「なぜ地方企業は都市部企業より融資で不利になるのか?」―銀行の審査基準や金融機関の構造、地域経済の特性から、その本当の理由を徹底解説。
資金繰りに悩む中小企業が知っておくべきポイントを紹介します。
こんにちは。中小企業の財務コンサルタント・行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
私は長年の経理・財務業務の経験を生かし、現在は中小企業の資金繰りや融資支援を専門としています。
その中で感じるのは、同じ決算内容でも「都市部の企業」と「地方の企業」とでは、融資の受けやすさに差があるのではないかということです。
今回は「地方企業が都市部企業より融資で不利になる本当の理由」について、銀行の仕組みや経済環境を踏まえて解説します。
地方企業が融資で不利になると感じる場面
地方の経営者から、次のような声を耳にすることがあります。
- 「業績は悪くないのに、融資枠が小さい」
- 「金利が都市部より高い気がする」
- 「銀行から“支店方針”を理由に断られる」
決算や事業の中身ではなく、立地条件そのものが融資条件に影響していると感じるケースは少なくありません。
では、なぜこのような差が生まれるのでしょうか。
銀行の支店構造と地方特有の制約
貸出先の分散度が低い
都市部では多種多様な業種が存在するため、銀行はリスクを分散できます。
しかし地方では製造業や農業など、特定の産業に偏る傾向があります。
銀行から見ると、地域経済の不況=多くの取引先の同時悪化につながるため、貸出には慎重になります。
市場規模の小ささ
人口減少が進む地方では、消費市場が縮小傾向にあります。
銀行としては「今後の成長性が限定的」と見ざるを得ず、融資判断は都市部に比べ厳格になりがちです。
支店決裁権限の低さ
地方の支店は都市本部に比べて決裁権限が小さく、融資の承認に時間がかかる場合があります。
「本部に稟議を回さないと判断できない」という構造が、地方企業の機動的な資金調達を阻害しています。
金利や保証条件の違い
都市部の企業は複数の金融機関から選択でき、競争原理が働くため条件が有利になりやすいです。
一方で地方では金融機関の数が限られ、企業にとって「選択肢が少ない」状態。
結果として、
- 金利がやや高止まりする
- 経営者保証や物的担保を求められやすい
といった現象が起こります。
例えば、同じ売上規模・同じ決算書でも、東京の企業は無担保・保証人なしで借りられる一方、地方の企業は保証協会付や社長の連帯保証が前提になることがあります。
情報格差と人脈の違い
都市部では銀行との接点が多く、金融機関主催の勉強会や異業種交流を通じて情報を得やすい環境があります。
地方では情報が限られ、経営者が「知らないから利用できなかった」制度融資や補助金も少なくありません。
また、地方銀行の人脈に強く依存する傾向があるため、担当者交代や銀行の合併で状況が一変するリスクもあります。
「地方だから不利」を逆手に取る発想
もちろん、地方企業がすべて不利というわけではありません。
むしろ次のような点は地方企業ならではの強みになります。
- 地域に根ざした地銀・信金が「顔の見える取引」を重視している
- 長期的な取引実績を積めば、形式的な数字以上に信頼が得られる
- 公的金融機関(日本政策金融公庫、商工中金など)との連携が活用しやすい
つまり、「地方だから不利」という思い込みを捨て、使える制度・関係性をフルに活かすことが重要です。
中小企業が取るべき具体的な対策
- 複数金融機関との取引を持つ
競争環境を自ら作り出すことで、金利や条件交渉が有利になります。
- 決算書を「見せるため」に整える
都市部企業以上に「数字の説得力」が必要です。
税務上の最小利益ではなく、金融機関が安心できる利益計画を提示しましょう。
- 制度融資・保証制度を積極的に利用する
セーフティネット保証や地域独自の制度融資は、地方企業こそ活用すべき仕組みです。
- 金融機関との関係を「人」で築く
地方銀行は担当者との信頼関係が命。数字に加え、日々のコミュニケーションで信用を積み上げましょう。
まとめ
地方企業が都市部企業より融資で不利になる理由は、決して「経営の質」だけではありません。
- 銀行の支店構造と決裁権限の違い
- 地域経済の縮小リスク
- 金利・保証条件の地域格差
- 情報量と人脈の差
これらの要因が複合的に影響しています。
しかし逆に言えば、制度の活用・数字の整備・複数行取引・信頼関係の構築といった対策を取ることで、地方企業でも十分に有利な融資条件を引き出すことは可能です。
「地方だから不利」と嘆くのではなく、正しい戦略で資金調達力を高めていきましょう。
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