こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門としております行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
「今年の役員報酬はいくらにするか?」
中小企業の社長にとって、毎年の大きな決断です。
報酬を多く取れば生活資金や資産形成は充実しますが、会社に残る利益は減ります。
逆に報酬を抑えれば会社の財務体質は改善しますが、社長個人の自由度は下がります。
つまり、役員報酬の決定は「会社と個人のどちらに利益を残すか」というバランスの問題です。
今回は、基本ルールから税金・社会保険料の違い、そして最適な決定方法を「3ステップ」で整理します。
役員報酬の基本ルール
まず押さえておきたい税務上のルールです。
- 決定時期:新事業年度から3か月以内
- 変更不可:原則、年度途中で増額はできない
- 自由度:オーナー社長は株主でもあるため自由に設定可能
自由だからこそ「なんとなく」で決めてしまうと、税金や資金繰りに大きな影響を及ぼします。
税金・社会保険料の違いを知る
個人で取る場合(役員報酬)
- 所得税:5~45%(累進課税)
- 住民税:一律10%
- 社会保険料:約30%(会社と個人折半)
例:役員報酬1,000万円 → 税金約276万円+社会保険料で負担増。
会社に残す場合(利益)
- 法人税:約30%(中小は800万円以下軽減あり)
- 社会保険料なし
例:会社利益1,000万円 → 法人税約300万円。
→個人は累進課税で税率が急上昇するのに対し、法人は一定税率。
高額になるほど法人に残した方が有利に見えますが、「残しすぎ」は二度課税の原因になるため注意が必要です。
個人 vs 法人のメリット・デメリット
ここで整理しておきたいのは、「役員報酬で取る」か「法人に残す」か、それぞれの長所と短所です。
どちらが正しいということではなく、バランスをどう取るかが重要です。
| 項目 | 個人(役員報酬) | 法人(利益に残す) |
|---|---|---|
| 税金 | 所得税+住民税(累進) | 法人税 約30% |
| 社会保険料 | 約30% | なし |
| メリット | 個人資産になり自由度大 | 財務指標改善、銀行評価アップ |
| デメリット | 税・社保負担が大 | 個人では使えない |
最適な役員報酬を決める3ステップ
ステップ1:会社に必要な利益を算出
- 融資返済分
- 将来の投資(設備・人材・広告など)
- 特殊要因(債務超過解消など)
→ これが「必要利益」です。
ステップ2:将来利益を予測
- 成り行きP/L:現状の延長線上
- 目標達成P/L:売上・利益改善後
- 資金繰り計画:賞与・納税・季節変動を含めた最低キャッシュ確認
→ 「この額なら役員報酬を払っても大丈夫」という判断基準を得ます。
ステップ3:必要利益を残し、残りを役員報酬に
- 必要利益は会社に確実に残す
- 余剰分は積極的に役員報酬へ
その理由は次の3つです:
- 個人資産の自由度が高まる
- 将来の税負担を軽くできる
会社に残した利益を後から出すと、法人税→所得税と二度課税されます。最初から役員報酬で取れば、余計な税金を払わずに済みます。
- いざという時の備えになる
役員報酬を個人資産として確保しておけば、事業不振時に役員借入金として会社に戻せます。
つまり、必要以上に会社に利益を残さないことがポイントです。
会社に必要な利益は残しつつ、それ以上は社長個人が受け取り、将来の自由な資産形成や備えに充てるのが賢明です。
まとめ:会社を守りつつ、社長は積極的に報酬を取る
役員報酬は「生活費にいくら必要か」で決めるものではありません。
- 会社に残すべき利益を計算
- 将来利益を予測
- 残りを役員報酬に設定
この手順で考えることで、会社も個人も守れる形になります。
中小企業の経営は「会社=社長の人生」。
だからこそ、会社に必要な利益は残しつつ、必要以上には溜め込まず、社長が積極的に報酬を取って個人資産を形成することが、将来の安定経営につながります。
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