こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門としております、行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が利上げや利下げを行うと、日本の為替や景気、さらに中小企業の資金繰りや収益にまで大きな影響を与えます。
「アメリカの金融政策が、なぜ日本の会社に関係あるの?」と疑問に思う社長も多いでしょう。
今回は、FRBの利上げ・利下げが日本経済にどう波及するのか、そして中小企業にとって何がポイントになるのかを分かりやすく解説します。
FRBとは何か?なぜ注目されるのか
FRB(Federal Reserve Board)は、アメリカの中央銀行制度を監督する組織です。
日本でいえば「日銀」に相当します。
実際の金融政策は「FOMC(連邦公開市場委員会)」で決定され、政策金利を上げる(利上げ)か下げる(利下げ)かによって、世界中の投資家が動きます。
アメリカは世界最大の経済大国であり、ドルは基軸通貨です。
そのため、FRBの一手が為替市場を大きく動かし、間接的に日本企業の収益や国内の物価に影響してきます。
利上げすると何が起きるのか
1.円安ドル高が進む理由
FRBが利上げを行うと、アメリカの金利が上昇します。
投資家にとって「ドルを持った方が有利」になるため、世界中からドルが買われます。
その結果、円が売られやすくなり、円安ドル高が進むのです。
2.輸出企業が有利になる理由
円安になると、輸出企業の収益は増えます。
例えば、1ドル=100円の時に1万ドルを売り上げれば100万円ですが、1ドル=120円なら同じ1万ドルが120万円に増える計算です。
自動車、機械、金属加工など輸出型の中小企業にとってはプラス要因です。
3.内需企業には負担増
一方で、輸入コストは上昇します。
原油、小麦、金属などの仕入価格が高騰し、飲食業や物流業、製造業でも原材料依存度の高い会社は圧迫を受けます。
エネルギーコストが増え、値上げ転嫁できなければ利益を削ることになります。
4.日銀の対応と国内景気
円安で物価が急騰すると、日銀にも利上げ圧力がかかります。
金利が上がれば企業の借入コストが増加し、内需は冷え込みやすくなります。
つまり、輸出企業には追い風、内需型企業には逆風という両面が生まれるのです。
利下げすると何が起きるのか
1.円高ドル安が進む理由
FRBが利下げすると、アメリカの金利が下がり、ドルの魅力が薄れます。
投資家はドルを売り、円やユーロなどに資金を移すため、円高ドル安が進みます。
2.輸入企業にとって有利
円高になると輸入コストが下がります。
例えば、1万ドルの輸入が1ドル=120円なら120万円ですが、1ドル=100円なら100万円で済みます。
飲食業、建設業、エネルギー関連など、輸入比率の高い企業にとってはメリットです。
3.輸出企業は逆風
反対に輸出企業は、ドル建て売上を円に換算すると減少するため収益悪化につながりやすいです。
為替の変動幅が大きいと、海外取引をしている中小企業は特に資金繰りの見通しが立ちにくくなります。
4.日銀の対応と国内景気
円高によって輸入物価が下がれば、インフレ圧力は和らぎます。
そのため、日銀は利上げを急ぐ必要がなく、低金利政策を続けやすい。
結果として、企業の借入コストは安定し、内需にはプラスとなります。
中小企業が押さえておくべき視点
1.自社は輸出型か内需型か
輸出比率が高い企業は「円安有利」、輸入比率が高い企業は「円高有利」。
為替変動が自社にどう効くかを把握することが重要です。
2.借入依存度を確認する
FRB利上げ → 日銀も利上げ圧力 → 金利上昇 → 借入負担増。
借入比率が高い会社は、金利上昇リスクを織り込んで資金計画を立てる必要があります。
3.資金繰りシミュレーションを行う
為替や金利が変動した場合のキャッシュフローを事前に試算し、銀行への説明資料として準備しておくと安心です。
まとめ
- FRBはアメリカの中央銀行(日銀に相当)で、利上げ・利下げを通じて世界の金利・為替に大きな影響を与える。
- 利上げ → 円安 → 輸出企業に有利・輸入企業に不利 → 金利上昇で資金調達コスト増 → 国内景気は減速しやすい
- 利下げ → 円高 → 輸出企業に不利・輸入企業に有利 → 低金利で資金調達コスト安定 → 国内景気は下支えされやすい
- 中小企業は、自社が「輸出依存か輸入依存か」「借入比率が高いか低いか」を見極め、資金繰りの備えをしておくことが大切です。
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