今、中小企業を苦しめているのは、
個々の問題ではなく「全部がつながった構造的なしんどさ」です。
だから必要なのは、
・気合や精神論
・流行りのDX
・とりあえずの補助金
ではなく、
自社の数字を起点に“どこから手を入れるか”を決めることです。
この記事でわかること
- なぜ中小企業だけ“体感が苦しい”のか
- 問題がバラバラに見える理由
- 社長が最初に考えるべき視点
日本の中小企業に忍び寄る「静かなる危機」
新聞やニュースでは
「賃上げ」「デフレ脱却」「景気回復」
といった明るい言葉が並びます。
しかし、多くの中小企業の社長が感じている体感は、
「正直、良くなっている気がしない」
ではないでしょうか。
この“違和感”は、感覚や気のせいではありません。
最新の各種調査データは、日本の中小企業が直面する
静かだけれど確実に進む危機を浮き彫りにしています。
今回は、その中でも特に重要な
5つの「不都合な真実」
を整理します。
① 倒産の原因は売上不振だけではない
人手不足が経営を止める時代へ
かつて倒産原因の代表例は「売上不振」でした。
しかし今、構図は大きく変わっています。
東京商工リサーチによると、
「人手不足」を理由とした倒産は2025年1〜11月で359件
前年同期比34.4%増と、過去最多を更新しました。
内訳を見ると、問題は単純ではありません。
- 人件費高騰:133件
- 求人難:125件
- 従業員の退職:101件
仕事がないのではなく、仕事があっても「回せない」。
特に資本金1,000万円未満の零細企業が全体の6割を占めている点は、他人事ではないでしょう。
② デジタル化は万能薬ではない
解決策が新たな悩みを生むジレンマ
人手不足の解決策として期待される「デジタル化」。
確かに、JFCの調査では約7割の企業が「5年前より進んでいる」と回答しています。
しかし一方で、「積極的に取り組めている」と胸を張れる企業は半数以下。
その理由は現実的です。
- 導入コストが高い
- 費用対効果が読めない
- 社内で使いこなせない
- 推進役となる人材がいない
「人が足りないからDXを進めたいのに、 DXを進める人もお金も足りない」
このジレンマに、多くの社長が悩んでいます。
③ すべての出発点は「売上」
成長投資を阻む根本問題
人手不足やDX以前に、
多くの中小企業を縛っているのが売上・受注の停滞です。
JFCの調査で、経営課題のトップは
売上・受注の停滞、減少(30.2%)
売上が伸びなければ、
- 賃上げもできない
- 投資もできない
- 新しいことに挑戦できない
結果として、
「現状維持に必死な経営」から抜け出せなくなる
という悪循環に陥ります。
④ コスト高という“万力”
賃上げできず、人が流出する構造
仮に売上が持ち直したとしても、
次に立ちはだかるのがコスト上昇です。
- 人件費の増加
- 原材料価格の高騰
- エネルギーコストの上昇
売上以上のスピードでコストが膨らみ、利益が削られる。
その結果、
大企業との賃金格差が開き、さらなる人材流出へ。
中小企業は今、
「成長型経済が求める賃上げ」と
「現実に上昇し続けるコスト」の
板挟みにあっています。
⑤ 半数の社長が感じる「資金繰り不安」
大同生命の調査では、
現在または将来に資金繰りの不安を感じている企業が
約5割に達しています。
しかも特徴的なのは、
- 外部環境の不安は感じている
- しかし「打てる対策がない」と感じている
この状態が続くと、
- 投資を控える
- 攻めの判断ができない
- チャンスを逃す
という、静かな体力低下が起こります。
結論:分岐点に立つ今、社長に問われていること
人手不足、デジタル化のジレンマ、売上停滞、コスト高、資金繰り不安。
これらは単独の問題ではなく、すべてがつながっています。
今はまだ表面化していなくても、
数字の裏では確実に変化が進んでいます。
だからこそ重要なのは、
- 正しい現状認識
- 数字に基づく判断
- 早めの選択と備え
マクロ経済がどうであれ、会社を守れるのは社長自身だけです。
この「静かなる危機」を知ることが、次の一手を考える出発点になるはずです。
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どこから手を付ければいいか、整理するところから
人手不足、コスト高、売上の伸び悩み――
いくつも課題が重なっていると、
「結局、何が一番の問題なのか」分からなくなりがちです。
今の中小企業の経営は、
気合や経験だけで乗り切れる状況ではありません。
まずは
数字をもとに、今の状況を整理すること。
そこから、現実的な選択肢が見えてきます。
「具体的な対策を求める段階ではない」
「まずは現状を確認したい」
そんな方でも大丈夫です。