~銀行にどう見せるか、次の一手をどう打つか~
「うちは今期赤字だけど、まだ自己資本はそこそこある。これって銀行にどう見られるのか…?」
そんなふうに思ったことのある社長は少なくないはずです。
赤字が出ると「もう融資は無理かも」と不安になりますが、「自己資本がある」状態なら、まだ戦える余地があります。
今回は「赤字でも自己資本がある会社」が取るべき戦略について、銀行対応と経営立て直しの観点から解説します。
自己資本とは何か?
まず前提として、「自己資本=会社がこれまで積み上げてきた純粋な資産」です。
貸借対照表(B/S)でいうと、資産から負債を引いた「純資産」のことを指します。

自己資本が厚い会社は、銀行から「財務基盤が安定している」と見られやすく、多少赤字が出ても即座に信用を失うことはありません。
赤字でも自己資本があると何が違うのか?
赤字というのは「今期の利益がマイナス」ということ。これはあくまで“結果”です。
一方、自己資本があるというのは、これまでの経営で“蓄えがある”ということです。
つまり、こんな違いがあります。
| 状況 | 銀行の見方 |
|---|---|
| 赤字かつ自己資本がマイナス(債務超過) | 極めて危険。融資は困難 |
| 赤字だが自己資本はプラス | 「一時的な失速」として様子見される |
自己資本がある限り、銀行は“再建の可能性あり”と見ます。
融資をすぐに断られることは少なく、計画次第で支援を得られる可能性もあります。
銀行への見せ方:3つのポイント
赤字でも自己資本があるなら、銀行には「再建の意思と計画」をきちんと見せる必要があります。
(1)赤字の原因を明確に
「なぜ赤字になったのか」をはっきり説明しましょう。
例えば、
- 主要取引先の倒産
- 原材料費の高騰
- 新規事業への先行投資
など、「一時的な要因」「外的な要因」であるなら、銀行も前向きに評価します。
逆に、「毎年同じ理由で赤字」だと、構造的な問題と判断され、警戒されます。
(2)自己資本の厚さを強調
貸借対照表に載っている自己資本を「これが当社の体力です」と見せましょう。
例えば:
- 自己資本比率が30%以上ある
- 利益剰余金が過去の利益で積み上がっている
といった説明ができると、「立て直しの余力がある会社」と評価されやすくなります。
(3)今後の改善計画を提示
銀行は「未来の数字」に期待して融資します。
ですから、以下のような経営改善の計画を作りましょう。
- 具体的なコスト削減策(人件費、外注費など)
- 売上回復の見込み(既存顧客の回復、新規販路の開拓)
- 新商品や新サービスの見通し
数字(売上・利益・キャッシュフロー)の裏付けがあると、より信頼感が増します。
経営面での次の一手
銀行対応と並行して、社内の立て直しにも着手する必要があります。
(1)キャッシュフロー重視へ
赤字でも倒産しない会社の共通点は、「キャッシュが残っていること」です。
出ていくお金を抑え、入ってくるお金を早める努力が必要です。
たとえば:
- 売掛金の早期回収
- 在庫の圧縮
- 固定費の見直し
など、キャッシュアウトを減らす工夫を徹底しましょう。
(2)固定費と変動費を分けて考える
固定費が重くなると、売上が減ったときに一気に赤字になります。
自社の固定費を洗い出し、削れるところは削る。
場合によっては、業務委託や外注の見直しも検討しましょう。
(3)役員報酬の見直しも視野に
社長ご自身の役員報酬も、時には見直す必要があります。
これは銀行への姿勢を示す意味でも効果的です。「再建への覚悟」を伝える材料になります。
まとめ:「戦える会社」は“体力”がある会社
赤字でも自己資本がある会社は、“まだ戦える会社”です。
- 過去の蓄積(自己資本)がある
- 再建の意志を示せる
- 計画を立てて、キャッシュを守る動きができる
これらが揃えば、銀行もきちんと話を聞いてくれます。
重要なのは、「赤字だからダメだ」と諦めるのではなく、「なぜ赤字なのか」「どう改善するか」を明確にし、自己資本という“信用の土台”を活かして次の一手を打つことです。
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