~ 採択事例に学ぶ、通る計画書の共通構造 ~
はじめに
小規模事業者持続化補助金の申請において、多くの方が悩むのが
「何を書けば採択されるのか分からない」という点です。
一宮商工会議所のホームページには、実際に採択された事業計画書の事例が公開されています。
これらを読み込むと、採択される計画書には明確な共通点があることが分かります。
それは、情報量の多さでも、専門用語の巧みさでもありません。
共通しているのは、審査員が「理解しやすく」「納得できる」構造を持っていることです。
審査員を惹きつける「物語」の構築法
説得力のある事業計画書は、必ず一貫した物語(ストーリー)を持っています。
◆ ラーメン店・製造機材導入の採択事例に見る「課題→打ち手→未来」
ラーメン店・製造機材導入の事例では、次の流れが非常に明確でした。
- 現状の課題
・来店客の中心が店内飲食に偏っている
・コロナ禍で来店客数が減少
- 市場環境の変化
・テイクアウト需要の増加
・自宅での食事機会の増加
- 打ち手(補助事業)
・スープ製造に関わる製造機材の導入
・テイクアウト・イベント販売への対応力強化
- 将来像
・来店に依存しない売上構造の構築
・地域イベント等を通じた認知度向上
単なる「設備を導入したい理由」ではなく、
経営課題 → 市場変化 → 補助事業 → 将来の姿
という因果関係が、一本の物語として整理されています。
論理の骨格を創る:戦略分析フレームワークの活用
物語に「主観」だけでなく「客観性」を与えているのが、
SWOT分析/3C分析です。
◆ ラーメン店・製造機材導入の事例に見るSWOT分析の使い方
SWOT分析が明示的に記載されており、
補助事業の必要性を説明する土台として活用されています。
◆ SWOT分析(ラーメン店・製造機材導入)
| Strength(強み) | Weakness(弱み) |
| ・濃厚なコクが生まれた本格的な鳥白湯スープ ・良質な食材 | ・消費増税による売上の鈍化 |
| Opportunity(機会) | Threat(脅威) |
| ・成長し続ける中食産業の市場 ・高まるテイクアウト需要 ・食の安全性 ・鳥白湯ニーズ | ・競争の激化 ・原材料価格の高騰 |
このSWOT分析を見ると、
補助事業の方向性が極めて素直に導かれていることが分かります。
- 強みは「味」と「食材」
- 機会は「中食市場」「テイクアウト需要の拡大」
- 一方で、外部環境としては競争激化や原材料価格高騰という脅威が存在する
つまり、
高品質な鳥白湯スープという強みを活かしつつ、
変化する市場ニーズに対応し、
安定した供給体制を整える必要がある
という課題認識に、自然につながります。
この課題に対する具体的な打ち手が、
製造機材の導入による生産体制の強化であり、
SWOT分析がその必然性を論理的に裏付けています。
計画書を「採択レベル」に引き上げるポイント①
◆ 審査ポイントをセルフチェックする
小規模事業者持続化補助金では、評価基準があらかじめ示されています。
- 自社の強みは明確か
- 市場・顧客ニーズを踏まえているか
- 取組内容は具体的か
- 創意工夫があるか
- IT活用は示されているか
- 経費は妥当か
審査員は、これらの項目に沿って淡々と採点していきます。
◆ 菓子店・製造機材導入の事例に見る「創意工夫」と「IT活用」
- 新たな製造機材の導入による生産性向上
- 子どもや若年層を意識した商品開発
- 店内POPの刷新
- Instagram等SNSを活用した情報発信
- 地域イベントへの積極的な出店
といった取り組みが、写真や具体例を交えて記載されています。
単なる設備投資ではなく、
「誰に」「どんな価値を」「どう届けるのか」が明確に描かれており、
評価項目に正面から答えている点が特徴です。
計画書を「採択レベル」に引き上げるポイント②
◆ 読みやすさは“審査員への配慮”
審査員は、短期間で非常に多くの申請書を読みます。
その中で評価されるのは、「分かりやすい計画書」です。
採択事例に共通して見られる工夫は次のとおりです。
- 箇条書きを多用して整理している
- 専門用語を避け、平易な言葉で書かれている
- 写真・図表を効果的に使用している
- 一文が短く、結論が早い
◆ 飲食店・真空パック包装機導入の事例に見る「伝わる表現」
- 導入前後での作業工程の違い
- 作業時間の短縮効果
- 品質保持期間の延長
- 売上増加につながる根拠
が、数値と文章で簡潔に示されています。
機械の性能説明に終始せず、
「経営改善にどう寄与するのか」に焦点を当てている点が、
採択につながった重要なポイントです。
まとめ:戦略的思考が補助金獲得の道を拓く
採択事例を通して見えてくるのは、
補助金申請が単なる「書類作成」ではないという事実です。
- 現状分析で立ち位置を明確にし
- 物語構築で一貫した計画を描き
- SWOT・3C分析で論理的裏付けを行い
- 読みやすい表現で審査員に伝える
この一連のプロセスこそが、
採択率を最大化する正攻法と言えるでしょう。
ご相談はこちら
「自社の強みをどう書けばいいか分からない」
「事業計画書が独りよがりになっていないか不安」
「採択事例のような構成に整理できない」
そう感じたら、一人で抱え込まずにご相談ください。
商工会議所提出用の事業計画書を、審査目線で一緒に設計します。
無料メルマガ登録のご案内
数字を見るのがちょっと気が重いな、という社長へ。
“お金のモヤモヤが少し軽くなる”メルマガをつくりました。
経営にまつわるお金の話を気軽に読める形で、週1回お届けします。
📘 無料登録特典
「どの道を選ぶべきか?主要補助金 徹底比較ガイド」