「黒字なのに融資が通らない」その理由は決算書の見られ方にあります。
銀行が注目する4つの視点を解説し、資金調達を有利に進めるコツを紹介します。
こんにちは。中小企業の財務支援を専門としている本間です。
銀行に融資を申し込むとき、必ず求められるのが「決算書一式」。
しかし「税理士任せで中身を見ていない」「銀行がどこを評価しているのか分からない」という経営者は少なくありません。
本記事では、銀行に提出すべき決算書の全体像と、融資審査で特に重視される4つのチェック項目 を分かりやすく解説します。
銀行に提出する決算書一式
銀行が融資審査の際に求める「決算書一式」は、会社の財務状況を多面的に把握するために以下の書類を含みます。
- 決算報告書:
貸借対照表・損益計算書・製造原価報告書・株主資本等変動計算書・注記表など。
財務状況や利益構造、前期比較による業績推移を示す。
- 法人税申告書一式:
別表一~十六。税務上の数値と決算数値の整合性を確認し、信頼性を裏付ける。
- 税務署の収受印/受信通知:
法人税の申告済みを証明する書類。未申告は大きなマイナス評価。
- 勘定科目内訳明細書:
預金・売掛金・借入金・役員給与などの詳細。
資金繰りの安定性や貸倒リスクを把握する材料。
- 固定資産台帳:
設備の新旧や減価償却の明細。
設備更新の必要性や追加投資の余地を判断する根拠。
- 法人事業概況説明書:
業種・従業員数・主要取引先・事業概要を記載。
業務の実態把握や業界動向との比較に用いられる。
これらは「形式的に提出すべき書類」であると同時に、銀行が4つの評価軸で会社を分析する材料でもあります。
銀行が決算書で見る4つのチェック項目
(1)安全性:財務基盤の安定度
銀行がまず確認するのは「貸したお金を安全に回収できるか」。
自己資本比率・流動比率・借入依存度といった指標を用いて、会社の安定性を見ています。
- 自己資本比率が低い(=債務超過に近い)
- 短期借入に依存し資金繰りが不安定
- 役員貸付金が多く、会社資金が社長個人に流れている
こうした点はマイナス評価となります。
逆に、利益を内部留保し、借入に頼らず資金を蓄えている会社は「安定感がある」と見られます。
(2)収益性:利益を生み出す力
単なる黒字か赤字かではなく、本業でしっかり稼げているか が審査の焦点。
営業利益や経常利益の持続性が問われます。
- 売上は伸びているのに、販管費が膨らんで利益が減少していないか
- 減価償却を適切に計上しているか
- 特別利益で一時的に黒字にしていないか
利益の質をどう確保しているかが、融資の可否を大きく左右します。
(3)成長性:将来の伸びしろ
過去の実績だけでなく、今後の事業計画や投資戦略から「伸びていける会社かどうか」を見極めています。
- 過去3期の売上推移に伸びがあるか
- 営業利益率が改善しているか
- 新規事業や設備投資の計画が具体的に示されているか
銀行は「この会社は5年後、10年後にどれだけ規模を拡大できるか」を重要視しています。
補助金を活用した投資や、新規市場への進出などがプラス材料になります。
(4)返済能力:キャッシュで返済できる力
最終的に重要なのは「現金での返済余力」。
営業キャッシュフローと借入返済額のバランスを厳しく確認します。
例:
- 営業キャッシュフローが年1,000万円
- 借入返済額が年1,200万円
この場合、返済額がキャッシュフローを上回っており、資金ショートの危険信号となります。
売掛金回収の遅れや在庫過多も、キャッシュ不足の要因として厳しく見られます。
銀行との関係を良くする実務ポイント
決算書は「過去の数字」ですが、それをどう説明するかで評価は変わります。
社長が押さえておくべき実務ポイントは次の3つです。
- 粉飾はしない:一時的に数字を良く見せても必ず見抜かれます。
- 内訳を整理する:役員貸付金や仮払金はマイナス評価。できる限り解消を。
- 将来を語る:数字だけでなく、今後の成長シナリオを経営者の言葉で説明する。
銀行は「数字」と同じくらい「経営者の姿勢」を見ています。
誠実かつ前向きに語れる社長は、格段に信頼を得やすいのです。
まとめ:決算書は“過去と未来を語るツール”
銀行に提出する決算書は、単なる税務上の義務ではなく、会社の健康状態と将来性を示す「経営の通信簿」です。
銀行が注目する4つの必須ポイントは以下の通りです。
- 安全性(財務基盤の安定)
- 収益性(稼ぐ力)
- 成長性(将来の伸びしろ)
- 返済能力(キャッシュで返済できる力)
この4点を意識すれば、銀行からの信頼性が高まり、資金調達を有利に進められます。
「決算書を銀行に出すのが不安」「数字の説明がうまくできない」という方は、専門家と一緒に分析してみてください。
数字を“味方”にできれば、資金繰りの悩みは大きく減っていきます。
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