~企業の健全性をチェックする視点~
黒字倒産を防ぐカギはバランスシートにあり。
債務超過や流動比率悪化など六つの危険サインから企業の健全性をチェック。
はじめに
こんにちは。中小企業の財務コンサルタントを専門とする行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
「決算書は税務申告のために作るもの」と思っていませんか。
しかし、企業の本当の健康状態を示すのは「貸借対照表(バランスシート)」です。
利益が出ていても資金繰りに行き詰まり、黒字倒産に陥る企業は少なくありません。
その多くは、貸借対照表に表れる危険な兆候を見逃していたことが原因です。
本記事では、企業の健全性を判断するために押さえておきたい6つの危険サインを整理し、それぞれが財務に与える影響と必要な対策を解説します。
1. 債務超過(純資産のマイナス)
最も深刻な危険信号が「債務超過」です。資産より負債が多く、純資産がマイナスの状態を指します。
債務超過になると金融機関からの信用は一気に低下し、新規融資や借換えが難しくなります。
実質的には「持っているものより借金の方が多い」状態であり、経営の自由度が大きく制限されます。
解決には、利益を積み上げて純資産を回復させることが基本ですが、増資や資本性ローンなどによる資本増強も有効な手段です。
2. 現金・預金の過少
貸借対照表における現金・預金残高が少ないのも危険な兆候です。
「黒字倒産」という言葉が示すとおり、利益が出ていてもキャッシュが不足すれば支払い不能に陥ります。
一般的に、月商の2〜3か月分の現預金を確保することが安心の目安です。
突発的な入金遅延や急な支出にも対応できる余力がなければ、資金繰りリスクは常に背後に潜んでいます。
手元資金が不足している場合は、短期継続融資などを活用し、早めにキャッシュを厚くしておくことが大切です。
3. 売掛金・在庫の異常な増加
売掛金や在庫が膨張しているのも見逃せないサインです。
売掛金の増加は一見すると売上の好調を意味しますが、回収が遅れていれば資金繰りを圧迫します。
不良債権化すれば損失として計上され、経営に打撃を与えます。
在庫についても同様です。
「在庫=資産」と考えがちですが、滞留在庫は資金を眠らせるだけでなく、保管コストや陳腐化リスクも伴います。
定期的な棚卸しを行い、不良在庫は処分する勇気が必要です。
4. 流動比率の悪化
流動比率は「流動資産 ÷ 流動負債 ×100」で算出され、短期の支払能力を測る重要な指標です。
100%を下回ると「1年以内に返済すべき負債を資産でまかなえない」状態を意味し、資金繰りの悪化が懸念されます。
改善のためには、短期借入金を長期借入金に借り換える、在庫や売掛金を適正水準に戻すなどの対応が有効です。
単なる数値目標ではなく、実際に支払能力を高める施策が求められます。
5. 借入金月商倍率の高さ
借入金が月商に対して過大な場合も注意が必要です。
「借入金月商倍率」とは、借入金残高を月商で割ったもの。
一般的に5倍を超えると、金融機関から返済能力に疑問を持たれる水準とされます。
もちろん業種や事業の性質によって許容範囲は異なりますが、返済原資はあくまでキャッシュフローです。
借入に過度に依存している場合は、返済スケジュールや資金の使途を再点検する必要があります。
6. 月次での財務状況チェック不足
最後の兆候は「管理体制」の問題です。
決算書が年に一度しか作られず、月次での財務確認を行っていない企業では、危険信号を見逃しやすくなります。
気づいたときにはすでに資金繰りが限界というケースも少なくありません。
月次試算表をベースに貸借対照表を確認すれば、売掛金や在庫の増減、資金繰りの変化を早期に察知できます。
会計事務所や財務コンサルタントと協力し、数字に基づいた経営判断を習慣化することが重要です。
まとめ
貸借対照表は、単なる会計上の帳票ではなく、会社の健全性を示す「健康診断書」です。
- 債務超過
- 現金・預金の過少
- 売掛金や在庫の異常な増加
- 流動比率の悪化
- 借入金月商倍率の高さ
- 月次チェック不足
これら6つの兆候は、いずれも資金繰り悪化や黒字倒産につながる危険サインです。
経営者がこれらの視点を理解し、早めに専門家と連携して手を打つことで、企業の持続的成長と安定した資金繰りを実現できます。
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