こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門としております行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
私の地元・新潟県三条市は、古くから金物やものづくりのまちとして栄え、今も数多くの中小企業が集積しています。
燕と並んで「燕三条ブランド」と呼ばれるほど全国に知られた地域ですが、ここで起業や拠点づくりを考えるとき、少し意識しておきたい地域性があるように思います。
それは「三条もんじゃないのはよそ者」といった言い回しにも見られる、“地元主義”の文化です。
「地元主義」と言われる背景
三条では、取引や人間関係を築く際に「誰の紹介か」「どこの出身か」といった要素が重視される、と言われることがあります。
もちろんすべてがそうとは限りませんが、外から来た人が最初に壁を感じやすいのは事実でしょう。
背景には、次のような地域の歴史や産業構造があると考えられます。
- 顔の見える商売の歴史:問屋や職人同士が互いをよく知った上で取引してきた。
- 信用重視の取引:現金決済ではなくツケ払いや掛け取引が多かったため、「誰とつながっているか」が信頼の基盤となった。
- 地縁・血縁の強さ:親戚や同級生といった人間関係が、経済活動と密接に絡んでいた。
こうした積み重ねが、「まずは地元の人から」という感覚につながっているのかもしれません。
他地域との比較
このような傾向は三条だけではなく、全国の産業集積地でも見られます。
京都の「一見さんお断り」、魚沼や長岡の同郷ネットワーク、地方商店街の地元優先の取引なども似ています。
ただし三条の場合は製造業の比率が高く、地元完結の取引が多い分「まずは三条で認められること」が一つの突破口になる、という見方もできます。
逆に言えば、三条で信頼を得られれば全国に向けても信用が波及しやすいとも考えられるのです。
三条での起業・拠点づくりのヒント
1. 地元のキーパーソンと関わる
三条では「誰と知り合いか」が重要な意味を持ちます。
そのため、経営者や金融機関の担当者と顔を合わせられる場に出てみると良いでしょう。
- 三条商工会議所のイベント:定例セミナーや懇親会では、幅広い業種の経営者と出会える。
- 地元信用金庫・地銀の勉強会:融資先を集める会合は、銀行がネットワークづくりを後押ししている。
- 三条青年会議所(JC)やBNIなどの交流会:異業種の若手経営者や事業者と横のつながりができる。
- 燕三条地場産業振興センターの商談会・研修会:工場経営者や支援機関とも接点が持てる。
こうした場を意識的に活用すれば、自然と「顔の見える関係」に入りやすくなり、信頼が広がりやすくなります。
2.地域イベントに参加する
もう一つの有効な方法は、地域イベントに積極的に参加することです。
単なる名刺交換以上に、地域の文化や人と触れ合うことで「一員として受け入れられやすくなる」効果があります。
- 燕三条 工場の祭典
毎年10月に開催され、地元の工場が公開される一大イベント。職人や経営者と直接言葉を交わせる貴重な機会です。新規参入者が「地域の産業に関心を持っている」と伝える絶好の場になります。 - 三条マルシェ
三条の商店街を歩行者天国にして開催される市民イベント。飲食や雑貨、工芸品が並び、来場者は数万人規模にのぼります。地域住民と直接触れ合うことで、地元消費者の声やニーズを肌で感じられます。 - 三条夏まつり・花火大会
夏の風物詩として、企業や地域団体が協賛するケースも多く、経営者同士の交流の場にもなります。「地元に貢献したい」という姿勢を示すチャンスでもあります。 - 地場産業振興センター主催の展示会
燕三条製品見本市や各種フェアでは、地元メーカーやバイヤーが集まり、商談や情報交換が活発に行われます。取引先を探すだけでなく、最新の産業動向を掴む機会にもなります。 - 商店街・商工会の小規模イベント
新製品発表会や経営セミナーなど、小規模ながら濃い交流が生まれる場も多いです。継続的に顔を出すことで「この人は本気で三条に根を張りたいのだ」と認識してもらえます。
このように、地域イベントは単なる「お祭り」ではなく、地元での存在感を高め、信頼を積み上げるための大切な舞台だといえるでしょう。
3.財務面で信頼を積み上げる
どんな地域でも共通することですが、三条では「お金にルーズ」と見られると特に致命的になりやすいと感じられる場面があります。
その理由はシンプルで、
- 信用取引が基本だった歴史:ツケ払いや掛け売りが多かったため、支払いの遅れ=即信用失墜につながりやすい。
- コンパクトで評判が広まりやすい環境:企業や経営者同士のつながりが濃く、銀行や商工会議所を通じて噂が一気に広がる。
という二つの地域特性があるからです。
したがって、資金繰り表や事業計画をきちんと整備し、金融機関や仕入先に説明できる体制を持つことが大切です。
数字で誠実さを示すことは、地域に根付く上での信頼獲得に直結すると言えるでしょう。
三条に拠点を構えるメリット
一度ネットワークに入ることができれば、得られるメリットは大きいでしょう。
- 全国ブランド力:「燕三条の企業」という肩書き自体が強い信頼になる。
- 人材と技術の集積:部品調達から量産まで、狭いエリアで完結できる。
- 金融機関の後押し:信用金庫や地銀が地元企業の成長を積極的に支援している。
つまり、入り口こそ狭く感じられるかもしれませんが、一度中に入れば全国展開のプラットフォームとしての強みを活かせる可能性があります。
おわりに
「三条もんじゃないのはよそ者」という言葉をどう受け止めるかは人それぞれですが、そこに見えるのは信用と信頼を重んじる商売の町の文化ではないでしょうか。
外から来た人にとっては最初に壁を感じるかもしれませんが、時間をかけて信頼を築くことで、強固なパートナーシップにつながっていくはずです。
当事務所では、三条での創業や資金調達に関するご相談を承っています。
地域に根を張りながらビジネスを広げたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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