こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門としております行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
今回は「銀行に評価される事業計画書」をテーマに、中小企業の社長に向けて解説します。
年商1~5億円規模の会社にとって、資金繰りの安定や成長投資の実現には銀行融資が欠かせません。
その際に鍵を握るのが「事業計画書」です。
では、銀行に納得してもらえる計画書とは、どのような内容なのでしょうか。
銀行が事業計画書に求めるもの
銀行は「返済可能性」を最も重視します。
つまり、融資したお金が確実に返ってくるのかどうか。
売上の伸びよりも、キャッシュフローが安定しているか、返済原資があるかを見ています。
銀行担当者の目線では、以下の点がポイントになります。
- 売上の根拠は現実的か
- 利益とキャッシュフローに無理はないか
- 借入返済計画に無理はないか
- 経営者の姿勢・覚悟が伝わるか
この視点を踏まえて計画書を作成することが大切です。
2. 作成の流れと具体的な内容
1.会社概要と経営者プロフィール
まずは会社の基本情報(設立年、所在地、従業員数、沿革など)を簡潔に。
さらに経営者の経歴や実績、家業の継承や過去の改善経験などを盛り込むと、銀行担当者が安心します。
2.現状の経営課題
「売上は伸びているが運転資金が不足しやすい」「新規取引の増加に伴い仕入資金が必要」など、現状の課題を具体的に示しましょう。
銀行は課題が正しく把握されているかを重視します。
3.市場環境と取引先
地域や業界の動向、主要取引先との関係性を整理し、「今後も安定的に受注が見込める」ことを伝えると評価されます。
特に下請け構造が多い業種では、元請との関係性が融資判断に直結します。
4.競合との差別化
銀行担当者は業界の専門家ではありません。
だからこそ「当社の強みは短納期対応」「特殊加工の技術力」など、競合と比較した強みを分かりやすく書くことが有効です。
5.ビジネスモデルと収益構造
売上は「客数×単価」で積み上げて説明します。
例:「主要取引先5社から月平均○○円の受注見込み」など。
さらに「固定費は月〇〇万円、変動費率は売上の〇割」といった費用構造を整理し、利益計算のシナリオを明確にします。
6.実行計画
銀行は「どうやって売上を実現するのか」を知りたがります。
例:
- 新ラインの稼働で月○件増産
- 展示会出展で新規顧客○社獲得
- 人員増強で納期短縮
「誰が、いつまでに、どのように実行するか」を示すと信頼度が高まります。
7.財務計画
ここが最も重要です。
- 売上・利益計画:3年分を提示、根拠を積み上げ方式で。
- 資金繰り計画:1年分は月次で。仕入支払や借入返済も反映。
- 借入返済計画:新規融資を受けても年間返済額がキャッシュフローの範囲内に収まることを示す。
例:
「月商4,000万円、粗利率20%、営業利益300万円。減価償却費を加味すると実質キャッシュフローは月400万円。
今回の融資により返済額は月150万円となるが、十分返済可能。」
このような具体的説明は銀行に安心感を与えます。
説得力を高める工夫
1.根拠ある数字
売上や利益は「希望的観測」ではなく、過去実績や受注予定に基づいて積み上げます。
注文書や契約書などの裏付け資料があれば効果大です。
2.リスクと対策
「原材料価格が上昇するリスクがあるが、複数仕入先を確保している」
「繁忙期と閑散期の差が大きいが、季節資金を銀行に相談する体制を整えている」
このように課題と対応策を一緒に示すと、経営者の冷静さが伝わります。
3.経営者の覚悟
自己資金の投入や、社長自身が資金繰り表を毎月チェックしているといった姿勢を伝えるだけでも評価は変わります。
4.見やすさ
文章ばかりではなく、売上計画はグラフ、資金繰りは表にすることで理解度が高まり、担当者が上司に説明しやすくなります。
まとめ|専門家の力も借りて万全の計画を
銀行に評価される事業計画書は、派手さよりも「現実的で根拠のある計画」です。
- 現状の課題を正直に伝える
- 売上・利益を数字で積み上げる
- 資金繰りと返済計画を明確にする
- リスクと対策を示す
- 経営者の覚悟を伝える
この5点を押さえれば、銀行は「返済可能性あり」と判断しやすくなります。
とはいえ、実際にここまで作り込むのは簡単ではありません。
売上計画の根拠づくり、資金繰り予定表の作成、銀行担当者が納得する説明資料の整備には専門知識が必要です。
そうした場面では、財務コンサルタントなど専門家の力を借りることも有効です。
第三者の目で数字を整理し、銀行の評価基準に沿った計画書に仕上げることで、融資の確度は格段に高まります。
当事務所は、地元中小企業の財務支援を専門にしており、「資金繰りに強い会社づくり」をサポートしています。
事業計画書を単なる形式的な資料ではなく、自社の未来を描く「羅針盤」として活用していただければ幸いです。
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