こんにちは。中小企業財務コンサルを専門としております行政書士、1級FP技能士、銀行融資診断士®の本間です。
今回は、ある会社で30年以上働いてくれたベテラン社員・佐藤さん(仮名)が定年退職を迎えるにあたり、
社長が知り合いのファイナンシャルプランナーを同席させてアドバイスを行う、というシチュエーションでお届けします。
冒頭の会話
社長
「佐藤さん、本当に長い間お疲れさまでした。会社に尽くしてくれたことに感謝しています。
退職金もまとまった額が入りますよね。
嬉しい反面、どう使うか悩まれているのでは?」
佐藤さん
「そうなんです。住宅ローンも残っていますし、妻ももうすぐ定年です。
子どもは独立しましたが、これからの暮らしを考えると不安で…。
実は資産運用や暗号資産、FXなんかにも興味があって。
パチンコや競馬も趣味なので、つい気持ちが揺れてしまいます。」
社長
「そこで、最近知り合ったファイナンシャルプランナーの本間さんに同席してもらいました。
専門的な視点からもアドバイスをいただきましょう。」
FP
「よろしくお願いします。退職金は人生で一度きりの大きなお金。
しっかり考えて使い道を決めることが大切です。」
生活費を数字で把握
社長
「退職後は年金が収入の柱ですよね。でも手取りは意外に少ないと聞きました。」
FP
「その通りです。夫婦で月23万円の年金があっても、健康保険・介護保険・税金を差し引くと、実際の手取りは20万円程度。
一方で生活費は20万円以上かかるご家庭が多いので、赤字になる月が出てきます。
退職金から“生活費の補填”用に取り分けておくことが安心につながります。」
佐藤さん
「なるほど…。まずは日々の暮らしを支えることが大事なんですね。」
住宅ローンと住まいの維持
佐藤さん
「ローンがまだ少し残っていて、どうすべきか迷ってます。」
FP
「金利が高ければ繰上返済で利息を減らすのが効果的です。
ただ、低金利で団信が付いているなら、手元資金を残しておいた方が安心な場合もあります。
また、家のリフォームも想定してください。
お風呂や台所、屋根・外壁の修繕は数百万円単位になることもあります。“住まいの維持費”を退職金から確保しておくと安心です。」
社長
「家は一生の財産だからね。ここを見落とすと後で大変だ。」
将来の介護
社長
「もう一つ、介護のことも気になりますね。」
FP
「大切な視点です。
介護保険はあっても、実際には月数万〜十数万円の自己負担が必要になることがあります。
『介護予備費』を退職金から別枠で準備しておくと、いざという時に家計を崩さずに済みます。」
佐藤さん
「正直そこまで考えていませんでした。備えておくと安心ですね。」
資産運用は“減らさない”を優先
佐藤さん
「資産運用も気になりますが、暗号資産やFXみたいなものはどうなんでしょう?」
FP
「退職金は一度減らしたら取り返せないお金です。
ですから“増やす”より“減らさない”を最優先にしましょう。
投資信託や債券で分散するのは良い選択です。
暗号資産やFXは値動きが激しく、生活資金には不向きです。
やるにしても資産全体の5%以内、“余裕資金の範囲”でとどめてください。」
社長
「そうだな、僕らの世代には刺激が強すぎる投資かもしれませんね。」
ギャンブルは年金の範囲で
社長
「佐藤さん、パチンコや競馬は趣味ですよね?」
佐藤さん
「ええ、楽しみの一つです。」
FP
「趣味として楽しむのは悪いことではありません。
ただし退職金にだけは絶対に手を付けないでください。
遊ぶなら“年金収入の範囲で”というルールを徹底しましょう。」
社長
「それなら気兼ねなく楽しめるね。」
高級車の誘惑
佐藤さん
「実は、一度は高級車に乗ってみたいと思ってまして。」
FP
「夢を叶えることも大事です。
ただ、車は買って終わりではなく維持費がかかります。
退職後の収入で無理なく維持できるかを冷静に考えてください。
もし購入するなら、“生活資金を確保したうえで余裕資金から”が原則です。」
社長
「ご褒美に買うのも良いですが、家計を圧迫しないことが条件ですね。」
家族との共有
社長
「退職金の使い道は奥さんと必ず話し合ってください。
お子さんが独立していても、結婚や住宅購入で援助を頼まれるかもしれませんからね。」
FP
「夫婦で“どこまで応じるか”を先に決めておけば、安心して対応できます。」
まとめ
社長
「今日の話をまとめると、
- 生活費の不足分を補う資金を確保
- 住宅ローン・リフォーム・介護への備え
- 運用は“減らさない”を優先
- 趣味や夢(旅行や車)は余裕資金から
- 高リスク投資はごく一部に限定
※ギャンブルは退職金厳禁、年金の範囲で楽しむ
こうした考え方を押さえておけば、退職後も安心して暮らせますよ。」
佐藤さん
「なるほど…。専門家の話も交えて聞けて、とても参考になりました。これからの生活に役立てたいと思います。」
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