こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門とする行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
最近、X(旧Twitter)を使っていて、思いがけない経験をしました。
普段はフォローしている方のポストを眺めたり、ニュースを斜め読みするような使い方なのですが、ある日突然、シンガポール在住を名乗る女性からDMが届いたのです。
LINEに誘う不自然なやり取り
最初は何気ないあいさつから始まりました。相手は34歳という若すぎない妙齢。
ところがすぐに、
「XよりLINEの方が便利だから」
「普段はLINEを使っている。Xはニュースを見たりするだけなので、ここではなくLINEで話そう」
「LINEだったら写真を送ったりボイスメッセージを送ったりもできるので、より親しくなれる」
と、繰り返し誘ってきます。
私は「ここ(X)のDMで十分じゃないか」と返しましたが、相手は何度もLINEにこだわります。
ポスト(投稿記事)を覗くと、ときどき横顔やジムやランニングで汗をかいた首筋あたりの画像が並んでいました。
投稿自体はあるものの、誰かとの交流がほとんどなく、どこか不自然。
フォロワーは300人以上いましたが、それも信用できるのか分からない。
「これは本当に実在する人物なのだろうか?」という疑問がどんどん膨らんでいきました。
矛盾を指摘してみたら…
私は試しにこう返してみました。
「ここ(X)でも写真やボイスメッセージは送れるよね?」
XのDMには音声メッセージ機能があります。もし本当に本人なら、そこで送れば済むはずです。
すると既読はついたものの、返事はありません。
数日後、そのアカウントは凍結されていました。やはり、詐欺目的のアカウントだったのです。
巧妙に仕組まれた詐欺手口
その後少し調べてみると、同じようなアカウントは大量に存在することが分かりました。
- アカウント開設から日が浅い
- プロフィール写真は若い女性の横顔やシルエット
- 投稿はジムや旅行、食事の写真など「生活感がありそうで薄い」内容
- DMでは雑談から始まり、最終的にLINEやWhatsAppに誘導
そしてLINEに移ると、「投資で儲けている」「副業で成功している」などの話を持ちかけ、最終的にお金を振り込ませるのが常套手段だといいます。
AIで自然な文章を作り、拾った写真やAI生成の画像を使って「本物らしく」見せる。人の心理を突いた巧妙な仕組みに、改めて驚かされました。
人はなぜ引っかかるのか?
心理学的に、人は「自分に好意を示す相手」や「特別扱いしてくれる相手」に弱いと言われます。
- 「あなたともっと親しくなりたい」 → 好意の原理
- 「特別に声をかけている」 → 希少性の原理
- 「フォロワー数が多い」 → 社会的証明
こうした心理のスキを突かれると、「少しくらいなら信じてもいいか」と思ってしまうのです。
冷静に考えれば怪しいのに、人間は意外と簡単に油断してしまう――それを体験を通じて実感しました。
経営者への小さな教訓
今回の出来事を振り返って、私は「これは経営にも通じる話だ」と感じました。
詐欺にお金を取られるのも、経営で資金繰りを誤るのも、根本は同じです。
「自分は大丈夫」「きっと問題ない」という油断が、致命的な判断ミスを生むのです。
- 売上があるからと在庫を積みすぎれば、資金繰りが詰まる
- 取引先を信用しすぎれば、売掛金を回収できずに困る
- 「銀行は貸してくれるだろう」と高をくくれば、必要な時に融資が受けられない
いずれも「油断」が引き金になります。
だからこそ経営者は、詐欺に引っかからないのと同じように、数字を確認し、裏付けを取り、常に冷静に判断する姿勢を忘れてはいけないのだと思います。
まとめ
今回の体験は幸い被害に至りませんでしたが、「人の油断につけ込む仕組み」がいかに巧妙かを身をもって知る機会になりました。
そしてこれは、日常生活だけでなく、経営にも通じる大切な教訓を含んでいます。
油断せず、冷静に、数字や事実をもとに判断すること。
それが、自分の資産を守り、会社のお金を守るうえで何よりも大切な姿勢だと改めて感じています。
ご相談はこちらから
下記リンク先よりご連絡をいただければ、速やかにお返事をさせていただきます。