CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)とは
仕入代を支払ってから売上代金の回収までの所要日数のことを「CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)」と言います。言い換えると、企業の運転資本が現金として循環するのに要する日数をのことです。
資金繰りが良くない場合、このCCCが適切に管理されていないことが原因となっている可能性があります。CCCは在庫を扱う業種や建設業、製造業などにおいては、資金繰りを考える上で非常に重要な概念となります。
掛仕入を行った場合、商品が先に届きます。その商品は売れるまでは在庫として保有されます。支払いが翌月という条件であれば、そこで仕入代としてのキャッシュが会社から出ていきます。・・・①
その後商品が掛売りで販売された場合、在庫は捌けて売上が立ちますが、掛代金が回収されるまでは、キャッシュは会社には入って来ません。・・・②
その間の資金の欠乏期間(①から②までの資金がない期間)が「CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)」です。

CCCの見方
「支払いは遅く、回収は早く」が資金繰りを良くするための鉄則です。手許にキャッシュがない期間は短い方が良いです。もっと言えば、手許にキャッシュがいつもあり、滞留期間が長いほど、資金繰りに余裕が生まれます。
計算式としては、
CCC=棚卸資産回転期間+売上債権回転期間-仕入債務回転期間(日)
です。期間で表すと、経営者にも直感的に分かりやすいと思います。
CCCはまさにこれを日数で数値化したもので、短いほど資金繰りが良く、長いほど資金繰りが悪いということになります。CCCがゼロであれば、支払いと入金が入れ替えで来ることでタイムラグがないため、資金繰りは楽です。
ちなみに、AmazonやAppleでは、CCCがマイナス、つまり売れば売るほど滞留するキャッシュが増える(資金繰りが良くなる)という状況にあります。
CCCで資金が不足する場合は、経常運転資金(=売上債権+棚卸資産ー仕入債務)として借入れを検討します。この検討にあたっては、期末の決算書の値で単純に計算するのではなく、期中のボリュームも勘案のうえ、必要額を見定めないと、せっかく融資を受けても資金ショートになる虞があります。⇒【ブログ】経常運転資金は短期継続融資
CCCの業種ごとの特徴
建設業
建設業は以下の理由から、CCCが長くなる傾向にあります。
・工事完了後の入金のウエイトが高く、とくに大規模工事では代金回収が遅れる傾向にあります。支払いを受けるまで数か月という場合もあります。そのため、売上債権回転期間が長くなりがちです。回収期間を短くする交渉が出来るのであれば、ぜひすべきです。
・資金繰りが脆弱な中小零細の下請業者への支払いは、早くする必要があるため、仕入債務回転期間が短くなります。下請けいじめはNGですが、対等な交渉が出来る場合は、取引先との信頼関係を構築し、支払い条件の見直しを進めたいところです。
・棚卸資産としての材料は、必要な分を発注しすぐに使われるため、滞留期間は短い傾向にあります。
一般的には建設業の資金繰りは難しいと言えます。日次で資金繰り管理をして、資金ショートを未然に防ぐことが肝要です。
小売業
小売業は様々ありますが、とくに現金商売の場合、CCCが短くなる傾向にあります。
・BtoC(一般顧客を相手にする業態)であるため、現金払いが多いのが特徴です。決済ではクレジットカード決算など入金まで期間が空くものもあります、売掛金はほとんど発生しません。
・売るものにもよりますが、食品などは消費期限が短いため、在庫が迅速に回転し、棚卸資産回転期間が短くなります。
・大規模店など仕入先に対する交渉力が強い店舗においては、支払い条件が比較的有利に設定されていることが多く、仕入債務回転期間が長くなります。
売上と在庫の回転が早い小売業は、CCCが短く資金効率が高い経営を実現している会社が多い傾向にあります。
まとめ
CCCは業界ごとにばらつきがあるため、一概に比較は出来ませんが、自社の過年度と比べて長くなったら資金繰り上要注意です。CCCを1日でも短縮し、資金繰りを改善するために、売上顧客からの入金期間を短くする、仕入れ先への支払いまでの期間を長めにするよう交渉する、無駄な棚卸資産は持たない、などの対策を検討しましょう。
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