こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門としております行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
経営者の方々とお話ししていると、「会社のお金のことは考えるが、自分自身の老後資金や家族の生活資金までは手が回らない」という声を耳にします。
実際、中小企業の社長は会社の財務と個人の資産が密接に絡み合っており、老後資金の不安は「経営リスク」と直結しています。
今回は、中小企業社長が避けて通れない「老後資金・個人資産の不安」について、財務コンサルの立場から整理し、解決への実践的なアプローチをご紹介します。
社長が老後資金に不安を抱える理由
退職金制度が整っていない
大企業のように「退職金規程」や「企業年金制度」を備えていないケースが多く、事業を続ける限り、老後資金の積立が後回しになりがちです。
会社=個人資産という構造
中小企業では、社長が会社の保証人になっているケースが一般的です。
そのため、事業に万一のことがあれば、個人資産も大きく毀損するリスクがあります。
事業承継と生活資金が一体化している
「後継者に会社を譲る=自分の収入源がなくなる」ことを意味します。
承継後の生活費をどう確保するか、具体的にイメージできていない社長は少なくありません。
老後資金の基本目安と社長の実情
老後資金の目安としてよく語られるのは「2,000万円問題」です。
しかし、これはサラリーマン世帯を前提とした平均的な試算に過ぎません。
経営者の場合は、次の3点を加味して考える必要があります。
- 公的年金の受給額は一般的に少ない(厚生年金に比べ国民年金ベース)。
- 事業収入が途絶えると、生活費のほとんどを金融資産で賄う必要がある。
- 子どもや孫への教育・結婚支援など、ライフイベント支出が大きくなりやすい。
つまり、社長の老後資金は「2,000万円では足りない」ケースが大半なのです。
老後資金を確保するための財務戦略
会社からの安定した役員報酬と退職金制度の整備
老後資金を「会社から切り出す」ことが第一歩です。
- 役員退職金規程を作り、利益が出た年に計画的に積立。
- 役員報酬を適正に設定し、個人の資産形成に回す。
- 小規模企業共済や中小企業退職金共済(中退共)の活用。
特に小規模企業共済は「社長のための退職金制度」と呼ばれ、掛金全額が所得控除になるため、節税効果と老後資金準備を同時に実現できます。
事業資金と個人資産を切り分ける
「会社の預金=自分の財布」と考える経営者は少なくありません。
しかし、老後資金を守るには、両者の線引きが不可欠です。
- 会社資金は事業成長と運転資金確保に集中。
- 個人資産は長期的に取り崩し可能な形で保有。
- 生命保険や確定拠出年金(iDeCo)を活用し、会社倒産時にも守られる資産を積み上げる。
この「二重の財務構造」をつくることで、事業リスクがあっても老後生活の基盤を確保できます。
事業承継と老後生活の両立設計
承継の場面では、「会社を譲る代わりに、社長個人の生活資金をどう確保するか」が重要です。
- 自社株を売却して退職金に充てる。
- 事業承継税制を活用しつつ、一部の資産を個人用に確保。
- 後継者との間で、承継後数年間は顧問料として報酬を受け取る。
老後資金を「承継計画の一部」として組み込むことで、社長自身の安心と会社の安定承継が同時に実現できます。
老後資金戦略を実行するための実務ステップ
現状の見える化
- 自分の年金見込額を確認(ねんきん定期便・ねんきんネット)。
- 個人金融資産・会社資産の一覧化。
ライフプランとキャッシュフロー表の作成
- 家計と事業を合わせたキャッシュフローを描く。
- 将来の生活費・医療費・介護費などをシミュレーション。
金融機関・専門家との連携
- 銀行や証券会社から商品提案を受ける前に、自分の方針を持つ。
- 税理士・FP・財務コンサルとチームを組んで総合的に検討。
まとめ|「会社を守ること=自分の老後を守ること」
中小企業の社長にとって、老後資金や個人資産の不安は決して他人事ではありません。
事業と生活は一体であり、どちらかが欠けると将来の安心は築けません。
- 退職金制度を整え、会社から資金を切り出す。
- 個人資産を守る仕組みをつくる。
- 事業承継に老後生活を組み込む。
これらを一歩ずつ実行していくことで、社長ご自身もご家族も安心できる未来を描くことができます。
当事務所では、会社の財務改善と同時に、経営者個人のライフプランや資産形成までトータルでサポートしています。
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