的な追加融資の相談や支援を受けやすくなります。
デメリットや注意点
- 金利が上がる可能性
低金利に借り換えられるとは限りません。保証料や手数料も発生します。 - 担保・保証人の再設定
新しい融資に切り替える際、担保を付け直したり、代表者保証を求められるケースがあります。 - 取引先金融機関との関係悪化
複数の借入を一本化する過程で、既存の金融機関との融資取引が終了する場合があります。将来の関係性に配慮が必要です。 - 返済総額が増える可能性
返済期間を延ばせば月々の返済は楽になりますが、利息の支払総額は増える場合があります。
なぜ「金利が下がる」場合と「上がる」場合があるのか?
これは経営者の方が最も誤解しやすい点です。
- 金利が下がる要因
・市中金利が下がっている時期
・決算内容が改善し、信用力が高まった場合
・競合する銀行が新規融資獲得のため好条件を提示する場合
- 金利が上がる要因
・返済期間を長く設定する代わりに金利が上乗せされる場合
・担保や保証条件が弱まった場合
・赤字決算や財務悪化でリスクが高いと判断された場合
・既存の低金利融資もまとめてしまった場合
つまり「借り換え=必ず金利が下がる」わけではなく、資金繰り改善を優先するのか、金利コスト削減を優先するのかによって結果が変わるのです。
実際の進め方
① 現状把握
まずは自社の「借入一覧表」を作成しましょう。借入先・残高・金利・返済期間・担保条件を整理することが第一歩です。
② 借り換え条件のシミュレーション
「金利を何%に下げれば有利か」「返済期間を何年にすれば資金繰りが安定するか」を試算します。
資金繰り表と合わせてシミュレーションすることが重要です。
③ 金融機関への相談
信用金庫・地方銀行・日本政策金融公庫など、複数の金融機関に相談しましょう。
特にメインバンク候補には、長期的な付き合いを意識して提案を求めるのがポイントです。
④ 実行後の資金繰り管理
借り換えが完了しても安心は禁物。
資金繰り表を継続的に作成し、毎月の資金の動きをチェックすることで効果を最大化できます。
誤解されやすいポイント
経営者の方が誤解しがちな内容を整理しました。
- 「借り換え=必ず得になる」わけではない
期間延長で返済額は楽になっても、利息総額が増えることは多いです。 - 「一本化すれば安心」ではない
低金利の融資まで巻き込んでしまうと、平均金利が上がってしまうケースもあります。 - 「銀行は借り換えに協力してくれるはず」
銀行側もリスクを見ています。決算が悪化している時期は逆に条件が厳しくなることもあります。
こうした誤解をなくすことが、借り換え・一本化を成功させる第一歩です。
まとめ
融資の借り換え・一本化は、資金繰り改善に大きな効果をもたらします。
ただし、金利や保証料、銀行との関係性など、注意点も多く存在します。
- 借入一覧の整理
- シミュレーションによる比較
- メインバンクとの戦略的取引
- 実行後の資金繰り管理
これらを徹底することで、「お金に追われる経営」から「お金をコントロールする経営」へと一歩前進できます。
もし「借り換えや一本化を検討したいが、判断材料がわからない」という場合は、資金繰り表の作成や金融機関との交渉をサポートできる専門家に相談するのも選択肢です。
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