こんにちは。中小企業財務コンサルを専門としております行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
今回は、心理学の有名な法則である「ザイアンス効果(単純接触効果)」を、中小企業経営にどう活かせるかについてお話しします。
ザイアンス効果とは「情が湧く」ことに近い
ザイアンス効果とは、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱したもので、人は「何度も接触する相手に自然と好意や信頼を抱きやすくなる」という心理現象です。
分かりやすく言えば「情が湧く」に近い感覚です。
最初は大して関心がなくても、何度も顔を合わせたり名前を聞いたりするうちに、「あの人はよく会うな」「なんとなく身近に感じる」と親しみが生まれていきます。
これは人間関係だけでなく、銀行や取引先との関係、従業員との関係にも同じように作用します。
経営者にとっては、意識して取り入れることでビジネスを大きく有利にできる効果なのです。
活かさない社長の例
ある製造業の社長は、仕事は「品質と価格」で勝負するものと考え、あえて余計な場に顔を出すことを避けていました。
商工会の集まりにも参加せず、銀行担当者にも決算期以外はほとんど会わない。
このスタイルでも一見問題なさそうに見えますが、周囲からは「何を考えているのか分からない」「声をかけにくい」と思われがちです。
銀行担当者にとっても、「数字は出ているが人柄が見えない」ため評価が伸びず、融資判断もやや慎重になってしまいます。
結果として、紹介や新しい仕事の話は自然に集まりにくく、資金調達の場面でも「もう少し様子を見ましょう」と言われることが多くなるのです。
活かす社長の例
一方で、別の社長はザイアンス効果を意識的に活用していました。
・銀行の担当者には四半期ごとに近況を説明
・商工会議所の例会には毎回参加
・取引先には月1回のニュースレターを送付
・社内でも現場に顔を出し、雑談を欠かさない
特別な営業をしているわけではありません。
しかし接触の回数を意識的に増やすことで、相手の中に「情が湧く」状態が自然と生まれます。
銀行担当者からは「いつも話を聞かせてもらっているから安心感がある」と評価され、取引先からも「相談しやすい」と言われるようになるのです。
結果として、金融機関からの支援が手厚くなり、紹介や新規の仕事が自然と舞い込んでくるようになります。
具体的な活用シーン
1. 銀行との関係づくり
決算書を提出するだけでなく、年に数回は担当者に経営の状況を話しましょう。「この社長は定期的に説明してくれる」という接触の積み重ねが、いざ融資を受けるときの安心感につながります。
2. 取引先へのアプローチ
毎回営業に行かなくても、メールや簡単なニュースレターで近況を伝えることができます。「あの会社からいつも情報をもらっている」という接点が、自然な信頼感に変わります。
3. 社内コミュニケーション
社員も同じです。日常的に工場や現場を回り、短い会話を積み重ねることで「社長は私たちを見てくれている」という安心感が生まれます。
4. 地域とのつながり
地元のイベントや勉強会に顔を出すことも大切です。「よく見かける社長だ」という印象は、親近感を通じて新たな人脈や商談のきっかけにつながります。
コンサルとして感じること
私自身、さまざまな経験の中で、この「接触回数の違い」が信頼関係に大きな影響を与えることを実感しています。
数字がきれいに整っていても、担当者が社長を「よく知らない」と感じれば、支援の姿勢は慎重になります。
逆に、多少の課題があっても、普段から顔を合わせている社長には「一緒に改善していきましょう」と前向きに対応してもらえることが多いのです。
これはまさに「情が湧く」という人間らしい感覚が働いている証拠だと思います。
まとめ
ザイアンス効果は、経営において「情が湧く」という形で確かに存在します。
活かさない社長は「用件があるときだけの人」として扱われ、活かす社長は「親しみやすく信頼できる人」として応援されます。
経営は孤独に見えますが、日常の小さな接触を積み重ねることで、銀行・取引先・社員・地域から自然と応援が集まります。
ぜひ今日から、「顔を出す」「声をかける」ことを意識してみてください。
素の信頼関係が強化されます。ぜひ日常の中で小さな接触を増やして、経営に活かしてみてください。
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