社長必見!3期分の現預金を比べて資金繰りの異変を察知。
原因5つとその対処法、さらに現金水準の目安やキャッシュフローの偏差分析まで、経営改善に役立つ実践的なヒントをお届けします。
まずは3期分の現預金を確認してみよう
「売上も利益も出ているはずなのに、なぜか資金繰りがきつい…」
そう感じたら、まず3期分の決算書を並べて、現預金の推移をチェックしてみましょう。
たとえば、
- 2023年:2,000万円
- 2024年:1,300万円
- 2025年:800万円
このように、年々現金が減っていれば、見た目は黒字でも実質的な資金繰り悪化が進行中かもしれません。
決算書に表れる数字の変化に気づくことが、経営者としての最初の「異常察知」です。
なぜ減った?資金が減少する5つの典型的な原因
現預金が減っていく理由は、単純な「売上減」ではなく、さまざまな要因が絡みます。
とくに多いのが、以下の5つです。
① 利益の低下
- 原材料費や外注費の上昇
- 価格転嫁の遅れ
- 採算の悪い取引の継続
などにより、売上が横ばいでも粗利率が下がっている企業は非常に多いです。
② 棚卸資産の増加(在庫滞留)
- 商品や材料の仕入れ過多
- 回転率の悪い在庫の放置
これらがキャッシュを圧迫しており、「動かないお金」になっています。
③ 回収サイトの長期化(入金が遅い)
- 売掛金の回収が2〜3か月先
- 支払い条件が先方主導
キャッシュインの遅れは、資金繰りを直接悪化させます。
④ 借入返済の増加
- ゼロゼロ融資などの返済開始
- 元本返済+金利の負担が重い
月々の返済額が高額になると、現金が急激に減っていきます。
⑤ 設備投資によるキャッシュアウト
- 設備購入はその場で現金が出ていく
- 一方で費用化(減価償却)は徐々に
利益が出ていても現金がない…という“見た目と中身のズレ”が生まれます。
このままでは黒字倒産のリスクも
よくある誤解が「利益が出ていれば安心」ですが、黒字倒産という言葉があるように、利益と資金繰りは別物です。
- 利益が出ていても、
- 売掛金や在庫にお金が取られていたり、
- 借入返済に追われていたりすると、
「帳簿は黒字・銀行口座は空っぽ」という状況に陥ります。
資金ショートを防ぐには、単なる利益ではなく、現金の動き=キャッシュフローの視点が欠かせません。
水準感をつかむ:現預金と返済・CFのバランス
では、自社の資金状態をどう評価すべきか。目安となる2つの指標を紹介します。
(1)現預金残高 ÷ 月商
- 理想:2~3ヶ月分の月商が確保されていれば安全圏
- 1ヶ月分未満:警戒ライン
たとえば月商1,000万円の企業であれば、最低でも2,000~3,000万円の現預金があると安心です。
(2)簡易キャッシュフロー vs 年間返済額
簡易キャッシュフロー=経常利益 + 減価償却費 − 法人税
これが年間返済額(元金)を上回っていれば◎
逆に、これを下回っていると、返済がCFでまかないきれず、現預金を削る構造になってしまいます。
5つの原因に対応する具体策
では、資金繰り悪化の原因に対し、どのような打ち手があるのか?
まずは、社長ご自身で着手できるセルフ改善策から見ていきましょう。
① 利益低下への対策
- 赤字取引・薄利商品の見直し
- 原価高騰への価格転嫁
- 高粗利商品への集中(選択と集中)
② 棚卸資産の対策
- 在庫の定期棚卸と「見える化」
- 不良在庫の処分セール
- 適正在庫水準の設定と仕入管理
③ 回収サイトの改善
- 締め支払条件の見直し(例:翌月末→当月末)
- クレジット決済の導入で即日キャッシュイン
- サブスク・定額サービス導入で前受金モデルへ
④ 借入返済の負担緩和
- 借換や条件変更(リスケ)を金融機関に相談
- 公的な低金利融資を活用して、新たな運転資金を確保する
- 信用保証協会の保証を付けて、借入のハードルを下げ、資金繰りに余裕を持たせる
⑤ 設備投資の資金対策
- 自己資金だけで設備投資しない
- 補助金・リース・長期借入を組み合わせる
- 投資と資金確保を“ワンセット”で設計する
★それでも解決しないときは、専門家の出番です
これらの対策を講じても、
- 原因が複雑に絡み合っている
- 数字の把握があいまい
- どこから手を付ければ良いかわからない
という場合は、無理せず専門家に相談してください。
財務の専門家は、単なる「数字の整理屋」ではありません。
社長の悩みをヒアリングしながら、根本原因を可視化し、改善の優先順位を立てる伴走者です。
まとめ:気づきの先に、打ち手がある
3期分の現預金を見比べる――
この小さな「気づき」から、会社の未来は大きく変わります。
資金が足りなくなる前に、打てる手はあります。
でも、自分では手詰まりだと感じたら、迷わず専門家の力を借りてください。
社長が動けば、会社の数字も動き出します。
その一歩を、今日から。
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一緒に「未来のお金の流れ」を整えていきましょう。