こんにちは。中小企業の財務コンサルを専門としております行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
中小企業の経営において、必ずといっていいほど出てくる悩みがあります。
それが「人の問題」です。資金繰りや売上と並んで、経営者の頭を最も悩ませるテーマと言えるでしょう。
「せっかく戦力になったと思った若手がすぐに辞めてしまう」
「募集をかけても人が集まらない」
「転職や独立で優秀な人材が抜けていく」
「残った社員も高齢化しており、技術継承が一刻の猶予もない」
こうした声はよく聞かれます。
今回は、この「人材が定着しない」という問題を深掘りし、解決へのヒントを考えてみたいと思います。
なぜ若手が定着しないのか?
まず直視しなければならないのは、今の若い世代は「一つの会社で長く働く」ことを必ずしも良しとしない価値観を持っている、ということです。
彼らにとっての優先順位は、「やりがい」「成長実感」「働きやすさ」が中心。
給与や安定ももちろん大切ですが、ブラックボックスのような組織文化や閉塞感には耐えられません。
そのため、
「声をかけても相談しづらい雰囲気」
「仕事を見て覚えろという旧来の指導スタイル」
が残っている職場は、あっという間に見切りをつけられてしまいます。
一方で、同業他社や異業種へ転職しやすい時代背景もあります。
インターネット上には転職サイトやエージェントが溢れ、昔に比べて情報格差がなくなったのです。
採用が難しいのは「会社の魅力が伝わらない」から
「募集をかけても応募が来ない」という悩みはよく聞きます。
しかし、これは単に労働人口減少のせいだけではありません。
求人票に「未経験歓迎」「アットホームな職場です」と書いているだけでは、応募者には何の魅力も伝わりません。
今の若者は「そこで何を学べるのか」「どんなキャリアが描けるのか」を重視しています。
例えば、燕三条地域の金物産業であれば、
「世界に誇る技術を次世代に継承できる」
「海外展開に携われる可能性がある」
といった、仕事の社会的意義を前面に出すべきなのです。
技術継承が進まない本当の理由
高齢の社員に依存しすぎる現場では、技能が属人的に偏りがちです。
マニュアルや動画で形式知化する取り組みを後回しにしたままでは、技術は確実に失われてしまいます。
「今は忙しいから、あとでやろう」と先送りしているうちに、気づけば引退間近。
これは多くの中小企業に共通する危険信号です。
技術継承の本質は、「人を育てる仕組みを作る」こと。
人材が辞めても技術が残る仕組みを整えることで、企業の存続可能性は大きく高まります。
定着率を高める3つの工夫
ではどうすれば人材の定着率を上げられるのでしょうか。具体策を3つご紹介します。
1. キャリアの見える化
「この会社で5年後に自分はどうなれるか?」を示すキャリアパスを提示します。
技術者としての専門性を高める道、リーダーとして人をまとめる道など、多様な未来像を描かせることが重要です。
2.教育の仕組み化
OJT任せにせず、動画マニュアル・チェックリスト・社内勉強会などを取り入れ、学びの機会を整えます。
特にデジタル世代は「体系的に学べるかどうか」で職場の評価が変わります。
3.評価と承認
給与額だけでなく、努力や工夫を認めるフィードバックを増やすこと。
人は「自分が見られている」と感じると、やりがいが大きく変わります。
外部人材の活用も視野に
どうしても人が集まらない場合は、外部人材の活用も検討の余地があります。
例えば、短時間勤務の主婦やシニア人材、さらには外国人材も選択肢となります。
ただし、ここで注意すべきは「安く使える人材」と誤解しないこと。
彼らの強みをどう活かすか、相互にとってプラスになる仕組みを整えなければ、結局は定着につながりません。
人材問題は「財務問題」にも直結する
人が定着しないことは、直接的に財務にも影響します。
- 採用コストがかさむ
- 教育投資が無駄になる
- 技術流出で競争力が落ちる
- 残業代や外注費が膨らむ
これらはすべて資金繰りを圧迫し、銀行評価にも悪影響を及ぼします。
つまり「人の問題」と「お金の問題」は切っても切り離せないのです。
まとめ|人を育てる会社こそ生き残る
人材の定着は、一朝一夕には実現できません。
しかし「育つ仕組み」「残る仕組み」を作ることができれば、会社の魅力は確実に高まります。
そしてそれは、単に人事の課題にとどまらず、財務の安定にも直結するのです。
「人が辞めるのは仕方ない」と諦める前に、自社で何ができるのかを考えてみてください。
社長の一歩が、会社の未来を大きく変えていきます。
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