「銀行との交渉はコンサルに全部任せられる」と思っていませんか?
実は、弁護士資格のない者が経営者に代わって金融機関と交渉することは、弁護士法72条に違反する「非弁行為」とされ、法律で禁止されています。
本記事では、中小企業の社長が誤解しやすい「銀行交渉の代行」と、コンサルができる「正しい融資サポート」の違いを整理し、安心して外部専門家を活用する方法を解説します。
はじめに
こんにちは。財務コンサルタント・行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
資金繰りや融資に関心を持つ経営者の中には、「コンサルに頼めば銀行交渉も全部やってもらえるのでは?」と考える方が少なくありません。
しかし、結論から言えば、それは法律上できません。
この記事では、なぜ「銀行交渉の丸投げ」ができないのか、そして経営者がコンサルをどのように活用すれば良いのかを整理します。
弁護士法72条と「非弁行為」とは
まず押さえておきたいのが、弁護士法72条です。
条文には「弁護士でない者は、報酬を得る目的で法律事件に関する業務を行ってはならない」と規定されています。
ここでいう「法律事件に関する業務」には、裁判だけでなく、債権回収、和解や示談、そして金融機関との交渉も含まれます。
つまり、弁護士資格を持たないコンサルや行政書士、税理士であっても、経営者に代わって銀行と条件交渉を行うことは非弁行為にあたり、禁止されているのです。
社長が誤解しやすい理由
なぜ社長は「コンサルも銀行交渉を代行できる」と思ってしまうのでしょうか。
それは、身近な士業には「代理・代行」が可能な例が多いからです。
- 税理士は税務署と直接やり取りをしてくれる
- 社労士は助成金や労務関係の手続きを代理申請してくれる
- 弁護士は取引先や債権者と直接交渉してくれる
こうした「代わりに交渉や申請をしてくれる専門家」が存在するため、コンサルタントも同じように 「銀行交渉を丸ごとやってくれるはず」 と誤解されやすいのです。
しかし、銀行との条件交渉は法律事件性を帯びるため、弁護士以外は代行できません。
ここを正しく理解しておく必要があります。
コンサルができる融資サポートの範囲
では、財務コンサルや行政書士は全く役に立たないのかというと、そんなことはありません。
むしろ、「土台づくり」こそがコンサルの役割です。
1.数字を整える
銀行が理解しやすいように、資金繰り表、試算表、事業計画書を作成・整理します。
「数字が見える化されているかどうか」で融資の印象は大きく変わります。
2.シナリオを準備する
「どのように説明するべきか」「銀行が気にするポイントはどこか」を事前にアドバイスします。
経営者が自信を持って話せるよう、プレゼンのリハーサルを一緒に行うこともあります。
3.同席によるサポート
銀行との面談に同席し、必要に応じて資料の補足説明を行うことは可能です。
ただし、交渉の主体はあくまで社長本人。
条件の変更や融資額の要望を直接伝えるのは経営者でなければなりません。
経営者が担うべき役割
銀行が最も重視するのは、「この経営者にお金を預けても大丈夫か」という信用です。
そのため、最終的に銀行と向き合うのは経営者本人である必要があります。
コンサルは参謀役として後方支援を担いますが、銀行の信頼は「数字」以上に「社長の言葉」から生まれるのです。
「自分の言葉で銀行に語る」姿勢が、融資を有利に進める最大の武器となります。
誤解を防ぐ依頼の仕方
誤解を避けるためには、依頼時の言葉選びも重要です。
- 「銀行交渉を代行してください」ではなく、
- 「銀行に説明するための資料を一緒に整えてください」
- 「面談に同席して、補足説明や助言をお願いします」
と伝えることで、法律違反のリスクなく、安心して支援を受けられます。
まとめ
- 弁護士資格のない者が経営者に代わって銀行交渉をすることは、弁護士法72条に基づく非弁行為にあたり禁止されている。
- コンサルの役割は「融資を勝ち取るための土台づくり」。数字を整理し、説明のシナリオを考え、経営者が交渉しやすい環境を整えること。
- 銀行が信用するのは、最終的に経営者自身の言葉である。
外部専門家を正しく活用しながら、自らの声で銀行と向き合うことが、融資を有利に進める最大のポイントです。
ご相談はこちらから
最後までお読みいただきありがとうございました。
当事務所が、社長の悩みに対する壁打ち相手になって、貴社の発展を全力でサポートいたします。
相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。