儲けを“使わない会社”は成長しない ~ 渋沢栄一に学ぶ、お金を動かす経営の本質
中小企業の社長にとって、資金は命そのものです。
だからこそ、「現金をなるべく減らしたくない」という感覚は自然です。
しかし、日本資本主義の父と言われる渋沢栄一は、こう断言します。
「真に理財に長じる人は、よく集むると同時によく散ずるようでなくてはならぬ」
多くの社長が見落としがちなのは、
この言葉が “お金を守るより、どう動かすかで会社の未来が決まる”
という核心をついていることです。
“お金を集める”だけでは企業は前に進まない
中小企業が抱える典型的な課題に、次のようなものがあります。
- 設備更新を先送りする
- 人件費の増加を恐れて採用を止める
- 新しい仕組みづくりに踏み切れない
- 現金を積み上げることが目的化する
これは、一見すると「堅実な経営」のように見えます。
しかし渋沢は、こうした“お金を動かさない経営”を危険視しました。
理由はシンプルです。
お金は、使わなければ価値を生まない。
動かない資金は、企業の未来をつくらない。
銀行の目線で見ても、
「現状維持を選び続ける会社」より
「価値創出のためにお金を動かせる会社」の方が、はるかに将来性があります。
渋沢のいう“よく散ずる”とは浪費ではない
“散ずる”と聞くと、「お金をばら撒く」イメージを持つ人もいますが、渋沢の意図は正反対です。
この言葉を一つの読み方として捉えるなら、
「将来の価値を生むところに、勇気を持って投じよ」
という意味に近いように感じられます。
つまり、ただ節約して現金を積むのではなく、未来の利益につながる分野に資金を回せるかどうか。
この判断こそ理財の本質であり、経営者の腕の見せどころだということです。
お金を“動かす会社”と“寝かせる会社”
■ お金を動かさない会社
- 改善が遅れる
- 人が育たない
- 商品・サービスが古くなる
- 経営の勢いが失われる
■ お金を動かす会社
- 生産性が上がる
- 新しい収益源が育つ
- 人材が強くなる
- 金融機関や地域から信頼が集まる
渋沢の時代も今も変わりません。
“お金は動かした時にこそ価値を生む” のです。
社長が“勇気を持って使うべき”3つの領域
お金の散じ方は無数にあるようで、本質的に価値を生むのは次の3つです。
① 生産性を高める投資
古い設備を我慢して使い続けるのは、長期的に最も高くつきます。
改善や機械更新は回収効果が明確です。
② 人を強くする投資
教育・採用・評価制度など、人材強化に投じたお金は最もリターンが高いと言われています。
③ 社長の“考える時間”を生む投資
自動化・外注化・仕組み化。
社長が戦略を考える時間が生まれるだけで会社の伸びしろは大きく変わります。
まとめ:お金の価値は“動かした瞬間”に最大化する
時代は違いますが、渋沢の言葉は、現代の中小企業経営にも参考になる点があるように感じられます。
「儲けを集めるだけでは意味がない。
それをどう使うかで企業の未来が決まる。」
もし今、
- 設備投資の判断に迷っている
- 現金を減らすことに抵抗がある
- 成長の壁を感じている
このような状況なら、渋沢の言葉は、まさに背中を押してくれます。
“集めたお金を、価値を生む場所へ動かす勇気”
これこそが、企業を次のステージへ導く本当の理財です。
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