こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門としております、行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
経営をしていると「運が悪い」「ついていない」と思うことが少なからずあります。
反対に「今回は大成功だ!」と浮かれる瞬間もあるでしょう。
しかし、その出来事が本当に「幸運」なのか「不運」なのかは、時間が経ってみないと分からないことが多いのです。
古来から伝わる「人間万事塞翁が馬」という故事は、まさに経営者が持つべき心構えを教えてくれます。
今回はこの言葉の意味と、中小企業経営への活かし方を解説します。
人間万事塞翁が馬とは?
「塞翁が馬」とは、中国の古典『淮南子』に出てくる寓話です。
国境近くに住む老人(塞翁)の馬が逃げてしまい、人々は「不幸だ」と言いました。
ところがその馬は立派な馬を連れて帰り「幸運だ」となります。
今度はその馬に乗った息子が落馬して骨折し「不運」となりますが、戦争が起きて多くの若者が戦死する中、骨折で出兵を免れた息子は「幸運」となりました。
つまり、
一見して「不幸」に思えることが幸運に転じることもあり、逆に「幸運」が後に不幸につながることもある。
だから、目先の出来事に一喜一憂するべきではない。
これが故事の教えです。
中小企業経営にどう関係するか?
1.不測の事態は必ず起こる
中小企業経営では「不運」に見える出来事が頻発します。
- 材料価格の高騰
- 大口取引先の倒産
- 設備の急な故障
- 融資審査での否決
これらは確かに痛手ですが、そこから新しい取引先の開拓や経営改善の契機を得ることもあります。
実際、原材料高騰をきっかけに「価格転嫁の交渉」を進め、結果的に収益体質が改善した企業もあります。
2.成功が必ずしも「幸運」とは限らない
反対に、大きな受注や銀行からの融資成功は「幸運」と思われがちですが、それが油断や過大投資につながり、資金繰り悪化の原因となるケースもあります。
例えば、新工場建設のために大型融資を受けたものの、売上が伸びずに返済が重荷となり、資金繰りに窮する企業も珍しくありません。
3.心構えとしての「塞翁が馬」
経営者がこの教えから学ぶべきは、短期的な出来事を「幸・不幸」で決めつけない姿勢です。
- 「失敗した」ではなく「学びを得た」
- 「成功した」ではなく「新たなリスクも伴う」
と捉えることで、長期的な安定経営につながります。
財務の観点からみる「塞翁が馬」
融資審査での否決
銀行からの融資が否決されると大きなショックですが、それが経営改善の警鐘になることもあります。
否決理由を掘り下げて改善し、次回の申請でより良い条件を引き出すきっかけになるのです。
赤字決算
赤字はもちろん喜べるものではありません。
しかし、赤字をきっかけにコスト構造を見直し、利益率の高い事業へ舵を切れた例も少なくありません。
価格交渉
仕入先との価格交渉に失敗しても、そこで関係を強化したり、新しい仕入先を模索するチャンスになります。
実務にどう活かすか?
1.資金繰り表を常に用意する
予期せぬ「不運」があっても、資金繰り表で早めに資金不足を察知すれば対策が取れます。
2.複数の資金調達ルートを確保する
一行依存ではなく、信用金庫や政策金融公庫など、複数の金融機関と関係を築いておくことが「塞翁が馬」の状況をチャンスに変えるカギです。
3.経営判断は長期的な視点で
短期的な赤字や融資否決で「不運」と思わず、将来の改善ステップと捉える姿勢が重要です。
まとめ
「人間万事塞翁が馬」という故事は、経営における幸不幸の表裏一体性を教えてくれます。
- 不運は成長のチャンスに変わる
- 幸運は油断やリスクの芽を含む
- 短期ではなく長期で物事を判断する
中小企業の社長にとって、この心構えは資金繰りの荒波を渡る大切な羅針盤です。
逆境を恐れず、成功に浮かれず、冷静に「次の一手」を考える経営こそ、会社を健康体に導く道だといえるでしょう。
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