「弘法筆を選ばず」は、日本三筆の一人である弘法大師・空海にまつわることわざです。
意味は「本当に腕のある人は、道具の良し悪しに左右されない」というもの。
書道の名人である弘法大師は、どんな筆でも見事な字を書いたと伝えられています。
経営に置き換えると、「成果を出すのは高価な道具ではなく、使いこなす人の力」という教えになります。
例えば、経理業務や資金繰り管理において、高額な会計システムを導入すれば必ず改善するわけではありません。
むしろ、Excelであってもきちんと運用できる会社のほうが、財務状況を正確に把握できています。
重要なのは「道具に振り回されないこと」です。
便利なシステムや最新のアプリを導入しても、社内に定着せず宝の持ち腐れになるケースは少なくありません。
反対に、シンプルな方法でも継続的に活用すれば、十分に経営改善につながります。
例えば資金繰り表も同じです。複雑な仕組みを導入するよりも、まずは簡単なフォーマットで日々の入出金を整理するだけで、資金の流れが見えるようになります。
こうしたことこそが「弘法筆を選ばず」の実践例といえるでしょう。
結局のところ、経営に必要なのは「道具よりも活用力」。
大事なのは形よりも運用の習慣化です。社長自身が数字を見て考える姿勢こそが、会社を強くする最大の道具となるのです。