こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門としております行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
今回は、これから起業する方や創業間もない経営者にとって心強い味方となる「日本政策金融公庫」の創業融資について詳しく解説します。
2024年以降の制度改正も踏まえ、成功するための準備や実践ポイントを整理しました。
日本政策金融公庫とは?創業融資に強い理由
創業者に寄り添う政府系金融機関
日本政策金融公庫は、政府が100%出資する公的な金融機関であり、民間の金融機関よりも創業支援に積極的です。
特に「国民生活事業」は、創業前後の起業家を対象に手厚い制度を整えています。
融資は「困ってから」では遅い
多くの経営者が「黒字実績が出てから借りればいい」と考えがちですが、赤字の実績が出てしまうと融資の審査は一気に厳しくなります。
融資は「困らないうちに借りる」ことが鉄則。
資金が余れば繰上げ返済も可能ですし、なにより早めに融資経験を積むことが今後の経営に大きなプラスとなります。
2024年4月から始まった創業融資の新制度
経営者保証なし融資が拡大
以前から存在した制度ですが、より積極的に運用され、個人の連帯保証なしで融資を受けられるケースが増えています。
自己資金要件の撤廃
従来は「総資金の1/10以上の自己資金」が必要でしたが、この要件は廃止。
ただし、自己資金300万円程度を目安に準備しておくことは依然として望ましく、堅実に貯めた履歴は審査で高評価を得ます。
融資限度額の大幅引き上げ
- 新規事業融資:3,000万円 → 7,200万円
- 運転資金:1,500万円 → 4,800万円
実際には創業時の調達額は1,000万~2,000万円程度が多いですが、将来の成長資金も視野に入れられる制度設計となっています。
返済・据置期間の延長
- 運転資金の返済期間:7年 → 10年
- 据置期間:2年 → 5年
創業期は売上が安定しないため、長めの据置期間が資金繰りの安心材料になります。
自治体との制度融資との違いを理解する
創業者にとってよく混同されやすいのが、日本政策金融公庫の創業融資と自治体の制度融資です。
どちらも「創業支援」と呼ばれるため似て見えますが、仕組みや関わるプレイヤーが異なります。
公庫の創業融資
- JFCが直接お金を貸す「直接融資」
- 全国一律の制度で、自治体に依存しない
- 自己資金要件撤廃や据置期間延長など、2024年4月に改正されたのはこちら
自治体の制度融資
- 自治体+信用保証協会+民間金融機関の三者が連携
- 自治体が利子補給や保証料の一部を負担する場合が多い
- 取り扱い条件や枠は自治体ごとに異なる
どう使い分けるか
- 創業初期の第一歩 → 公庫の創業融資が基本
- 成長や追加投資、地域支援制度を活用したい時 → 自治体の制度融資を組み合わせる
このように整理すれば、「どちらを使うべきか」で迷うことが減ります。
まずは公庫を土台に据え、その後に民間+自治体融資へステップアップしていくのが王道です。
創業準備で意識すべきポイント
法人化は株式会社がおすすめ
個人事業主でも融資は可能ですが、保証人を求められるケースが多く、後の法人化時に保証が外れるかは不透明です。
初期費用はかかりますが、株式会社でのスタートが有利。
信用金庫や地銀との取引もスムーズになります。
本店所在地はオフィス街や商業エリアに
シェアオフィスや自宅でも融資は受けられますが、その後の民間金融機関との関係構築を考えると、駅前やオフィス街に本店を置く方が有利です。
金融機関との関係づくり
創業時は日本政策金融公庫が中心ですが、将来的には民間金融機関からの融資も必要になります。
ネット銀行だけでなく、地域の信用金庫や地方銀行で早めに口座を開設し、取引実績を積むことが重要です。
日本政策金融公庫の審査で重視される4つの視点
1.自己資金の貯め方
金額そのものよりも、「毎月コツコツと積み立てた履歴」が大事です。
親からの大金や短期的なまとまった入金は計画性に欠けると見なされます。
2.支払い履歴
住宅ローンやクレジットカード、公共料金など、日常の支払いを滞納なく続けているかどうか。
小さな信用の積み重ねが大切です。
3.創業計画書の内容
- 動機:公共性や社会貢献を意識
- 経歴:人を動かす能力や実績を具体的に
- 雇用:少人数でも雇用創出をアピール
- 資金計画:運転資金は経費の3ヶ月分を目安に
- 損益予測表:根拠ある数値で将来像を示す
4.公共性のアピール
「自分の生活のため」だけでなく「地域や社会に役立つ事業」であることを強調すると、政府系金融機関としての評価につながります。
日本政策金融公庫の情報収集方法
日本政策金融公庫の公式サイトには、動画やチェックリスト、創業計画書のフォーマットが充実しています。
また、東京・名古屋・大阪・福岡には相談窓口があり、地方在住でも電話やオンラインで支援を受けられます。
まとめ|創業融資は「早めに準備」が成功の鍵
創業融資は、必要になってからでは遅く、「必要になる前に戦略的に借りる」ことが成功の鍵です。
制度改正により創業者にとって追い風が吹いている今こそ、準備を始める絶好のタイミングです。
自治体の制度融資との違いも理解し、両方をうまく組み合わせていくことが、事業の安定と成長につながります。
専門家のサポートを活用し、財務の視点から計画を整えることで、融資成功率は格段に上がります。
安心して事業をスタートさせるために、今から一歩を踏み出しましょう。
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