~数字で進捗を確かめるKPI(重要指標)の使い方~
こんにちは。中小企業財務コンサルを専門としております行政書士、1級FP技能士、銀行融資診断士®の本間です。
経営改善を考えるとき、やるべきことはシンプルです。
「売上を増やす」か「経費を減らす」か。
しかし、ただ掛け声だけで取り組んでも成果は続きません。
改善が進んでいるかどうかを確かめるには、KPI(重要指標) という“数字の目印”を設定することが大切です。
今回は、業種別に「売上を増やすための取り組み」「経費を減らすための取り組み」、そしてそれを確認するKPIを整理しました。
製造業(受注生産・加工業)
売上を増やす
- 高付加価値品の受注で単価を上げる
→ 単純な価格競争に巻き込まれず、特注品や試作品など「他社に代えがたい仕事」を増やすことが利益率改善につながります。 - 稼働率を高めて受注量を増やす
→ 遊んでいる設備や時間を減らし、段取り改善や短納期対応で「追加の仕事」を取り込む工夫が必要です。
経費を減らす
- 不良率を下げて材料ロスを削減
→ 不良品は材料費・工数の二重損。工程管理や検査を見直すだけでも原価低減に直結します。 - 在庫を減らし、資金を寝かさない
→ 在庫は現金が形を変えたもの。長期間動かない在庫を減らすことで資金繰りが改善します。
KPI(重要指標)
- 稼働率=実際の稼働時間 ÷ 設備保有時間(目安80%以上)
- 不良率=不良品数 ÷ 総生産数(目安5%以下)
- 在庫回転期間=在庫 ÷ 1日の出庫額(目安90日以内)
建設業
売上を増やす
- 提案型営業で単価を上げる
→ 「工事をこなす」だけでなく、デザイン・機能性を提案できれば価格に説得力が生まれます。 - リフォームや公共工事で安定受注を増やす
→ 景気に左右されやすい業界だからこそ、定期的な案件や公共性のある工事を増やすことが安定経営につながります。
経費を減らす
- 自社施工を増やして外注費を削減
→ 職人の自社雇用や協力会社とのパートナー契約で、外注依存を減らすことが可能です。 - 工期を守り、余計なコストを防ぐ
→ 工期遅れは追加費用や信頼低下につながります。工程表の共有と進捗確認がカギです。
KPI(重要指標)
- 粗利率=売上総利益 ÷ 売上高(目安15%以上)
→ 実務的には「工事ごとの粗利率」をしっかり管理することが出発点です。その積み上げの結果として、会社全体の粗利率も安定し、最終的に全体で目安15%以上を確保できる体制につながります。 - 外注比率=外注費 ÷ 売上高(目安50%以下)
- 工期遵守率=予定通り終わった工事 ÷ 全工事数(目安90%以上)
飲食業
売上を増やす
- 限定メニューやセット販売で客単価アップ
→ 「ここでしか食べられない」要素やセット提案で、1人当たりの売上を伸ばせます。 - デリバリー・テイクアウトで販路を広げる
→ 店内客席だけに頼らず、外部サービスや自社宅配で収益源を増やすことが安定につながります。
経費を減らす
- 食材ロスを減らし原価を抑える
→ メニュー数を絞る・発注量を調整することで仕入原価を大幅に抑えられます。 - シフトを見直して人件費をコントロール
→ 繁閑差に応じて柔軟にシフトを組むことで、無駄な人件費を避けられます。
KPI(重要指標)
- 客単価=売上高 ÷ 来店客数(目安3,000円以上)
- FL比率=(食材費+人件費)÷ 売上高(目安60%以下)
- 廃棄率=廃棄食材 ÷ 仕入れ食材(目安3%以下)
小売業
売上を増やす
- EC販売で新しい販路を獲得
→ 店舗来客だけでは限界があるため、ネット販売を取り入れることで商圏を一気に広げられます。 - プライベートブランド商品で粗利を確保
→ 他店と差別化しつつ、高利益率の商品を増やすことで利益の安定を図れます。 - 会員制度でリピート率を上げる
→ 会員カードやアプリを活用し、リピート購入につなげる仕組みが長期的な売上基盤となります。
経費を減らす
- 在庫を適正化しデッドストックを減らす
→ 売れ残りはそのまま資金の滞留。仕入の見直しで資金繰りを改善できます。 - 物流コストを見直す
→ 発送頻度や業者の契約条件を精査するだけでも削減効果が見込めます。
KPI(重要指標)
- 在庫回転率=売上高 ÷ 平均在庫額(目安6回以上/年)
- 粗利率=売上総利益 ÷ 売上高(目安30%以上)
- リピート率=既存顧客の売上 ÷ 全体売上(目安60%以上)
サービス業(美容室・整体・各種サロン)
売上を増やす
- 客単価を上げる
→ トリートメントやオプション施術、セットメニューの提案で単価を引き上げることができます。小さな積み上げでも年間で大きな差になります。 - 稼働率を高める
→ 空き時間を減らすために予約管理を徹底し、スタッフのシフトを最適化。時間あたりの売上を増やすことが収益力強化につながります。 - リピート率を高める
→ LINEやアプリでの次回予約、会員カードやポイント制度を導入し、固定客を増やすことが安定収益に直結します。
経費を減らす
- 人件費の最適化
→ 繁閑差に応じてシフトを柔軟に調整。過剰人員を抱えない工夫が必要です。 - 広告費の見直し
→ 効果測定を行い、費用対効果の低い媒体は縮小。SNSや口コミを活用するほうが低コストで効果的な場合もあります。 - 固定費を抑える
→ 家賃や水光熱費の契約を見直し、必要に応じて規模に合った物件へ移転する選択肢も考えられます。
KPI(重要指標)
- 客単価=売上高 ÷ 来店客数(目安6,000円以上/美容室、5,000円以上/整体など業態に応じて調整)
- 稼働率=実際の施術時間 ÷ 営業可能時間(目安70%以上)
- リピート率=既存顧客の来店数 ÷ 全体来店数(目安60%以上)
まとめ:具体的な「行動計画」に落とし込む
「売上を増やす」「経費を減らす」という取り組みを効果的に進めるには、7W1Hで整理すると分かりやすくなります。
- Why(なぜ):資金繰りを安定させたいのか、利益を増やしたいのか
- What(何を):売上拡大か、経費削減か
- Who(誰が):社長か、現場責任者か、経理担当か
- Whom(誰のために):顧客、従業員、銀行
- When(いつまでに):期限を明確にする
- Where(どこで):工場、店舗、本社など対象を絞る
- Which(どの手段で):売上増加策か経費削減策か
- How(どのように):具体的にどうやるかを数字で示す
KPI(重要指標)を設定し、数字で進捗を確認する習慣を持つこと。
これが、会社を「資金に強い経営体質」に変える第一歩です。
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