〜売掛回収・在庫・借入返済のバランスで会社のお金を守る〜
こんにちは。中小企業財務コンサルを専門としております行政書士、1級FP技能士、銀行融資診断士®の本間です。
中小企業の経営現場では、売上が上がっていても資金繰りが苦しい…という声をよく耳にします。
その原因は、単純に「利益が足りない」だけではありません。
実は、お金の流れを日々管理する「資金繰り」の3つのポイントが崩れているケースがほとんどです。
今回は、今すぐ点検してほしい「資金繰り3チェック」
①売掛回収のタイミング
②在庫の持ちすぎ
③借入返済と運転資金のバランス
について詳しく解説します。
① 売掛回収のタイミング
なぜ重要か
売掛金は「将来のお金」です。入金が遅れれば、いくら利益が出ていても現金不足に陥ります。
特に下請型の製造業や卸売業は、売上計上から入金までの期間が長く、資金繰りを圧迫しやすい構造です。
チェックポイント
- 平均回収日数が同業より長くなっていないか
- 取引先ごとに入金条件がバラバラではないか
- 請求から入金までの間に遅延常習先が放置されていないか
例えば「末締め翌月末払い」の条件を「末締め翌15日払い」に変えるだけでも、回収期間は15日短縮されます。
これは運転資金の余裕に直結します。
改善の方向性
- 新規取引時に入金条件を契約書や発注書で明確化
- 請求書は可能な限り早く発行(電子請求に移行)
- 遅延が発生したら即日連絡し、支払日を確定
- 手形取引の削減、電子記録債権やファクタリングで早期現金化
② 在庫の持ちすぎ
なぜ重要か
在庫は現金が姿を変えたもので、売れるまでは資金が固定されます。
過剰在庫は、運転資金を奪い、保管コストや廃棄ロスも増やします。
特に季節商品や流行品は、陳腐化による価値下落が早いです。
チェックポイント
- 在庫回転期間が3か月以上かかっていないか
- 長期間動いていない滞留在庫がどれくらいあるか
- 発注単位が大きすぎて必要以上に仕入れていないか
- 需要予測と在庫量のズレがないか
改善の方向性
- 低回転在庫を特定し、縮小や廃棄を検討
- 安全在庫量を見直し、発注点を適正化
- 売れ筋以外は受注生産や小ロット仕入れに切り替え
- 不良在庫は値下げやセット販売で早期現金化
ある製造業では、滞留在庫の圧縮で月間200万円以上の資金余裕が生まれた、という話もあります。
③ 借入返済と運転資金のバランス
なぜ重要か
返済額が過大だと、利益が出ていても手元資金が減り、日々の仕入・給与・経費支払いが苦しくなります。
短期資金で長期返済を賄うと、返済と借入の繰り返しになり、資金繰りの悪循環に陥ります。
チェックポイント
- 月間返済額が営業利益やキャッシュフローの範囲内か
- 長期借入と短期借入のバランスが適正か
- 借換や返済条件緩和の余地はあるか
- 設備投資の返済が運転資金を圧迫していないか
改善の方向性
- 資金用途に応じた借入(長期用途は長期資金、短期用途は短期資金)
- 設備資金の返済年数を減価償却期間に合わせる
- 条件変更(リスケジュール)は早めに銀行へ相談
- 一時的な不足を補う短期資金枠を確保
まとめ 〜資金繰りは「改善できる」経営課題
資金繰りの問題は、必ずしも売上不足や赤字が原因とは限りません。
売掛回収・在庫・借入返済、この3つのバランスが崩れるだけで、黒字でも資金ショートは起こります。
まずは今日から、この「資金繰り3チェック」をもとに、自社の状況を棚卸ししてみてください。
早期発見・早期改善ができれば、会社のお金は確実に守れます。
もし診断や改善策の優先順位に迷う場合は、専門家と一緒に数値を見ながら、現実的な改善計画を立てることをおすすめします。
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