はじめに:すべての経営者が恐れる「その日」は突然やってくる
「売上は出ているのに、手元の現金がなぜか増えない…」
「利益はあるはずなのに、支払いが近づくたび不安になる…」
こうした“漠然とした資金繰りへの不安”を抱える中小企業は少なくありません。
忙しい日常の中で気づけないだけで、資金ショートは静かに進行します。
実は、会社の資金が尽きる「その日」には、必ず前兆があります。
そのサインに早く気づけるかどうかが、会社の生死を分けます。
本記事では、財務の専門家が“誰でも今日から確認できる” 3つの危険サインをわかりやすく解説します。
手遅れになる前に、あなたの会社を守るチェックをしてみてください。
1.貸借対照表に隠れた警告
流動負債 > 流動資産は“赤信号”
最初のサインは、決算書の中でも特に重要な「貸借対照表(BS)」に現れます。
とはいえ、見るべきポイントはたった2つだけ。
✔ 流動資産
1年以内に現金化できる資産(現金・預金・売掛金・在庫など)
✔ 流動負債
1年以内に支払う必要がある負債(買掛金・短期借入金など)
なぜ危険なのか?
「1年以内に出ていくお金」>「1年以内に入ってくるお金」
これは、短期の支払いに耐えられない“危険な状態”を意味します。
さらに、流動資産と流動負債がほぼ同額でも安心できません。
バッファーがゼロなので、売掛金の遅延や急な支払いが発生すると、一気に資金繰りが悪化します。
◆ 健全な目安
流動資産 ÷ 流動負債 = 2以上(流動比率200%)
今すぐできるチェック
決算書を開き、
「流動資産の合計」−「流動負債の合計」
を確認するだけで、資金繰りの“耐久力”がわかります。
もし「ほぼ同額」または「負債が上回っている」状態なら、早期に資金繰り改善や借換策の検討が必要です。
2. 銀行からの“無言の宣告”
追加融資の拒否=財務の専門家による危険評価
2つ目のサインは、銀行の融資対応に現れます。
銀行は、無数の企業の決算書を見てきた財務のプロ中のプロです。どんな企業が生き残り、どんな企業が倒れるかという膨大なデータを持っています。
その銀行が判断の軸にするのはただ一つ。
✔ 「貸したお金が返ってくる確率」
断られたとき、銀行が本当に言っていること
追加融資の否決・難色・減額は、実はこういう意味です。
「このままでは資金繰りが耐えられない可能性が高い」
はっきり「否決」されなくても、
- 相談の際に担当者の反応が曖昧
- 希望額より大幅に減額される
- 実質的に条件が厳しすぎる
こうした“濁した返答”も危険信号です。
◆ 特に深刻なのは?
比較的通りやすいはずの
- 信用保証協会付き融資
- 日本政策金融公庫
でさえ渋い反応が出る場合。
この状態は、財務の専門家から「改善が急務」と評価されたのとほぼ同義です。
3.超えてはいけない“6ヶ月の壁”
借入金が月商の半年分を超えている
3つ目のサインは、数字が苦手でもすぐ計算できます。
借入月商倍率の計算式
借入月商倍率 = 借入金総額 ÷ 平均月商
◆ 危険度の目安
- 3ヶ月以内:優良
- 3〜6ヶ月:平均的
- 6ヶ月超:危険ゾーン
“6ヶ月”というラインは、金融機関もよく使う重要な基準です。
なぜ6ヶ月を超えると危険なのか?
借入金が膨らむ背景は多くの場合、
- 投資の失敗
- 赤字補填のための借入
- 返済のための追加借入
といった「負のスパイラル」です。
この状態が続くと、資金が尽きるカウントダウンが始まります。
ただし例外あり
投資予定で現金をまだ使っていない場合は例外です。
例:5,000万円を借りて、5,000万円丸ごと預金のまま保有している場合
→ 見かけ上の指標は悪くても、実質的な危険性は小さい
借入金が事業で消えている場合こそ注意が必要です。
おわりに:未来を守るのは“今日のチェック”
今回お伝えした3つのサインは、どれも会社の危機を知らせる重要な警告です。
- 流動負債が流動資産を上回る
- 銀行が追加融資に難色を示す
- 借入金が月商の6ヶ月分を超える
1つでも該当するなら、危機は静かに進行しています。
あなたは「何とかなる」と見て見ぬふりをしていませんか?
未来を変える行動は、今日のチェックから始まります。
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資金繰り・銀行対応・財務改善など、状況に応じて具体的な改善策をご提案します。
「気づいたときには遅かった」を防ぐために、早めに専門家へご相談ください。