こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門としております行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
自動車整備業の経営でよく話題に上がるのが「資金繰りの波」です。
売上は車検や定期点検の時期に集中し、閑散期は入金が減ります。
一方で仕入や人件費は毎月発生します。
さらに診断機やリフトなど高額設備の導入も必要となるため、資金繰りの管理が経営の要となります。
今回は、自動車整備業が直面しやすい資金繰りの課題と、それを解決するための銀行融資の上手な活用方法を解説します。
自動車整備業の資金繰りの特徴
自動車整備業は、一般的なサービス業と比べても資金繰りの変動が大きい業種です。その理由は大きく3つあります。
1.繁忙期と閑散期が明確
車検は原則2年ごとですが、実際には「新車販売の山谷」や「法人車両の更新時期」により、特定の月に集中しやすい特徴があります。
- 日本では、ディーラーの決算セールで 3月に新車販売が集中 します。
結果として、3月登録の車は2年後・4年後も3月に車検を迎えるため、整備工場は毎年3月に繁忙期を迎えることになります。
- ボーナス期の 6月・12月 にも販売台数が増えるため、その月に車検が集中しやすくなります。
- 法人車両やリース車は「年度末更新」が多いため、やはり 3月に集中。
- また、ユーザーは大型連休前に前倒しで車検を済ませる傾向があるため、4月・7月 も忙しくなりやすいのです。
2.仕入れが先行しやすい
部品やオイルなどの仕入れは「即金または短期払い」が多いのに対し、売上の入金はクレジット決済やリース会社経由になることもあり、数週間から1か月遅れる場合があります。
3.設備投資の単価が高い
リフト、コンピュータ診断機、塗装ブースなど、一台あたり数百万円の投資が必要です。導入を短期借入で賄うと、毎月の返済額が重荷になります。
資金繰りが崩れる典型パターン
現場でよく見られる資金繰りトラブルには、次のようなものがあります。
- 車検繁忙期の売上が入るまでの「つなぎ資金」が不足し、仕入や給与の支払いに追われる
- 設備導入を短期借入でまかなった結果、返済額が月々のキャッシュフローを圧迫
- 繁忙期の黒字を閑散期で食いつぶし、年単位では資金繰りが常にギリギリ
このような状態が続くと、新たな投資や人材採用に踏み切れず、成長のチャンスを逃してしまうことにもつながります。
銀行融資を上手に活用する方法
安定した資金繰りを実現するためには、「お金の性質に応じた借入の使い分け」がカギとなります。
1.運転資金は「短期継続融資」で確保
短期継続融資(短コロ)は、売掛金・在庫・買掛金のバランスなどから算定される「固定的に必要な運転資金」をまかなう融資です。
額を見積もる際には、決算書の残高や回転日数を基に、常に必要となる資金量を算出します。
2.設備投資は「長期借入」で返済負担を軽く
診断機やリフトなどは、使用期間が10年以上になるケースもあります。
そのため資金調達も「長期借入」で行い、毎月の返済を無理なく続けられる形にしましょう。
短期借入で導入してしまうと、キャッシュフローが一気に悪化します。
3.融資申込み時は「資金繰り予定表」を提示
銀行は「返済可能性」を重視します。
単に「お金が足りない」と相談するのではなく、今後1年間の資金繰り予定表を用意し、返済に余裕があることを示すことで、融資が通りやすくなります。
想定ケース:融資を活用してキャッシュフロー改善に成功する流れ
例えば、最新診断機を短期借入で導入した工場を想定してみましょう。
返済負担が大きく、資金繰りに苦しむ状況です。
もしここで銀行に相談し、短期借入を長期借入に組み替えることができれば、毎月の返済額を大幅に軽減できます。
その結果、現預金残高に余裕が生まれ、閑散期の支払にも対応できるようになるでしょう。
また、車検繁忙期の入金までに仕入支払いが重なり、毎年のように資金ショート寸前まで追い込まれるケースも想定されます。
この場合、「短期継続融資」を導入すれば、資金繰りの山をスムーズに乗り越えられるようになり、経営者の心理的な負担も軽くなることが期待できます。
まとめ:資金繰り表が整備工場経営の道しるべ
自動車整備業は、売上が安定しているように見えても、実際には資金繰りに大きな波がある業種です。
特に 3月・6月・12月・4月・7月 といった「繁忙期の山」をどう乗り越えるかが経営安定のカギとなります。
資金繰り表を作成し、銀行融資を「運転資金」と「設備資金」に分けて上手に使い分ければ、経営の安定性は格段に高まります。
資金繰りの見える化は、社長の安心につながり、従業員や取引先にも信頼感を与えます。
「銀行も数字で示せば応援してくれる」――これは自動車整備業にも当てはまることです。
当事務所では、自動車整備業をはじめとする中小企業向けに、資金繰り表の作成支援や融資の相談を行っています。
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