銀行は融資を判断する際、担当者が「稟議書」という社内文書を作成します。
そこには決算書だけでなく、経営者の評価や取引履歴までもが書かれています。
本記事では稟議書の中身を解説し、融資を有利に進めるポイントを紹介します。
こんにちは。中小企業の財務コンサルタントを専門としております、行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
多くの経営者の方が持つ疑問。
「銀行は、うちのことを社内でどうやって審査しているの?」
「融資を申し込んだら、銀行の中では何が起きているの?」
答えはシンプルで、担当者が作る「稟議書(りんぎしょ)」にすべてが集約されています。
今回はその舞台裏を解説します。
稟議書とは何か?
稟議書とは、銀行の担当者が作成する「融資申請の社内報告書」です。
担当者の判断だけで融資は決まりません。必ず上司や審査部門の決裁を経て承認されます。
その際の材料が、この稟議書です。
つまり、稟議書に「いかにプラス材料が整理されているか」が、融資の可否を左右するのです。
稟議書に必ず書かれる項目
銀行によって様式は違いますが、稟議書にはおおむね以下の内容が含まれます。
- 申込内容:希望金額・資金使途(運転資金、設備資金など)
- 財務状況:決算書分析(安全性・収益性・返済能力)
- 担保・保証:不動産担保、保証協会保証、経営者保証の有無
- 返済計画:キャッシュフローと借入返済のバランス
- 取引履歴:これまでの融資・返済実績、入出金の安定度
- 経営者評価:経営方針の一貫性、人柄、業界での評判
ここで注目したいのは「経営者評価」。
数字だけでなく、社長が銀行にどう説明したか、誠実さや業界内での評判といった“定性的な要素”までもが文章化されます。
担当者が工夫するポイント
銀行員も「お金を貸したい」と思っています。
だからこそ稟議書は、単なる事実の羅列ではなく「この会社なら返済できる」と説得力を持たせる文章に仕上げられます。
例えば、
- 決算上は赤字でも「新製品が好調で翌期は黒字見込み」と補足する
- 短期借入が多くても「売掛金回収のタイミングで返済可能」と説明する
- 経営者の業界経験を「安定経営の要因」と強調する
こうした記載があると、審査部も前向きに判断しやすくなります。
稟議書の実例イメージ
実際の稟議書は社外秘ですが、イメージするとこんな構成です。
申込金額:3,000万円(運転資金)
財務状況:売上前年比5%増、経常利益率2% → 改善傾向
キャッシュフロー:営業CFは黒字、返済余力あり
担保:工場土地建物(評価1億円)、保証協会保証付き
取引履歴:過去10年間延滞なし、メイン取引は当行
経営者評価:説明が明確、今後の成長戦略に一貫性あり
このように、数字と定性評価がセットで書かれます。
経営者が意識すべきこと
稟議書の中身を意識することで、社長が準備できることは増えます。
- 数字と説明を一致させる
決算書や試算表に基づいた説明を用意する。矛盾は即マイナスです。 - 計画性を示す
資金繰り表や事業計画をあらかじめ作成すれば、担当者が稟議書に書きやすくなります。 - 信頼される態度
約束を守る、迅速に資料を提出する、報告を怠らない。こうした日常の行動が稟議書に反映されます。 - 担当者に武器を渡す
業界レポート、補助金の採択通知、将来の受注計画など、前向きな材料を積極的に提供する。
担当者も人間です。
「書きやすい社長」になることが、融資成功の近道です。
まとめ|稟議書を意識した経営を
銀行の稟議書には、決算数字だけでなく、取引履歴や経営者の評価までが細かく書かれています。
だからこそ、社長が日頃から 「数字の整合性」「計画性」「信頼関係」 を意識しておくことが重要です。
稟議書は経営者には見えない書類ですが、その裏側を知ることで、銀行との関係はぐっとスムーズになります。
融資は単なる資金調達ではなく、銀行とのパートナーシップを築くチャンスです。
稟議書の存在を意識し、銀行が安心して貸したくなる会社づくりを目指しましょう。
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