こんにちは。行政書士・1級FP技能士・銀行融資診断士®の本間です。
中小企業の現場では、思わず感情的になりそうな瞬間が多々あります。
納期を守らない取引先、急に辞める社員、約束を破る顧客…。
そんなときに頭をよぎるのが、「もう付き合わない」「次からは断る」といった衝動的な判断です。
しかし、ことわざにあるように――「短気は損気」。
経営では“感情の一瞬”が、長期的な損失を生むことがあります。
「腹が立ったから取引停止」が命取りになる
ある経営者が、支払いを繰り返し遅らせる取引先に腹を立て、翌月から取引を打ち切りました。
ところが後になって、その取引先が実は自社を別の企業に紹介してくれるはずだったことが分かります。
怒りに任せて関係を断った結果、気づかぬうちに“新しい販路につながる話”まで消えていた のです。
経営判断の目的は「気持ちを晴らすこと」ではなく、「会社を良くすること」です。
一時の怒りで関係を絶つと、冷静さを取り戻した後に「やりすぎた」と後悔するケースが多いものです。
「短気は損気」とは、まさに“感情を優先した結果、冷静な利益判断を失う”ことを戒めた言葉。
経営では、この戒めがそのままリスクマネジメントの基本になります。
経営判断は「データと冷静さ」で支える
感情が高ぶっているとき、人は“印象”や“思い込み”で判断しがちです。
たとえば、
- 「最近売上が落ちたから、広告が無駄」と思って止める
- 「社員が反対したから、新事業はやめよう」と決める
こうした決断の多くは、数字や事実の裏付けがありません。
経営判断は、感情よりもデータとロジックに基づくべきです。
売上の減少は一時的な季節要因かもしれません。
反対意見も、慎重な検証を促す建設的なサインかもしれません。
冷静に情報を整理すれば、「本当にやるべきこと」が見えてきます。
リーダーの感情が、組織全体の空気を決める
社長が短気だと、社員は常に顔色をうかがうようになります。
「また怒られるかもしれない」「どうせ言っても無駄」と思われた瞬間、報告・相談が止まる。
結果、トラブルの早期発見が遅れ、ミスが拡大する――これもよくあるパターンです。
経営とは、組織のエネルギーをどう循環させるか。
社長が冷静でいれば、社員は安心して意見を出せる。
逆に感情で動くと、会社全体が「不安定モード」に入ります。
怒りを抑えることは弱さではありません。
むしろ、感情をコントロールできるリーダーほど強いのです。
感情は「判断材料」に留める
怒りや焦りも、実は経営のヒントになります。
「なぜ腹が立つのか?」を分析すれば、課題の本質が見えてくることがあります。
たとえば、
- 社員のミスに怒る → 教育体制が不十分
- 納期遅れに腹が立つ → 業務フローに無理がある
- 営業成績に焦る → 目標設定が現実的でない
感情を“判断のきっかけ”として活かし、そこから一歩引いて仕組みで解決する。
それが、冷静な経営の基本姿勢です。
冷静さは最大の武器
経営者の仕事は「冷静に判断すること」。
市場が変化しても、人が去っても、金融機関が厳しくなっても、最後に頼れるのは自分の判断力です。
怒りや焦りに飲まれず、数字と事実で現状を見つめる。
それができる社長こそ、どんな荒波の中でも会社を守れるリーダーです。
「短気は損気」。
この言葉を、単なる戒めではなく、経営の原則として心に留めておきましょう。
冷静な一呼吸が、未来の利益を守ります。
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