「新しい機械を導入したいけれど、借金は増やしたくない」
「銀行融資以外で設備資金を調達できないだろうか」
こう考える中小企業の経営者は少なくありません。
そんなとき検討候補に上がるのが 「リースによる資金調達」 です。
しかし、「リースと資金調達ってどう違うの?」「結局どっちが得なの?」という疑問も多いはず。
この記事では、リースの仕組みと、融資(資金調達)との違い・使い分け方をわかりやすく解説します。
リースとは? ― 借りることで設備を使う「資金調達の一形態」
リースとは、リース会社が代わりに設備を購入し、企業がその設備を一定期間「借りて使う」仕組みです。
例えば、1,000万円の機械をリース会社が購入し、企業は5年間、毎月定額(リース料)を支払って使用します。
つまり、所有権はリース会社にあり、使用権だけを企業が持つという形。
実質的には「資金調達」と同じ効果を持ちますが、借入金ではなく“利用契約”である点が大きな違いです。
リースと銀行融資の違いを整理しよう
| 比較項目 | リース | 銀行融資(借入) |
|---|---|---|
| 資金の流れ | リース会社が設備を購入し、借主が利用料を払う | 借入金を受け取り、自社で設備を購入 |
| 所有権 | リース会社 | 自社 |
| 会計処理 | 原則リース料を経費処理(中小企業はオフバランス可) | 固定資産計上・減価償却 |
| 初期費用 | ほぼ不要 | 頭金・諸費用あり |
| 審査 | 比較的スピーディー | 時間がかかる |
| 中途解約 | 原則不可 | 任意返済可能 |
| 節税効果 | リース料を全額経費処理できる | 減価償却費+利息のみが経費 |
要するに、
リース=所有せず使う、融資=お金を借りて買う。
どちらも「設備を導入するための資金調達」ですが、資金の流れと会計処理の考え方が根本的に異なります。
リースのメリット ― 借入を増やさずにキャッシュフローを守る
リースの最大の魅力は、手元資金を温存できることです。
購入時に大きな現金支出が発生せず、月々の支払いで済むため、資金繰りが安定します。
主なメリット:
- 初期費用ゼロで最新設備を導入できる
→ 製造業や美容業など、設備更新が頻繁な業種に最適。
- リース料は全額経費処理できる(中小企業では特に有利)
→ 税務上の損金算入で節税効果。
- 審査が早く、融資枠を使わない
→ 銀行融資枠を別の運転資金に回せる。
- メンテナンス込み契約で保守コストが明確
一方で、リース料には金利・手数料が含まれるため、総支払額は購入より高くなる点には注意が必要です。
リースのデメリット ― 契約期間中の柔軟性が低い
リース契約は原則として途中解約ができません。
事業の縮小や設備の不要化が起きても、契約満了までは支払い義務が続きます。
また、所有権がないため、
- 担保として利用できない
- カスタマイズ・転売ができない
といった制約もあります。
つまり、「柔軟性よりも資金繰りの安定を優先する」企業に向いている方法です。
銀行融資との使い分け方 ― 判断基準は「資金繰りの余力」
どちらを選ぶべきかは、資金繰りの余力と設備の性質で判断します。
| 判断基準 | おすすめ手法 |
|---|---|
| 手元資金に余裕があり、長期利用する設備 | 銀行融資(購入) |
| 初期費用を抑えたい、更新頻度が高い | リース |
| 融資枠を温存したい | リース |
| 所有資産として残したい | 銀行融資 |
設備を「使う」ことが目的ならリース
「所有する」ことに価値があるなら融資を選ぶ
という考え方がわかりやすいでしょう。
銀行評価・会計上の注意点
中小企業では、会計上リース料を「経費」として処理できます(オフバランス処理)。
ただし、金融機関はリース契約を「実質的な債務」として見る傾向があり、
「リース残高一覧」を提出するときには「実質返済負担」として説明することが望ましいです。
また、リース契約の際は必ず以下を確認しましょう:
- 契約期間と残価設定
- 中途解約時の違約金
- メンテナンス・保険料の有無
リースを上手に使えば「無借金でも成長できる」
リースは「借入を増やさずに成長したい企業」にとって強力な味方です。
とくに、
- 最新機器を導入して生産性を上げたい
- IT機器・POSレジ・車両などを定期的に更新したい
といった場合には、融資よりもスピーディーかつ柔軟に導入できます。
ただし、「どの方式が最も資金繰りに有利か」は企業ごとに異なります。
リース・融資・補助金を組み合わせて最適化するのが本来の財務戦略です。
まとめ
| 観点 | リース | 銀行融資 |
|---|---|---|
| 所有権 | リース会社 | 自社 |
| 資金流出 | 月々の定額支払い | 一括支出 |
| 経費処理 | 全額経費(中小企業) | 減価償却 |
| 柔軟性 | 中途解約不可 | 任意返済可 |
| 節税 | ◎ | △ |
| 融資枠への影響 | なし | あり |
リースは「借りる」ではなく、「借りずに使う」新しい資金調達。
銀行融資だけに頼らず、キャッシュを守りながら成長する経営を目指しましょう。
設備投資・リース契約の前に、財務の専門家に相談を
リースと融資、どちらが自社に有利かは「資金繰り」と「税務」の両面で判断する必要があります。
当事務所では、中小企業の資金調達・キャッシュフロー改善を専門にサポートしています。
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一緒に「未来のお金の流れ」を整えていきましょう。