建設工事会社は小口工事の積み重ねで資金繰りが乱れがち。
案件別入金予定表や月繰り資金繰り表を整えることで資金ショートを防ぎ、銀行融資を有利に進める実践的な方法を解説します。
はじめに
こんにちは。行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
建設工事会社においてよく聞かれるのが「売上はあるのに資金が足りない」「小口工事が多くて入金管理が煩雑」という悩みです。
建設業は大型工事と並行して、小さな修繕・補修・改修といった小口工事が日常的に発生します。
これらを軽視していると、資金の流れが正しく掴めず、資金ショートや銀行交渉の不利に繋がりかねません。
今回は、建設工事会社が資金繰りを安定させるための二つの仕組み
案件別入金予定表 → 月繰り資金繰り表
の活用法について整理します。
1. 建設工事会社の資金繰りの特徴
建設業は請負契約が基本で、工事完了後に請求・入金というケースが多いため、支払いと入金のタイミングにズレが生じやすい業種です。
特に課題となるのが次の2点です。
- 小口工事の多さ
一件あたり数十万〜数百万の工事が多数並行し、合計すると大きな資金インパクトになる。
- 入金サイクルの遅さ
工事完成から入金まで数か月かかることも多く、その間に外注費や材料費の支払いが先行する。
この二つが重なると、「黒字なのに資金繰りが苦しい」状態に陥りやすいのです。
2. 案件別入金予定表を作る
まず最初のステップは、案件ごとの入金予定を見える化することです。
大型案件に比べて軽視しがちな小口工事も含めて一覧化しておくと、近い将来の資金流れが明確になります。
入金予定管理テンプレート(建設工事会社向け)
| 工事件名 | 完工日 | 請求日 | 入金予定日 | 金額(円) |
|---|---|---|---|---|
| A邸 屋根改修工事 | 4/10 | 4/15 | 5/31 | 1,200,000 |
| B社 倉庫改修 | 4/20 | 4/25 | 6/10 | 800,000 |
| Cマンション外壁補修 | 4/28 | 5/01 | 5/31 | 300,000 |
この表を作るだけでも、「今月末にいくら入金があるか」「来月の支払いに足りるか」が一目でわかり、資金ショートを未然に防ぐことができます。
3. 月繰り資金繰り表を加える
案件別の予定表をさらに整理して、月単位の資金残高推移を把握することが次のステップです。
月繰り資金繰り表(簡易例)
| 月 | 期首残高(円) | 入金予定(円) | 支払予定(円) | 期末残高(円) |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | 3,000,000 | 1,200,000 | 2,500,000 | 1,700,000 |
| 5月 | 1,700,000 | 1,500,000 | 1,800,000 | 1,400,000 |
| 6月 | 1,400,000 | 2,000,000 | 1,700,000 | 1,700,000 |
| 7月 | 1,700,000 | 2,200,000 | 2,000,000 | 1,900,000 |
これにより、
- 資金が不足しそうな月を事前に把握できる
- 余裕が出る月を投資や借入返済に活かせる
- 銀行への説明資料としてそのまま利用できる
といった効果があります。
当事務所では、すぐに活用できる 月繰り資金繰り表(Excel版)を無料で配布しています。
まずは月単位で資金の流れを見える化するだけでも、銀行交渉や社内管理は格段に楽になります。
また、建設工事会社のように資金の出入りが複雑で、支払いと入金のタイミングが大きくズレやすい業種では、さらに精度を高めるために 日繰り資金繰り表 の導入もお勧めしています。
日単位で資金残高を追うことで、「月末は黒字なのに月中にショート」というリスクを未然に防げるからです。
4. 銀行融資に有利になる理由
銀行は、決算書だけでなく「普段の資金管理がどの程度できているか」を非常に重視します。
- 案件別入金予定表 → 売掛金の内容と回収可能性を説明できる
- 月繰り資金繰り表 → 資金の山谷を把握していることを示せる
- 日繰り資金繰り表(推奨) → 実際に返済可能性を数字で裏付けできる
この三段階を整えている会社は、「管理能力が高く安心して貸せる」と銀行に評価されやすく、結果的に融資条件も有利になります。
例えば、銀行担当者に資金繰り表を提示したとき、「この月は支払いが集中するため、この時期に追加融資をお願いしたい」と具体的に説明できれば、銀行側も判断しやすくなります。
逆に資料がなく「お金が足りそうなんです」と口頭で伝えるだけでは、融資の判断材料として弱くなってしまいます。
まとめ
建設工事会社は、大型工事だけでなく小口工事の積み重ねが資金繰りを左右します。
案件別入金予定表で細かい工事を可視化し、月繰り資金繰り表で全体の山谷を把握することが第一歩。
さらに業種特性を考えると、日繰り資金繰り表を導入することで、資金繰りの精度と銀行交渉の説得力は格段に向上します。
当事務所では、すぐに使える月繰り資金繰り表(Excel版)を無料で配布しています。
まずは月単位で資金の流れを掴み、必要に応じて日繰り資金繰り表を併用してみてください。
資金繰り表無料ダウンロード
WEB特典無料ダウンロードとして、「資金繰り表フォーマット」をダウンロードいただけます。
1分ほどで簡単にゲットできますので、お気軽にどうぞ!
ご相談はこちらから
最後までお読みいただきありがとうございました。
当事務所が、社長の悩みに対する壁打ち相手になって、貴社の発展を全力でサポートいたします。
相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。